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理念とビジョン:「全文」 「ダイジェスト版」
第6章の目次
エネルギーの研究開発の方向性
スウェーデンとわが国のエネルギー関係の研究の方向性をおおざっぱに眺めて見ましょう。スウェーデンとわが国では、社会的な規模が大きく違いますし、価値観も違いますし、エネルギー政策、その中でも特に原発に対する将来の期待度が大きく異なります。スウェーデンは原発を減らし、廃棄するという方向にありますが、わが国は原発を増やしていく方向にあります。
スウェーデンの総発電電力量の50%を供給しているスウェーデン電力庁の1990年の研究開発費は3億7千万クローネ(およそ74億円相当)です。節電プロジェクト「プロジェクト2000」、エネルギー開発公社との共同プロジェクト、バイオ・エネルギーなどの研究開発に重点的に予算がつけられており、原子力関係の予算は少なくなっています。
これに対して、わが国の電気事業の1990年の技術開発計画の基本的な考え方は
①将来にわたる電気の安定供給確保
②環境面を考慮したエネルギーの有効利用
で、この計画を推進するための研究開発費は電気事業連合会などの発表によりますと、9電力、電源開発(株)、日本原子力発電(株)および電力中央研究所を合わせて約1850億円程度で、その振り分けは大体次の通りです。
重点技術開発課題
①原子力に関する技術(40%)
軽水炉高度化、高速増殖炉、原子燃料サイクルなど
②石炭利用技術(5%)
石炭ガス化複合発電、流動床燃焼、総合排煙処理など
③エネルギー有効利用技術(10%)
燃料電池、電力貯蔵用新型電池、太陽光発電、風力発電など
④環境問題関連技術(5%)
二酸化炭素の対策、石炭灰有効利用、電気自動車など
⑤高度情報化対応技術(15%)
総合自動化システム、情報通信システムなど
⑥その他(25%)
超電導、人工知能、新素材、全電化住宅、農水産業への応用。
わが国の電気事業の研究開発は供給サイドの技術開発に力点が置かれ、しかも、原子力の比率が非常に高いのが特徴であることがわかります。
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エネルギーの研究開発の方向性
スウェーデンとわが国のエネルギー関係の研究の方向性をおおざっぱに眺めて見ましょう。スウェーデンとわが国では、社会的な規模が大きく違いますし、価値観も違いますし、エネルギー政策、その中でも特に原発に対する将来の期待度が大きく異なります。スウェーデンは原発を減らし、廃棄するという方向にありますが、わが国は原発を増やしていく方向にあります。
スウェーデンの総発電電力量の50%を供給しているスウェーデン電力庁の1990年の研究開発費は3億7千万クローネ(およそ74億円相当)です。節電プロジェクト「プロジェクト2000」、エネルギー開発公社との共同プロジェクト、バイオ・エネルギーなどの研究開発に重点的に予算がつけられており、原子力関係の予算は少なくなっています。
これに対して、わが国の電気事業の1990年の技術開発計画の基本的な考え方は
①将来にわたる電気の安定供給確保
②環境面を考慮したエネルギーの有効利用
で、この計画を推進するための研究開発費は電気事業連合会などの発表によりますと、9電力、電源開発(株)、日本原子力発電(株)および電力中央研究所を合わせて約1850億円程度で、その振り分けは大体次の通りです。
重点技術開発課題
①原子力に関する技術(40%)
軽水炉高度化、高速増殖炉、原子燃料サイクルなど
②石炭利用技術(5%)
石炭ガス化複合発電、流動床燃焼、総合排煙処理など
③エネルギー有効利用技術(10%)
燃料電池、電力貯蔵用新型電池、太陽光発電、風力発電など
④環境問題関連技術(5%)
二酸化炭素の対策、石炭灰有効利用、電気自動車など
⑤高度情報化対応技術(15%)
総合自動化システム、情報通信システムなど
⑥その他(25%)
超電導、人工知能、新素材、全電化住宅、農水産業への応用。
わが国の電気事業の研究開発は供給サイドの技術開発に力点が置かれ、しかも、原子力の比率が非常に高いのが特徴であることがわかります。