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感想:『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』

2009年12月16日 21時14分19秒 | 本と雑誌
耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)
価格:¥ 651(税込)
発売日:2009-01-30


石川博品のデビュー作。異世界を舞台としたファンタジーではあるが、ラノベらしいパロディが随所に散りばめられている。世界観は全く異なるが、『生徒会の一存』シリーズに雰囲気が近いかもしれない。

世界観はユニーク。本地民と王国民という異なる価値観をうまく対峙させている。善悪のような対比ではなく、それぞれの美点と欠点がちゃんと描かれている。特に本地民による委員活動は左翼的ではあるが、そうしたイデオロギーというよりも、構造自体を皮相的に捉えている。もちろん、皮相的ではあるが、口だけではなく行動を伴うべきといったその優れた点も描いてバランスを取っている。

キャラクターも類型ではなくかなり個性的だ。その分、”萌え”のツボを押さえられてはいない印象だが、凡百のライトノベルの中でも独特の存在と位置付けられるほどだと思う。ただし、文章が拙かったり、構成が弱かったりするせいで、魅力を十分に引き出せているとは言い難い。
そんな個性的な面々の中で主人公は比較的ニュートラルな位置付けなのだが、妄想成分が非常に多い。もちろん性的な意味で。好みの問題ではあるが、思春期の男の子が主人公である以上、無関心すぎる主人公像には違和感が強いだけに、むしろこうした主人公の方が共感はしやすい。ただし、ここでも文章力などの問題がある。

設定やキャラクターのユニークさを引き出し切ってはいない。特に物語や展開、演出など随所に綻びが目立つのが非常に残念だ。面白くなる可能性を秘めてはいるが、本書の時点では「変」な作品で終わってしまっている。「変」であることは大きな武器ではあるが、それを面白さに結び付けなければ成功とは言えない。今後どんな方向に進んでいくか続編を読みたいシリーズであることには間違いないが。(☆☆☆)


Oblivion プレイ日記1

2009年12月15日 23時40分38秒 | アニメ・コミック・ゲーム
Oblivionはリアルタイムで進行するタイプのRPG。ある程度のアクション性は求められるが、どこでもセーブ可能なので繰り返せばたいていの状況は克服できるだろう。もちろん、セーブ箇所によってはハマリの起きる危険も予測されるが。

まずはキャラクターメイキング。Oblivionではプレイヤーキャラクターは1人のみ。種族は豊富だが、洋ゲーのお約束なのでそう惑うことはない。選択したのはHigh Elf。基本的に魔法使いを選択するので、それにあった種族を選んだ。名前はFai。ゲームのメインキャラクターで性別の選択が可能な場合はほとんど女性を選択する。例外はPSOくらいだった。
顔は造形は非常に細かい。ランダムでは人間離れした顔ばかりなので、面倒でも自分で選択していく。3Dで顔の骨格を作り上げていく。それに比べると顔のパーツの色の選択は比較的単純で、髪に至ってはいくつかのチョイスができるだけ。美形を作りたかったが、根負けしてとりあえずゲームスタート。

操作はキーボードとマウス。とはいえ、最も慣れているマイトマとはかなり異なるキー設定でなかなか慣れない。特に、落ちているアイテムを拾ったりするメインの操作と攻撃とが別なのによく間違えた。
アイテムに重量が設定してあり、持てる重さが決まっているのは基本とも言えるが、すぐに重量制限で動けなくなる。どのアイテムに価値があるか手探りなので、捨てづらいせいもあって手間取った。
調子に乗ってプレイしていたら、ゴブリンの魔道士だかにあっさりと殺された。こまめなセーブを怠っていたため、やり直しは面倒だったが、そうこうするうちに少しずつ慣れていく。
ゲームの進行に従って、星座とクラスを決める。星座はThe Lady、クラスはSorcererを選択した。星座によっては1日1回使える能力があったりするが、使い惜しみしがちな性質なのでステータスアップ系を選んだ。

