酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

自民党は消滅するのか

2009-08-21 05:52:32 | Weblog
 朝日が20日付けで伝えた選挙情勢が衝撃を与えている。「民主300超、自民は半減」という見立てだ。


 《30日投開票の総選挙について、朝日新聞社は18、19の両日、全300小選挙区から統計的に選んだ150小選挙区の有権者を対象に電話調査を実施し、全国の取材網の情報も加えて選挙戦序盤の情勢を探った。その結果、(1)民主は単独で過半数(241)を大きく超え、300議席台をうかがう勢い(2)自民は選挙前議席(300)の半数に届かず、それよりさらに大きく後退する可能性(3)比例区では、公明、共産はほぼ前回並み、社民はやや苦戦――などの情勢がわかった》=20日朝日=

 きょうの読売も「民主300越す勢い」「自民激減」が見出しだ。よほどのことがなければ、自民党がここから勝勢にまで回復することはない。このままでは三桁にも届かない大惨敗だろう。

 こうなったとき、自民党が頼るのは以前も指摘した「右バネ」である。各候補の訴えが昔の反共宣伝めいてきているのはその表れだ。オットセイ・森先生は「民主党政権になれば、日の丸はなくなる。静かな革命が始まっていろ事に気づかねば…」などと言っているらしい。麻生クンは「責任力」を強調、票につながりそうもない安全保障問題にも時間を割いている。

 応援団である産経は20日の社説に民主党鹿児島県連の「国旗切り刻み問題」を取り上げ、民主党攻撃に懸命だ。

 こうした保守回帰はかえって無党派層を離反させることになるのではないか。選挙戦が中盤から終盤に向かい、自民大惨敗が鮮明になればなるほど、自民党は国家主義的色彩を強め、有権者が引くという悪循環になりそうだ。

 一方、肥大化した民主党は小沢党と中間派、リベラルグループの対立が先鋭化するだろう。政界再編の動きが早まるかもしれない。鍵を握るのはやはり小沢だ。「2回予算編成から外せば自民党の息の根は止まる」が彼の持論だ。再編を仕掛けるより自民党を干し上げるのが先と考えているのではないか。


 100議席程度に落ちぶれた自民党がどうなるかは見ものだ。従来の派閥からイデオロギーを中心としたグループに分かれる可能性が高い。こうなると1つの党では収まらない。ちじぢりばらばら、四分五裂といったところか。

 民主党政権ができたところで、実際には何ほど変わるわけでもない。経済状況は2番底に落ち込む懸念が高い。財政出動ももうできない。鳩山民主党は手を縛られ、足かせをはめられてスタートすることになる。

 大河ドラマ「日本漂流記」の始まりである。恐ろしくも、興味は尽きない。
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