新宿の成子坂下の淀橋から神田川を上流へ進み、善福寺川へと歩いた。その小散策記である。
一枚目の写真は成子坂の中腹のバス停から坂下を、二枚目は坂下近くの交差点から坂上を撮ったものであるが、交通量の多い広い青梅街道の坂であるため、情緒などまったく感じられない。
やがて坂下の淀橋にいたる(現代地図)。三枚目はそこから、成子坂と相対している中野坂の坂上側を撮ったもので、ここも成子坂からの続きで交通量が多い。 四枚目は淀橋から神田川の上流である。ここから川に沿ってできた遊歩道を上流へと歩く。
年末の昼過ぎ、晴れて風もないが、川沿い散歩の人は少ない。青梅街道から遠ざかるにつれて静かになっていき、年末年始の休みに入ったこともあるせいだが、ゆっくりした気分で歩くことができる。一年中でもっともゆったりとした気持ちになれるときかもしれない。これが年が明けるともう休み明けのことが気になってきて、そうでもなくなるから、年末のこのときがよい。
一枚目の写真は淀橋の上流から下流を撮ったもので、淀橋が遠くなって見える。
確か、五六年前にも年末に同じようなコースを歩いたことがある。逆コースも歩いているので、なじみのある散歩道である。やがて山手通りで分断されるが、近くの横断歩道から上流側の長者橋に行き、そこから東側を撮ったのが、二枚目で、東は空が青い。
東郷橋のたもとに、三枚目のような標識が立っている。ここが隅田川の河口から12.5km、水源の井の頭池から12.1kmで、神田川のほぼ中間地点である。しばらく歩くと、四枚目のように上流遠くに赤い中野新橋が見えてくる。
やがて一枚目の写真の中野新橋につく(現代地図)が、赤い欄干がよく目立っている。すぐそばに地下鉄の駅があるため、賑やかなところである。ここでラーメンと餃子の昼食をとる。
二枚目は中野新橋から上流を撮ったもので、左側の川沿いが工事中のようである。
ここから富士見橋まで川沿いの散歩道はなく、一般道を歩くので、先ほどまでの散歩気分はすっかり変わってしまい、ちょっとおもしろみがない。三枚目はその途中の橋から上流を撮ったものである。
やがて富士見橋にいたるが、そこから下流を撮ったのが四枚目である。
富士見橋の交差点を渡り川沿い散歩が再開するが、川に沿って高い塀ができているため川が見えず、どうも感じが違ってしまう。やがて塀が低くなるが、そのあたりが一枚目の写真のように二つの川の合流地点である(現代地図)。上側が神田川で、下側が善福寺川である。善福寺川はここからはじまる。
合流地点上流の駒ケ坂橋を渡ると、二枚目のように、駒ケ坂がまっすぐに南へ上っている。
さらに川沿いに歩くと、環状七号線にかかる和田堀橋が見えてくる。三枚目はそのちょっと下流から撮ったものである。
橋の右へ歩道をちょっと歩きそこの信号で環七を横断し、和田堀橋までもどろうとしたが、その環七の道路が川に向けてちょっと上り勾配である。先ほどの信号のあたりがもっとも低地のようで、川がその上を流れているのが不自然だが、むかしの改修工事で流れを変えたのだろうか。
四枚目は和田堀橋から善福寺川の上流を撮ったもので、最近までずっと工事中であったのがようやく完成したらしく、川の両側に散歩道ができている。
完成後の遊歩道をはじめて歩いたが、一枚目の写真は、その上流の堀之内橋から下流を、二枚目はそのさらに上流の本山橋から上流を撮ったもので、このあたりも川の改修工事が終わった後のようである。しかし、二枚目の遠くに見えるが、紅葉橋の上流から武蔵野橋の下流までまだ工事中で、川沿い遊歩道はまだ全線開通にはなっていない。
紅葉橋を渡り、熊野神社のわきを通って、川に出ると、そこは、武蔵野橋の下流である。三枚目の写真は武蔵野橋から下流を撮ったもので、工事現場が見える。四枚目はそこから上流側を撮ったもので、川岸が工事中である。
やがて宮下橋にいたるが、ここから上流はよく歩くところである。一枚目の写真は宮下橋から上流を撮ったもので、すっかり冬枯れの風景になっている。二枚目はその上流で川を撮ったもので、砂岸の風景がおもしろい。三枚目はその近くの和田堀池である。
四枚目は、さらに歩いて、尾崎橋の下流の成田上橋から下流を撮ったものである。ここは私的な撮影ポイントの一つである。ちょうど川がちょっとうねっており、よい眺めになっているからであるが、写真を何回も何枚も撮っても、そのたびに風景は違うふうに写り、決して同じにはならない。これがおもしろくてここを通るたびにシャッタを押す。
以下の四枚の写真は、善福寺川沿いで東・北側を撮ったもので、落葉した樹木と青空の組み合わせは、いまの季節でないと見ることができない風景をつくりだしている。