そして、ようやく最初のダンジョンから脱出。いよいよこれから冒険の始まりって感じだ。


一段落――Prime Galleria HG 購入記5

2009年12月14日 21時08分16秒 | デジタル・インターネット
いくつかの問題は解決し、いくつかの問題は棚上げのまま。それでも、新PC購入による高揚は一段落といった感じ。
データの移設もほぼ終わったし、喫緊の課題も特には無くなった。ウィンドウのサイズ&位置の問題はほぼ解決。マウスの方はいまだ解決せず。第4ボタンなどにコピーとペーストを割り振って使っていたのだが、ブラウザでは「戻る」が実行されることがある。VirtualBoxへのMe導入は棚上げ。
環境が整ってしまうと、新PCだからといって特別やることもない。いくつかやりたいことはあるが、そのほとんどは旧PCでも出来たこと。重くて時間は掛かるだろうが。
その例外はPCゲームの「オブリビオン」だ。PCゲームの購入は、3年ほど前の「Fate/stay night」が最後。ヴィジュアルノヴェルのこの作品でさえ、重くてプレイするのに苦労した。
洋ゲー好きなので、「Might & Magic VI~VIII」、「Wizardry 8」、「Diablo I~II」、「Baldur's Gate」、「Nox」、「REVENANT」、「Wizards & Warriors」、「Dungeon Keeper」と数々のゲームに手を出していたが、PCの相対的な性能低下によってここ数年はさっぱり。中でも話題の大作「Oblivion」は大いに関心があったものの、手が出せなかった。
準備は整った。
ただ恐ろしいのは、やり始めると他のことができなくなるかもしれないという点。覚悟して、プレイを始めねばなるまい。順調にプレイできれば、このブログもしばらくはプレイ日記になってしまいそうだ。


感想:『さよならピアノソナタ〈2〉』

2009年12月13日 23時21分32秒 | 本と雑誌
さよならピアノソナタ〈2〉 (電撃文庫)さよならピアノソナタ〈2〉 (電撃文庫)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2008-03-10


読書メーターにも書いたが、「主人公に馬鹿と言うためだけに最後まで読んだ、ただそれだけの価値の作品」だった。

〔ラブコメの定型の話その3〕
数学ガール/フェルマーの最終定理』、『らじかるエレメンツ』、の3冊はどれも、男子高校生が主人公で、複数の少女の片思いを全く気付かないという一昔前のラブコメの典型的な構図になっている。
正直、この安直な定型には作者の怠慢としか思えない。コミックは最近はほとんど読んでいないが、少女マンガではもう見かけない気がするし、少年マンガでも古くさいんじゃないかと思う。堂々とこんな定型を描くなんてラノベくらいじゃ……と感じてしまった。と、ここまでは前掲2冊の記事にも書いた。

本書はそれが最悪の形で利用されている。ヒロインたち3人は主人公に対して好意を持っている。中でもメインヒロイン真冬は未熟であるがゆえにそれにどう直面していいか分からない。主人公はゼロ年代男性主人公の典型とまでは言わないが、好意に気付けないし、人間関係において何をどうしたいかという感情すら存在しないかのように振舞う。物語の展開のために利用しやすいがためという理由もあるのだろうが、余りにも酷すぎる。
無能な馬鹿が魅力的なヒロインたちから好意を持たれ、決断すらしなくても許されるという、まさにハーレムだが、それを物語の軸に据えると当然その物語は最低最悪となる。物語を展開させるために用意された試練は主人公の無能さが生み出したものなのに、主人公の無能さを放置したままで解決させようと他のキャラクターたちまで必死に行動する。それで試練を乗り越えてもめでたしめでたしとは思えないだろう。こんなマッチポンプの展開に付き合い切れない。

1巻は問題が主人公の外にあったのでそんなに酷いものではなかったが、この2巻を平然と書かれると著者への信用は失墜する。人気のライトノベル作家ではあるが、もう一冊手に取ってみたいとは思えなくなってしまった。(☆)




これまでに読んだ杉井光の本の感想。(☆は評価/最大☆10個)

さよならピアノソナタ』(☆☆☆)


感想:『らじかるエレメンツ』

2009年12月13日 22時56分48秒 | 本と雑誌
らじかるエレメンツ (GA文庫)らじかるエレメンツ (GA文庫)
価格:¥ 630(税込)
発売日:2008-04-15


