奇天さんの2011年の読書メーターまとめ
読書メーターでの冊数は150だが、コミック等を除くと142冊で2010年の150冊に届かなかった。
☆評価は、
☆8 ・・・ 3冊
☆7 ・・・ 13冊
☆6 ・・・ 22冊
☆5 ・・・ 35冊
☆4 ・・・ 32冊
☆3 ・・・ 26冊
☆2 ・・・ 10冊
☆1 ・・・ 1冊
平均は4.57。採点し直すともう少し低くなるかもしれない。
☆8の3冊は、『伏 贋作・里見八犬伝』『数学ガール/乱択アルゴリズム』『新参者』だが、今なら前2者は☆7とつけるだろう。『数学ガール』はシリーズに対してというべき評価だ。
2011年に読んだ本の評価で最高点は『新参者』となる。作品の完成度からいってこの評価は妥当だと思うが、印象という意味ではいくつかのシリーズものが思い浮かぶ。
「フルメタル・パニック!」「迷宮街クロニクル」「GJ部」「羽月莉音の帝国」「ログ・ホライズン」といった作品だ。
「フルメタル・パニック!」は一世代前のライトノベルといったところはあるが、正統派のエンターテイメントとしての完成度は最近のライトノベルを遥かに凌駕している。ストーリーの魅力を堪能できる作品だった。
RPGをベースとしたライトノベルは近年優れた作品が発表されているが、和製RPGと異なる感覚を有する「ウィザードリィ」そのままに独特の群雄劇を描いたのが「迷宮街クロニクル」だ。個々の作品の評価は高くないが、何度も読み返した作品だった。
巻を重ねるごとに完成度が上がり、1話4ページという「四コマ小説」という新しいスタイルを確立したのが「GJ部」。文化祭などの学園の定番ネタをあえて描かず、自制の利いたところも「四コマ」的だ。
「羽月莉音の帝国」は当初ライトノベル的であろうとして読みにくさを感じさせたが、中盤以降圧倒的な速度感でエンターテイメントとしての魅力が花開いた。若者に向けられた教条的な側面があるが、これを楽しめるのはある程度歳を取ってからかもしれない。
「ログ・ホライズン」は「ソードアート・オンライン」と似たような設定だが物語的な「ソードアート・オンライン」に対して世界観に重きを置いているあたりが著者の個性だろう。これらは異世界に召喚されるファンタジーというスタイルの新たな流行系とも言える。
もうひとつ忘れてはならないシリーズが「ゴースト・ハント」。加筆修正版であり、味わいとしては旧シリーズより上というよりも異なるものといった感じ。できることならば新作が読みたいと強く思うものとなった。
ライトノベルではないが、「みをつくし料理帖」も2011年に読んだ作品の中で強い印象を残した。時代小説で、1冊に4話の短編で構成されている。料理がキーワードではあるが、この手のコミックのように料理で事件を解決するのではなく、あくまでも短編の芯になっているに過ぎない。滋味に溢れた味わいが魅力の作品だ。
これらシリーズものを除いた☆7つの作品は、『シアター!〈2〉』『浮世女房洒落日記』『県庁おもてなし課』『涼宮ハルヒの驚愕(前後編)』の5冊。
有川浩の安定感はもやは語らなくてもと思うほど。純粋に楽しめる上質のエンターテイメント作品だ。
木内昇は直木賞受賞を機に読み始めた作家だが、時代を描く細部の手際が素晴らしい。これまで江戸、戦後すぐ、明治初期を舞台にした作品を読んだがどれも臭いまでが伝わるような筆致だ。一方で、ストーリー性が薄めなのも好みと言える。
『涼宮ハルヒの驚愕』の発売はライトノベル界にとっての「事件」のようなもの。読めたというだけで採点が甘くなったかもしれない。それでも、著者のやろうという試みや意欲が伝わってきて、ただ漫然と書いていても売れるシリーズでこれだけのことを成し遂げたことに敬意を払いたい。続きがいつになるかは不安が残るけど(笑)。
今年の目標。トータルでは身の丈に合った150冊。だが、月10冊のノルマをもう少し強く意識して今年は読みたいと思っている。ライトノベルも溜まりに溜まっているが、バラエティ豊かに読みたいというのも目標だ。
2011年はコミックをかなり読んだが、諸事情(?)によりほとんどを読書メーターには登録しなかったため12月中旬よりコミック類の登録をコミックダッシュに変更した。感想は書いたり書かなかったりになると思う。こちらは年間250冊程度を目標にしたい。
2011年12月に読んだ本
2011年11月に読んだ本
2011年10月に読んだ本
2011年9月に読んだ本
2011年8月に読んだ本
2011年7月に読んだ本
2011年6月に読んだ本
2011年5月に読んだ本
2011年4月に読んだ本
2011年3月に読んだ本
2011年2月に読んだ本
2011年1月に読んだ本
読書メーターでの冊数は150だが、コミック等を除くと142冊で2010年の150冊に届かなかった。
☆評価は、
☆8 ・・・ 3冊
☆7 ・・・ 13冊
☆6 ・・・ 22冊
☆5 ・・・ 35冊
☆4 ・・・ 32冊
☆3 ・・・ 26冊
☆2 ・・・ 10冊
☆1 ・・・ 1冊
平均は4.57。採点し直すともう少し低くなるかもしれない。
☆8の3冊は、『伏 贋作・里見八犬伝』『数学ガール/乱択アルゴリズム』『新参者』だが、今なら前2者は☆7とつけるだろう。『数学ガール』はシリーズに対してというべき評価だ。
