今日の考え事〈applemint1104〉

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「家売るオンナ」5話の感想

2016-08-12 09:03:05 | ドラマ
やっぱり一話ごとに出来が全然違うのを見せつけられましたね。
今回は意表をついた話。
永田町のマンションの一室を買いたい客が二人同時に現れますが、どちらも独身で、仕事に情熱を燃やす女です。
「ここだけは譲れない」という彼女たちのプライド、生きる価値観を交えながら、希望に合う家を探し提案する。そんな不動産会社の社員と三軒家万智の姿を描いています。
 
今回の登場人物はみな、キャラが立っていて可笑しかったです。
三軒家は優秀なロボットみたいだし、白州はどうしようもないぐうたら社員。庭野は徹底したお人好し。
なぁなぁの上司に、王子サマみたいな若手社員。なんとなく調和が取れています。
 
今回のゲストは校閲の仕事をする女性、巨悪を暴くジャーナリストと、はっきりしたキャラづけでした。
 
全体的に無駄のない会話と展開であれよあれよと話が進み、その後二転三転します。
せっかくまとまりかけた彼女たちのマンション購入が、二人の弱気で取りやめになりかけます。それまでの苦労が水の泡です。
その時、万智があり得ない行動を起こします。
 
それは…、客の仕事場に乗り込んでいって、演説をするのです。
不法侵入じゃ、と思わせながらも、意外に仕事場の人たちは耳をすまして万智の演説を聴くのでした。
 
万智は、校閲の女性に対しては「蟻とキリギリス」の話をして、「あなたは蟻です」と言います。
そして蟻の特徴を褒め称えます。
みんながポカーンとしている所でサーッと引き上げ、今度は女性ジャーナリストの仕事の現場へ行きます。
そこでまた「蟻とキリギリス」の話です。
今度はさっきと逆で、キリギリスを褒め称えます。真智は言います。「キリギリスはあなたです」と。
私はこの話を聞きながら、何故かジワーッと涙が出そうになりました。
確かにキリギリスは、遊んでばかりいる放蕩者のように書かれています。
が、キリギリスは歌を歌い、この瞬間を謳歌している。今の自分の為に生命を燃やすという、蟻には出来ないことをやっています。
その演説を聴いて、ともさか演じるジャーナリストは会心の笑みを浮かべます。そしてマンションを買うことを決意するのでした。
 
万智の臨機応変、人の心を動かす説得力、無駄のない仕事術は完璧と言えるでしょう。
しかし、そんな万智に庭野は疑問を抱きます。仕事するためだけに生きている彼女。一体何者なのかと。
実は彼女は昔ホームレスだったこともあると、前回言っていました。
 
今回のラストで、万智の生い立ちが語られます。
両親の事故死で突然ひとりぼっちになった彼女は、親の借金を返すためにあらゆることをやってきました。
公園で暮らし、病気になった辛い過去。あの時を考えるとそれ以上辛い事なんてないと言い切ります。
 
万智が「家を売る」だけのロボットではないことが、色んな場面で明らかになります。
どんな難題が現れても、その裏を易々とかいてしまう才気走った女性。それが三軒家万智です。
今後の活躍がますます楽しみになりました。