白鳥士郎のデビュー作。流行の高校文科系部活もので、化学実験部が舞台。とはいえ、部の存続のためにやるのはスポーツチャンバラで、後半はほとんどスポ根のノリになっている。
キャラクターは個性的ではあるが、独創的ではない。ヒロインは破天荒のトラブルメーカーで主人公に片思い中。他に、クールな留学生男子、腐女子の後輩、病弱な薬マニア、幼馴染の生徒会長(もちろん主人公に片思い中)とどれも典型的。台風のエピソードはいいとしても、全体に弾け足りない感じだった。つまらないとは言わないが、インパクトに欠ける。そして、インパクト勝負の作品にとってそれは致命傷である。

〔ラブコメの定型の話その2〕
数学ガール/フェルマーの最終定理』、本書、『さよならピアノソナタ〈2〉』の3冊はどれも、男子高校生が主人公で、複数の少女の片思いを全く気付かないという一昔前のラブコメの典型的な構図になっている。
正直、この安直な定型には作者の怠慢としか思えない。コミックは最近はほとんど読んでいないが、少女マンガではもう見かけない気がするし、少年マンガでも古くさいんじゃないかと思う。堂々とこんな定型を描くなんてラノベくらいじゃ……と感じてしまった。と、ここまでは『『数学ガール/フェルマーの最終定理』の記事でも書いた。

本書では主人公のにぶさにイライラするというほどではないが、それでも大きな減点対象である。ストーリーをこの構図で引っ張ろうとする著者の意図が見え透いて楽しめない。展開も意外性がなくなり、物語の面白さは皆無である。演出面の小技でかろうじて読む気になる程度で、2巻以降を読みたいとは思わない。
更に、主人公は助言を受けて窮地を脱する。アドバイスというよりも正解を教えてもらって答えを出したというのに近い。これでは主人公の悩みや苦しみさえ記号に過ぎなくなる。こんな主人公に魅力を感じることはできないし、そんな主人公を好きになるヒロインたちにも共感できない。

ラブコメはどうしてもパターンが限定されがちである。その少なさは、読者の世代交代によってのみ救われているようなものだ。従って、例外的な少数を除けば、ある程度のラブコメを知ればそれ以上楽しめる作品と出会えなくなってしまう。本書もまたその例外には当たらないラブコメだったと言えるだろう。(☆☆)


感想:『数学ガール/フェルマーの最終定理』

2009年12月13日 22時30分50秒 | 本と雑誌
数学ガール/フェルマーの最終定理数学ガール/フェルマーの最終定理
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2008-07-30


物語に埋もれそうになったとき、一服の清涼剤のようにその輝きが浮かび上がる。「数学ガール」シリーズ第2弾。新キャラクターとしてユーリが登場し、ハーレム状態なのだけれど、語られるのは愛ではなくてi(虚数単位)がメイン。
サブタイトルにあるように、テーマはフェルマーの最終定理。代数と幾何の関係をうまく織り交ぜながら、ピタゴラスの定理からフェルマーの最終定理へとステップアップしていく様はとても楽しい。さすがに、最後のセミナーで語られる高等数学は難解だが、道筋をたどる面白さをうまく表している。
サイモン・シンやアミール・D.アクゼルによる、フェルマーの最終定理を扱った数学解説書は読んだ。これらは数学の歴史をなぞりながら数学者たちがいかにしてこの難問に立ち向かったかを鮮やかに描いてみせた。本書はそれとは全く異なるアプローチである。もちろん、数学の歴史的なフォローもなされてはいるが、一介の高校生レベルの数学で可能な限り説明してあり、それを共に解いていく感覚が素晴らしい。
もし高校生の時に出会っていたら、間違いなく理系を選択しただろう。そう思えるほど数学の楽しさが伝わる作品だ。(☆☆☆☆☆☆☆)

