斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 (講談社ノベルス) 価格:¥ 945(税込) 発売日:2008-02-08 |
これぞ新本格ミステリ!と叫びたくなる作品。たった一つのトリックのために全てを築き上げた馬鹿馬鹿しさこそがエンターテイメントの醍醐味だと言えるだろう。
冒頭の庭の絵の謎や犯人探しはすぐに分かる。換気口について長々と説明がなされたことからそれがトリックに使われていることも察せられた。しかし、トリックは思い付かない。ここまで壮大で奇抜なトリックはさすがに思い浮かばない。
ただ物足りなかったのがミステリの最大の見せ場である名探偵による解決シーン。見せ場と呼ぶには華がなかった。トリック以外は想定通りだし、トリックの解決の仕方がちょっと淡々とし過ぎに見えた。御手洗潔の活躍を読むのは2作目だが、まだ掴み所がない感じだ。(☆☆☆☆☆)
これまでに読んだ島田荘司の本の感想。(☆は評価/最大☆10個)
『占星術殺人事件 改訂完全版』(☆☆☆☆☆☆)