今日の考え事〈applemint1104〉

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NHKスペシャル「仮想通貨ウォーズ」~盗まれた580億円を追え!~の感想

2018-05-14 11:45:12 | テレビ
すごい内容でした。今まで聞いた事も見たこともない世界を覗いたような‥。
それくらい衝撃的でした。
 
1月に仮想通貨取引所である日本のコインチェックから、前代未聞の580億円の仮想通貨が盗まれました。
これは世界で最大の仮想通貨の盗難です。
誰がどうやって盗んだのかは謎のままなのですが、それを追跡しようという人達が立ち上がりました。
ホワイトハッカーという正義のためのハッカーです。ここでは4人の人を実名あるいはハンドルネームで紹介していました。
リーダーが河崎さんというまだ26歳の青年です。しかし彼は10代でIT起業を起こしている気鋭のプログラマーです。
次々に彼の元に天才肌のプログラマーが集まってきます。
それぞれ、犯人を追う方法も考え方も違います。

ある時には世界中のホワイトハッカーに呼び掛けてヒントを貰ったり、また最年少のチーナさんという人は、ツイッターで呼び掛けたり、アメリカの会社に分析を頼んだりします。
その方法も様々です。
ですが、着実に犯人の足跡に迫っていきます。
見ていると、ハッカーやプログラムのことなど暗い私にも、その追跡の考え方や手段がなんとなく分かりました。
なーるほど、こうやってプログラムを作りあげ知りたいことを抽出して行くんだと。
 
仮想通貨は独特の通貨です。
取引方法とその性格は、中央銀行が発行している通貨とはまったく違うものです。
取引記録はアドレスからアドレスに送られるのですべて記録が残ります。
そこからある犯人に通じる記録を探し出して行きます。
時間をかけてホワイトハッカーさんがそれぞれ独自の方法で追っていくと、ネムを奪ったやり方と資金洗浄法が分かってきました。
その方法は驚くべき緻密さです。

足が着かないようにネムを分散させ1万以上の取引をしています。
本人確認のいらない少額でネムを売り、散らばったお金は一カ所の取引所に集められ20億の資金幾つかに分けられていました。
チーナさんは、ダークウェブや闇の組織に詳しい人です。ネムのメッセージ機能を熟読してその中からあるサイトの存在を知りました。
このサイトは自ら仮想通貨の交換所を開いていました。
 
番組は色々な人に取材を試みます。
国際的な犯罪組織に通じている人はこの犯罪をブラジル、南アフリカの臓器売買のグループだと特定します。
FBI捜査員は世界中のあらゆる闇組織が仮想通貨を奪うことを狙っていると語ります。
そしてネム財団が犯人の追跡を止めたという発表があった後、盗難ネムは一斉に売られ資金洗浄が完了しました。
ダークウェブの仮想通貨交換所には追跡者を嘲笑うような金正恩の笑顔とサンキューと言う文字が踊っていました。
チーナさんは今も追跡を続けています。
 
世界中のホワイトハッカーと闇犯罪組織の戦い、攻防を垣間見ることが出来ました。
普段ドラマ見てて嘘くさいと貶してばかりいますが、現実の前には声も出ません。
ホワイトハッカーの志の高さ、それがまだ若い20代から30代の人達だということに驚きました。
多少専門的でしたが、ついて行けました。スリリングでした。
しかしこれをどうしてマスコミが放置しておくのかしらね‥。
こういう番組があるから、NHKは侮れません。視聴料も当然かなと感じさせられます。またいつかこのような番組が見たいです。