〔ラブコメの定型の話その1〕
本書、『らじかるエレメンツ』、『さよならピアノソナタ〈2〉』の3冊はどれも、男子高校生が主人公で、複数の少女の片思いを全く気付かないという一昔前のラブコメの典型的な構図になっている。
正直、この安直な定型には作者の怠慢としか思えない。コミックは最近はほとんど読んでいないが、少女マンガではもう見かけない気がするし、少年マンガでも古くさいんじゃないかと思う。堂々とこんな定型を描くなんてラノベくらいじゃ……と感じてしまった。
ただし、本書においては、その構図は作品の楽しみをほとんど阻害しない。なぜなら、ストーリーは脇役だからだ。惚れた腫れたではなく、論理と証明が大切であり、極端な話、女の子が出てこなくても全く作品への興味は変わらない。脇役であるということを著者も読者も理解しているがゆえに、定型であっても気にならずに済んでいる。




これまでに読んだ結城浩の本の感想。(☆は評価/最大☆10個)

数学ガール』(☆☆☆☆☆☆)


徹夜――Prime Galleria HG 購入記4

2009年12月12日 18時22分43秒 | デジタル・インターネット
初期不良等の不安もどこ吹く風のように、PC自体は非常に好調。旧PCからのデータの移設や新PCの各種設定にやたら時間が掛かるのは仕方がない。
旧PCはWindows XPとMeのデュエルブート。Meは起動が早く、動きも軽いがXPからでないとシャットダウンができないという致命的な弱点があった。XPは重く、フリーズも多くなってしまった。ただネットの閲覧だけでもMeでは対応できないコンテンツも増えてきたので、XPも欠くべからざる存在ではあった。メモリやHDDの容量不足もあり、かなり苦しみながらの使用が長く続いた。軽く、早いというだけで、もう新PCを手放しで称えたくなってしまう。

しかし、新PCにも不満はかなりある。それはハード的なものよりもソフト上のものが多い。
ハードでは、キーボードとマウスが不満。1000円くらいのUSBキーボードをPS2に繋げてFF11用で使っているが、それと似たような感じ。タッチが重い感覚があるので、旧PCのキーボードと交換しようか迷っている。マウスは昨日ボタンの割り当てができないと記したが、ドスパラのサイトからドライバをDLして解決したかに思えた。だが、実際にはちゃんと使えたり使えなかったりでかえってイライラしてしまう。こちらも旧PCのマウスとの交換も視野に入れている。古いマウスで汚いし、マウスの方は決して悪い感じじゃないんだけれど。

ソフト面で真っ先に挙げられるのは、起動したアプリケーションのウィンドウのサイズや位置が記憶されないこと。これはどう手を出せばいいやら困惑している。閉じたアプリケーションを再び開けると、たいてい小さなウィンドウになっている。毎回大きくし直すのは結構な手間だ。

一時、Windows 7のProfessionalにしようかと迷っていた。理由はWindows XP Modeの存在だ。だが、Homeでもディスクがあれば可能だと知った。ネット上の報告では、Windows Virtual PCよりもSunのVirtualBoxの方が反応が良いと評判だったので、まずはそれを入れてみた。これはスムースに成功。次に、Virtual PCに98を入れようとしたが、うまく行かず、結局XPをこちらも入れてしまった。
実は普通のスピーカーだけでなく、ミニコンポもPCに繋げて使うことができるシステムがあった。かなり古いもので今のOSではドライバが対応していない。しかし、Virtual PCのXPの仮想ドライブからドライバを入れたところ7でも使えるようになった。これは大きな収穫だ。
一方、98またはMeを仮想ドライブに入れようという試みは成功していない。VirtualBoxで、OSのCDをISO化したり、起動ディスクのフロッピーをイメージ化して対応したが、どうやらCDのドライバの読み込みで止まってしまうようだ。持っているPCゲームの古いものはXPでさえ利用できない。例えば、Might & Magicの場合、6はXPでも動くが、7は全く駄目だし、8もほとんど動かない。マイトマは時折思い出したようにプレイしたくなるので、できる環境は保全しておきたいところ。とはいえ、旧PCは贅肉をそぎ落としてスリムになったので、Meか98専用マシンとしてゲーム用にすれば良さそうだ。