2011年に読んだ本の評価で最高点は『新参者』となる。作品の完成度からいってこの評価は妥当だと思うが、印象という意味ではいくつかのシリーズものが思い浮かぶ。
「フルメタル・パニック!」「迷宮街クロニクル」「GJ部」「羽月莉音の帝国」「ログ・ホライズン」といった作品だ。
「フルメタル・パニック!」は一世代前のライトノベルといったところはあるが、正統派のエンターテイメントとしての完成度は最近のライトノベルを遥かに凌駕している。ストーリーの魅力を堪能できる作品だった。
RPGをベースとしたライトノベルは近年優れた作品が発表されているが、和製RPGと異なる感覚を有する「ウィザードリィ」そのままに独特の群雄劇を描いたのが「迷宮街クロニクル」だ。個々の作品の評価は高くないが、何度も読み返した作品だった。
巻を重ねるごとに完成度が上がり、1話4ページという「四コマ小説」という新しいスタイルを確立したのが「GJ部」。文化祭などの学園の定番ネタをあえて描かず、自制の利いたところも「四コマ」的だ。
「羽月莉音の帝国」は当初ライトノベル的であろうとして読みにくさを感じさせたが、中盤以降圧倒的な速度感でエンターテイメントとしての魅力が花開いた。若者に向けられた教条的な側面があるが、これを楽しめるのはある程度歳を取ってからかもしれない。
「ログ・ホライズン」は「ソードアート・オンライン」と似たような設定だが物語的な「ソードアート・オンライン」に対して世界観に重きを置いているあたりが著者の個性だろう。これらは異世界に召喚されるファンタジーというスタイルの新たな流行系とも言える。
もうひとつ忘れてはならないシリーズが「ゴースト・ハント」。加筆修正版であり、味わいとしては旧シリーズより上というよりも異なるものといった感じ。できることならば新作が読みたいと強く思うものとなった。
ライトノベルではないが、「みをつくし料理帖」も2011年に読んだ作品の中で強い印象を残した。時代小説で、1冊に4話の短編で構成されている。料理がキーワードではあるが、この手のコミックのように料理で事件を解決するのではなく、あくまでも短編の芯になっているに過ぎない。滋味に溢れた味わいが魅力の作品だ。
これらシリーズものを除いた☆7つの作品は、『シアター!〈2〉』『浮世女房洒落日記』『県庁おもてなし課』『涼宮ハルヒの驚愕(前後編)』の5冊。
有川浩の安定感はもやは語らなくてもと思うほど。純粋に楽しめる上質のエンターテイメント作品だ。
木内昇は直木賞受賞を機に読み始めた作家だが、時代を描く細部の手際が素晴らしい。これまで江戸、戦後すぐ、明治初期を舞台にした作品を読んだがどれも臭いまでが伝わるような筆致だ。一方で、ストーリー性が薄めなのも好みと言える。
『涼宮ハルヒの驚愕』の発売はライトノベル界にとっての「事件」のようなもの。読めたというだけで採点が甘くなったかもしれない。それでも、著者のやろうという試みや意欲が伝わってきて、ただ漫然と書いていても売れるシリーズでこれだけのことを成し遂げたことに敬意を払いたい。続きがいつになるかは不安が残るけど(笑)。
今年の目標。トータルでは身の丈に合った150冊。だが、月10冊のノルマをもう少し強く意識して今年は読みたいと思っている。ライトノベルも溜まりに溜まっているが、バラエティ豊かに読みたいというのも目標だ。
2011年はコミックをかなり読んだが、諸事情(?)によりほとんどを読書メーターには登録しなかったため12月中旬よりコミック類の登録をコミックダッシュに変更した。感想は書いたり書かなかったりになると思う。こちらは年間250冊程度を目標にしたい。
2011年12月に読んだ本
2011年11月に読んだ本
2011年10月に読んだ本
2011年9月に読んだ本
2011年8月に読んだ本
2011年7月に読んだ本
2011年6月に読んだ本
2011年5月に読んだ本
2011年4月に読んだ本
2011年3月に読んだ本
2011年2月に読んだ本
2011年1月に読んだ本
>本
ラノベだと、ログ・ホライズンと羽月は、微妙ながらちょっとした転換点ですね。もちろんラノベベースの形式ですが、中高生向けのテンプレか? というと、これはフィールドを明確に違えて来てるな、と。まおゆうの時点でもこれは感じましたけど、エンタメとしてのラノベというジャンルが一般ラノベレーベルに拓かれてくるかな、と思ったりしています。
まあ、中高生向けという定義も大概十年以上前から曖昧だったと思うのですがw、それが明確になってきてるかなと。
対話の中でこそ新しい方向性も見えてきますしね。
>中高生向け
ライトノベルの定義の話にもなっちゃいますが、ライトノベル史を飾る傑作を思い浮かべるとその初期の頃から決して中高生向きばかりとは言えなかったと思います。
もちろん、ピンポイントで中高生向けといった感じの作品もありますが、元からもう少しワイドな感じがあるようにも思います(アニメの場合だと中高生よりも高い年代が対象ですし)。
ライトノベルが成立したのもコミックを読む世代が子供だけでなく若い大人にまで広がったことと関係していると思います。