酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

本気で雇用対策を考えるなら

2009-08-29 09:42:27 | Weblog
 7月の完全失業率が5・7%に達し、過去最悪を更新した。年末までには6%を超すとの予測が支配的で、景気の腰折れ要因になりそうだ。

 《総務省が28日公表した労働力調査(速報)によると、7月の完全失業率(季節調整値)は前月より0.3ポイント悪化して5.7%となり、02年6、8月、03年4月の5.5%を超え、今の形で統計をとり始めた1953年以来、過去最悪となった。とりわけ男性(6.1%)は初めて6%台に突入した》=毎日jp=

 先日、4-6月期のGDP速報値が年率換算3%超と報じられた際、麻生は「景気は良くなっている。遅行指数である失業率ももうじき改善される」と訴えていた。こう言うしかないのだろうが、ノー天気な発言であることに変わりはない。

 景気が持ち直しているといったところで、物が売れているのは中国やアジア向けが主力で利幅は薄い。各企業はいよいよ筋肉質な経営を目指し、経費削減に走っている。肉がなければ骨でも削る。人も減らす。こうした環境では、多少景気が上向いても雇用の吸収力は乏しい。収益力を考えて、部品の海外調達や海外生産を目指す動きも再び高まってくるだろう。

 雇用状況はしばらく改善しないと考えるしかない。10%までの失業率なら欧米では体験済みだ。日本がこれに耐えられないとは思わない。だが、いまのままでは無理だ。

 雇用問題を考える際、いつも疑問に思うのは連合など労働界の発信力が極めて弱いことだ。休日出勤をなくしたり、有給休暇を完全消化するチャンスではないか。彼らがきちんと休めば、新たな雇用が生まれる。

 身を削ることも考えていい。公務員はここ5年ほど給与が下がり続けている。民間が下げて悪いはずがない。1000万人の組織労働者が10%の給与削減に応じれば100万人の雇用が生まれる。高給の大企業は削減率をもっと高めてもいい。

 政労使協議で「ワークシェア」などと気の利いたことをいうなら、これぐらいの大胆な提案をしてほしい。自分たちは安全地帯にいて「雇用を守ろう」などといったところで、非正規の胸には響かない。

 あすは衆院選の投票日だ。民主党が天下をとれば、当面は混乱続きだろう。何かが生まれるには破壊と混乱がつきものだ。混乱に耐えるだけの度量の広い社会づくりを急がないと…。
コメント
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