現状はIMEを使いやすく修正したり(Google IMEにも関心はあるが、FF11とは相性が悪いらしい)、よく使うソフトを使いやすく整えたりといった地味な作業が続く。Windows 7の性能もまだよく分かっていないし、DVDのライティングなど具体的な行動が必要になればまた課題も出てきそうだ。ドスパラでPS3が外れたら300ポイントもらえるので、PCの購入とそのポイントを使って地デジチューナーを購入予定。それを繋げればまた新たなトラブルの種も現れるだろう。
旧PCから飛躍的に性能がアップしたため、今は快適さが優先している。だが、それに慣れてくれば、細かな問題点も増えるだろう。できるだけそれを放置ではなくクリアしていきたい。必要に迫られればけっこう何でもできるものだしね。


Prime Galleria HG 到着――新PC購入記3

2009年12月11日 17時49分09秒 | デジタル・インターネット
予想よりも早く新PCが到着した。置き場所を色々と考えてはいたのだけれど、実際に届いてみると四苦八苦って感じに。将来配置については考え直す必要がありそうだ。

手間がかかるかと思っていたセットアップは意外と順調。プリンタはまだ接続していないが、他の外部機器自体がほとんどないせいもある。
Windows 7自体が軽いのかPCの性能故なのかはともかく、快適さに関しては本当に夢の如し。ただ安物っぽいキーボードはともかく、5ボタンもあって良さげなマウスのボタン割り当てができなくて困っている。

ソフトももともとそう多くは入れていないので、いくつかフリーソフトをダウンロードしてこれまでの環境に速やかに復帰しつつある。ゲームでは購入した「オブリビオン」よりも先にFF11を入れたのはPC版を味わってみたいから。ただコントローラの変換機をまだ購入していないので、実戦はそれからとなる。

液晶モニタは価格に目が眩んでPrime TW235FHDを選択。23.5型のドスパラオリジナルブランド品。他の液晶モニタと比較はできないが、台の高さが低いことを除くと思ったより良さそうに見える。ただアイコンがやたら大きく見える。これまでの環境との比較からだが、もう少しあちこちいじれればと思うのだけれど、微妙にあれこれと使い勝手が分かりづらい。

この軽さだけで価値ある新PC。折角なのでこれまでやれなかったことにも挑戦したいものだ。


『2010年版 このミステリーがすごい!』

2009年12月11日 00時17分11秒 | 本と雑誌
このミステリーがすごい! 2010年版このミステリーがすごい! 2010年版
価格:¥ 500(税込)
発売日:2009-12-10


最高の本! 2010 完全保存版―Book of The Year』、『このライトノベルがすごい!2010』に続いて、2009年を振り返るブックガイドを購入した。実は、何度も立ち読みはしたことがあるのに買うのは初めてとなる「このミス」である。
図書館に予約中の作品はあるが、国内海外合わせてランキング入りした作品で読んだのはわずか1作のみ。しかも、その作品への評価は最低という有様なので、語る言葉を持たないと言ってしまいたくなるが、ざっとコメントを記しておこう。ベストテンの半数くらいは1年以内に読みたいものだけれど。

☆国内編

■1位 新参者/東野圭吾/講談社
新参者新参者
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2009-09-18

加賀恭一郎シリーズは本書を除いて全て読み終えた。それだけにこの連作短編集を読みたいとは思っている。『最高の本! 2010』国内ミステリーベスト10では8位。

■2位 ダブル・ジョーカー/柳広司/角川書店
ダブル・ジョーカーダブル・ジョーカー
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-08-25

『ジョーカー・ゲーム』の続編。これも連作短編集。吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞受賞作。『最高の本! 2010』国内ミステリーベスト10では9位。

■3位 Another/綾辻行人/角川書店
AnotherAnother
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2009-10-30

10月末発売ながら3位に食い込んだ作品。学園ホラーと本格ミステリの融合と言われている。綾辻行人の作品は昔かなり読んだので、ぜひ本書も読んでみたい。

■4位 追想五断章/米澤穂信/集英社
追想五断章追想五断章
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2009-08

