日々是好舌

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容疑者はいつでも土木労働者。

2013年07月16日 13時24分40秒 | 日記
 昔は背広を着ていない犯罪者は多くの場合、建設作業員と思われていたようだ。

 新聞やニュースなどでも「一見労務者風の男が逃走し~」とか「容疑者は一見労務者風の~」などという表現が頻繁に使われていた。「労務者」というのは建設作業員のことで一種の差別的表現に近い状態だった。

 これでは建設業界としてはたまったもんじゃない、というわけで、1971年頃だったか、業界で「用語改善案」を作成し、官公庁、新聞放送各社などへ要請をおこなった。だから現在では「飯場」とか「土方」とかなどの用語は公的にはまず用いられることはない。

 その所為だかなんだか解らないが美輪明宏氏の「ヨイトマケの唄」という歌もとばっちりを受けて干されていたようである。私の十八番である一節太郎氏の名調子「浪曲子守唄」などもあまり聴く機会がなくなってしまった。この歌の歌詞には土方稼業や飯場鴉などの文句がある。

近頃の放送用語などでは次のように言い換えているようである。

►「犬殺し、犬取り」=野犬捕獲員、狂犬病予防技術員
►「隠亡」=火葬場職員、火葬係
►「おわい屋、掃除夫(婦)」=清掃作業員
►「バタ屋」=廃品回収業
►「土方、土工、人夫」=建設・建築作業員、土木労働者
►「労務者」=労働者(「一見労務者風」=差別を助長)
►「小使い、雑役夫」=校務主事、校務員(用務員という言い換えは適切ではない。英語ではjanitor)
►「文盲」=非識字者(文盲は目の見えない人だけでなく、教育を受ける機会に恵まれなかった人への差別も含んでいる。)

 さて、悪い事をする奴には・・・政治家・官僚・弁護士・銀行員・教師・医師・最近ではエロ牧師だっているというのに、どうして何時も土木労働者風の男・・・なんでしょうか?。

 永年、土木建築の世界に身を置いております私奴にとりましては甚だ心外であります。

 土木の仕事といえば、例えば、あの仁徳天皇の古墳だって、俺たちの先祖が作ったんです。

 盛土を搗き固め、巨石を組み上げて石棺を安置する玄室を造り、玄室までの羨道(せんどう)を造り、更に盛土を搗き固め、前方後円を形作り、表面は石でびっしりと葺きあげる。土木工事は社会の基盤を作る大切な仕事だと誇りを持っているのですが・・・。

 江戸時代の刑罰に・・・鋸挽・磔・獄門・火罪・遠島・追放・・・・などに続いて・・・寄場送り・・・と云うのがあって・・・あの鬼平こと火付盗賊改め方長官・長谷川平蔵の発案とかで・・・今で云う強制労働とでもいいましょうか・・・どうもその寄場人足と正業である土方人足を世間一般の皆さんのみならず新聞記者なども混同している節があります。実に遺憾であります。

 序でに、言うと刑罰のひとつに「入れ墨」というのがあって腕などに前科を表わす入れ墨をしたのだが、これと彫り物とを混同している節もある。私の周辺にはとび職人などで彫り物をしている者も多いのでこの混同も気の毒である。 

 私が過去40数年間付き合ってきた土木労働者には悪い奴は一人もおりませんでした。
最後はなんだか愚痴っぽくなってしまいましたね。
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