酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

さあ解散だ

2009-07-21 05:30:33 | Weblog
 麻生太郎首相が意地と面子を賭けた衆院解散がきょう行われる。と、書きながら自民党の両院議員懇談会で麻生が立ち往生し、結局「解散はお流れ」なんて想像もしてみるが、さすがにそれはないだろう。与謝野馨ら一部閣僚が、総辞職の署名を拒む事態はあり得るだろうが…。

 日本一の楽観論者と言われる麻生は、「自民党が負けると決まったものではない」と心から思っているらしい。状況を読み取る能力に欠けているというしかない。側近らが正しい情報を伝えていないという側面もあるのだろう。

 都議選では街頭に、陣中見舞いにと大車輪だった麻生。街宣では行く先々で「生麻生」を見ようと?結構な人だかりだできた。これを見た太郎君「こいつはすげえや。勝てるぜ、おい」と上機嫌だったという。

 サミットに行く前に、都議選後の14日に解散すると腹を固めていたのは周知の事実だが、これは都議選は「辛勝。悪くても“惜敗”」で収まると踏んでいたためだ。例の「惜敗を期して」の演説は、頭の片隅に「惜敗なら解散できる」との考えがあったからだろう。

 今日の夜から、先生方は一斉に地元に帰り、40日もの長い長い選挙戦を戦わねばならない。猛暑が続く。高齢の候補者が倒れるのではないかと心配だ。

 結果は見えたような選挙だ。自民党は303の現有議席をほぼ半減させるだろう。民主党は単独過半数である241は超えるのではないか

 今回の選挙を「政権交代が懸かった歴史的な選挙」と指摘する声が大半だ。形の上ではそうだろうが、交代はすでに自明のことだ。ここをあまり強調しすぎると4年前の郵政選挙と同様、ワンイシュー選挙に堕してしまう恐れがある。

 政権交代に絡むどたばた劇を見るのも有権者の楽しみの一つだが、それだけではどうしようもない。交代かどうかより、交代して何をするかが問われなければならない。世界の枠組みが政治、経済、軍事の各面で大きく動いている中で、日本の立ち位置をどう定め、国民生活の安定を図っていくのか。

 薄っぺらなマニフェストごっこは願い下げだ。

 民主党は最悪期に政権を握ることになる。経済は好転せず、二番底に対処しようにも国庫は空っぽという状況だ。政権発足後、直ちに来年度予算の編成が始まるが、まともな予算が組めるのかどうか。

 冷戦が終わり、バブルが崩壊してほぼ20年、もう後10年は新たな秩序を模索するための混乱が続くのではないか。民主党にも自民党にも、芯のあるリーダーが見当たらない。ここが最大の不幸だ。「政治には頼らず、自分で何とかしろ」が小泉改改革の眼目だった。今回の選挙は6年余に及んだ小泉政治をどう総括するかが、隠れたテーマだ。候補者や政党だけでなく、前回総選挙で自民党を大勝させた有権者自身も答を求められている。

 
コメント
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