作家別得票数トップという米澤穂信。『最高の本! 2010』国内ミステリーベスト10でも3位と高評価だった。

■5位 犬なら普通のこと/矢作俊彦+司城志朗/早川書房
犬なら普通のこと (ハヤカワ・ミステリワールド)犬なら普通のこと (ハヤカワ・ミステリワールド)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-10-30

クライムノベル。このコンビでは『暗闇にノーサイド』などの作品がある。

■6位 粘膜蜥蜴/飴村行/角川ホラー文庫
粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)
価格:¥ 700(税込)
発売日:2009-08-25

スプラッターホラー。『粘膜人間』に続くデビュー2作目。『最高の本! 2010』国内ミステリーベスト10では2位。

■7位 仮想儀礼 上下/篠田節子/新潮社
仮想儀礼〈上〉仮想儀礼〈上〉
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2008-12
仮想儀礼〈下〉仮想儀礼〈下〉
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2008-12

柴田錬三郎賞受賞作。新興宗教を題材にした作品。

■8位 暴雪圏/佐々木譲/新潮社
暴雪圏暴雪圏
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2009-02

佐々木譲お得意の北海道を舞台にした警察小説。『最高の本! 2010』国内ミステリーベスト10では5位。

■9位 龍神の雨/道尾秀介/新潮社
龍神の雨龍神の雨
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2009-05

青春ミステリー。道尾秀介は『最高の本! 2010』国内ミステリーベスト10では、『花と流れ星』が4位に入っていた。

■10位 秋期限定栗きんとん事件 上下/米澤穂信/創元推理文庫
秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2009-02
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2009-03-05

このランキング中で唯一読んだ作品。感想は【上巻】【下巻】。☆10個を最大とした評価でともに(☆)と最低の評価を下した。

■11位 鷺と雪/北村薫/文藝春秋
鷺と雪鷺と雪
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2009-04

直木賞受賞作。

■12位 函館水上警察/高城高/東京創元社
函館水上警察函館水上警察
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2009-07-11


■13位 ジョニー・ザ・ラビット/東山彰良/双葉社
ジョニー・ザ・ラビットジョニー・ザ・ラビット
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2008-12


■14位 同期/今野敏/講談社
同期同期
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2009-07-17


■15位 鬼の跫音/道尾秀介/角川書店
鬼の跫音鬼の跫音
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2009-01-31


■15位 ダイナー/平山夢明/ポプラ社
ダイナーダイナー
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-10-23


■17位 儚い羊たちの祝宴/米澤穂信/新潮社
儚い羊たちの祝宴儚い羊たちの祝宴
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2008-11


■18位 密室殺人ゲーム2.0/歌野晶午/講談社ノベルス
密室殺人ゲーム2.0 (講談社ノベルス ウC-)密室殺人ゲーム2.0 (講談社ノベルス ウC-)
価格:¥ 1,155(税込)
発売日:2009-08-07


■19位 無理/奥田英朗/文藝春秋
無理無理
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2009-09-29


■20位 電氣人閒の虞/詠坂雄二/光文社
電氣人閒の虞電氣人閒の虞
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2009-09-18


■21位 オリンピックの身代金/奥田英朗/角川書店
オリンピックの身代金オリンピックの身代金
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2008-11-28


■22位 身の上話/佐藤正午/光文社
身の上話身の上話
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2009-07-18

『最高の本! 2010』国内ミステリーベスト10で1位を獲得した作品。

■23位 おさがしの本は/門井慶喜/光文社
おさがしの本はおさがしの本は
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2009-07-18


■23位 疑心/今野敏/新潮社
疑心―隠蔽捜査〈3〉疑心―隠蔽捜査〈3〉
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-03


■25位 螻蛄/黒川博行/新潮社
螻蛄螻蛄
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2009-07


■26位 身代わり/西澤保彦/幻冬舎
身代わり身代わり
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2009-09


■27位 初恋ソムリエ/初野晴/角川書店
初恋ソムリエ初恋ソムリエ
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2009-10-02


■28位 後悔と真実の色/貫井徳郎/幻冬舎
後悔と真実の色後悔と真実の色
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2009-10


■29位 煉獄の使徒 上下/馳星周/新潮社
煉獄の使徒〈上〉煉獄の使徒〈上〉
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2009-05
煉獄の使徒〈下〉煉獄の使徒〈下〉
価格:¥ 2,100(税込)
発売日:2009-05


■30位 鉄の骨/池井戸潤/講談社
鉄の骨鉄の骨
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2009-10-08


■30位 廃墟に乞う/佐々木譲/文藝春秋
廃墟に乞う廃墟に乞う
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2009-07-15


■30位 少女/湊かなえ/早川書房
少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2009-01-23


☆海外編

■1位 犬の力 上下/ドン・ウィンズロウ/角川文庫
犬の力 上 (角川文庫)犬の力 上 (角川文庫)
価格:¥ 1,000(税込)
発売日:2009-08-25
犬の力 下 (角川文庫)犬の力 下 (角川文庫)
価格:¥ 1,000(税込)
発売日:2009-08-25

『最高の本! 2010』海外ミステリーベスト10では4位ながら、そこでの『ミレニアム』の大絶賛を見て「このミス」でも1位は揺るがないと思っていただけに驚きの1位獲得。しかも、得点でダブルスコアをつけての首位だ。30年間の麻薬戦争を描いた力作。

■2位 ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上下/スティーグ・ラーソン/早川書房
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上
価格:¥ 1,700(税込)
発売日:2008-12-11
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下
価格:¥ 1,700(税込)
発売日:2008-12-11

全世界で2千万部以上のセールスを記録したという作品。三部作全てがランクインした。ラーソンはスウェーデンの作家で既に亡くなっている。『最高の本! 2010』海外ミステリーベスト10では1位。

■3位 ユダヤ警官同盟 上下/マイケル・シェイボン/新潮文庫
ユダヤ警官同盟〈上〉 (新潮文庫)ユダヤ警官同盟〈上〉 (新潮文庫)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2009-04-25
ユダヤ警官同盟〈下〉 (新潮文庫)ユダヤ警官同盟〈下〉 (新潮文庫)
価格:¥ 660(税込)
発売日:2009-04-25

ヒューゴー賞ネビュラ賞ローカス賞のSF三賞を総なめにした傑作SF。

■4位 バッド・モンキーズ/マット・ラフ/文藝春秋
バッド・モンキーズバッド・モンキーズ
価格:¥ 1,200(税込)
発売日:2009-10

寡作のカルト作家によるアクション。

■5位 ソウル・コレクター/ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋
ソウル・コレクターソウル・コレクター
価格:¥ 2,500(税込)
発売日:2009-10-29

モンスター・シリーズ8作目。

■6位 グラーグ57 上下/トム・ロブ・スミス/新潮文庫
グラーグ57〈上〉 (新潮文庫)グラーグ57〈上〉 (新潮文庫)
価格:¥ 700(税込)
発売日:2009-08-28
グラーグ57〈下〉 (新潮文庫)グラーグ57〈下〉 (新潮文庫)
価格:¥ 700(税込)
発売日:2009-08-28

『チャイルド44』の続編。ソ連を舞台とした作品。『最高の本! 2010』海外ミステリーベスト10では3位。

■7位 川は静かに流れ/ジョン・ハート/ハヤカワ・ミステリ文庫
川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
価格:¥ 1,029(税込)
発売日:2009-02-06

アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞受賞作。『最高の本! 2010』海外ミステリーベスト10では2位。

■8位 泥棒が1ダース/ドナルド・E・ウェストレイク/早川書房
現代短篇の名手たち3 泥棒が1ダース (ハヤカワ・ミステリ文庫)現代短篇の名手たち3 泥棒が1ダース (ハヤカワ・ミステリ文庫)
価格:¥ 840(税込)
発売日:2009-08-21

短編集。

■9位 ミレニアム2 火と戯れる女 上下/スティーグ・ラーソン/早川書房
ミレニアム2 上 火と戯れる女ミレニアム2 上 火と戯れる女
価格:¥ 1,700(税込)
発売日:2009-04-02
ミレニアム2 下 火と戯れる女ミレニアム2 下 火と戯れる女
価格:¥ 1,700(税込)
発売日:2009-04-02


■10位 リンカーン弁護士 上下/マイクル・コナリー/講談社文庫
リンカーン弁護士〈上〉 (講談社文庫)リンカーン弁護士〈上〉 (講談社文庫)
価格:¥ 830(税込)
発売日:2009-06-12
リンカーン弁護士〈下〉 (講談社文庫)リンカーン弁護士〈下〉 (講談社文庫)
価格:¥ 830(税込)
発売日:2009-06-12

弁護士を主人公としたシリーズの第1作。

■10位 ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上下/スティーグ・ラーソン/早川書房
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上
価格:¥ 1,700(税込)
発売日:2009-07-09
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下
価格:¥ 1,700(税込)
発売日:2009-07-09


■12位 毒蛇の園/ジャック・カーリイ/文春文庫
毒蛇の園 (文春文庫)毒蛇の園 (文春文庫)
価格:¥ 900(税込)
発売日:2009-08-04


■13位 静かなる天使の叫び 上下/R・J・エロリー/集英社文庫
静かなる天使の叫び〈上〉 (集英社文庫)静かなる天使の叫び〈上〉 (集英社文庫)
価格:¥ 740(税込)
発売日:2009-06
静かなる天使の叫び〈下〉 (集英社文庫)静かなる天使の叫び〈下〉 (集英社文庫)
価格:¥ 740(税込)
発売日:2009-06

『最高の本! 2010』海外ミステリーベスト10では6位。

■14位 災厄の紳士/D・M・ディヴァイン/創元推理文庫
災厄の紳士 (創元推理文庫)災厄の紳士 (創元推理文庫)
価格:¥ 987(税込)
発売日:2009-09-30

38年前にイギリスで刊行された作品の翻訳もの。

■15位 水時計/ジム・ケリー/創元推理文庫
水時計 (創元推理文庫)水時計 (創元推理文庫)
価格:¥ 1,134(税込)
発売日:2009-09-05


■16位 死神を葬れ/ジョシュ・バゼル/新潮文庫
死神を葬れ (新潮文庫)死神を葬れ (新潮文庫)
価格:¥ 820(税込)
発売日:2009-07-28


■17位 二壜の調味料/ロード・ダンセイニ/ハヤカワ・ミステリ
二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)二壜の調味料 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2009-03-06


■18位 検死審問ふたたび/パーシヴァル・ワイルド/創元推理文庫
検死審問ふたたび (創元推理文庫)検死審問ふたたび (創元推理文庫)
価格:¥ 987(税込)
発売日:2009-03-20

『検死審問―インクエスト―』の続編。

■19位 メアリー・ケイト/ドゥエイン・スウィアジンスキー/ハヤカワ・ミステリ文庫
メアリー‐ケイト (ハヤカワ・ミステリ文庫)メアリー‐ケイト (ハヤカワ・ミステリ文庫)
価格:¥ 882(税込)
発売日:2008-11


■20位 フロム・ヘル 上下/アラン・ムーア&エディ・キャンベル/みすず書房
フロム・ヘル 上フロム・ヘル 上
価格:¥ 2,730(税込)
発売日:2009-10-10
フロム・ヘル 下フロム・ヘル 下
価格:¥ 2,730(税込)
発売日:2009-10-10

グラフィックノベル。




コメントは機会があれば追加予定。知らない作家・作品も多いので今はこれで精一杯。


発送――新PC購入記2

2009年12月10日 20時49分43秒 | アニメ・コミック・ゲーム
The Elder Scrolls IV: Oblivion Game of the Year Edition(輸入版:北米)The Elder Scrolls IV: Oblivion Game of the Year Edition(輸入版:北米)
価格:(税込)
発売日:


一足早く、『The Elder Scrolls IV: Oblivion Game of the Year Edition』が到着。ソフトだけあっても意味はないけれど。一方、PCの方は発送のメールが届いた。12日前後に到着の予定のようだ。一番ワクワクする時間。到着すれば、しばらくはPCの事に没頭し、1日1冊読了のノルマが達成できなくなりそうなのが心配だけれど、仕方がないか。