日々是好舌

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似ていても仁義と啖呵は違います

2017年06月25日 12時20分06秒 | 日記
 高倉健主演の『昭和残侠伝』という映画があった。

 劇中に池辺良演じる風間重吉が神津組の玄関先で仁義を切るシーンがある。仁義を受けるのは菅原謙二演じる江藤昌吉である。このシ-ンは「軒下の仁義」としてユーチューブにアップされているので是非ご覧いただきたい。フーテンの寅さんとは一味違う香具師の仁義である。

【仁義の口上】

※ 軽い会釈の姿勢のまま、

●:「ご当家、軒下の仁義、失礼ですがお控えくだすって・・・」

○:「有難う御座いやす。軒下の仁義は失礼さんにござんすが、手前控えさせて頂きやす。」

※腰を中腰に落とし、右手の手のひらを見せるように前へ突き出し、そのままの姿勢で、

●:「早速ながら、ご当家、三尺三寸借り受けまして、稼業、仁義を発します。」

○:「手前、当家の若い者で御座います。どうぞ、お控えなすって下さい。」

●:「手前、旅中の者で御座います。是非とも、お兄いさんからお控え下すって・・・」

○:「有難う御座います。再三のお言葉、逆位とは心得ますが、手前、これにて控えさせて頂きます。」

●:「早速、お控え下すって有難う御座います。手前、粗忽者ゆえ、仁義、前後を間違いましたる節は、まっぴらご容赦願います。向かいましたるお兄いさんには、初のお目見えと心得ます。手前、生国は大日本帝国、日光 筑波 東北関東は吹き降ろし。野州は宇都宮で御座います。稼業、縁持ちまして、身の片親(かたや)と発しますは、野州宇都宮に住まいを構えます、十文字一家三代目を継承致します坂本牛太郎に従います若い者で御座います。姓は風間、名は重吉。稼業、昨今の駆出し者で御座います。以後、万事万端、お願いなんして、ざっくばらんにお頼申します。」

○:「有難う御座います。ご丁寧なるお言葉。申し遅れて失礼さんにござんす。手前、当神津組四代目川田源之助に従います若い者。姓は江藤、名は昌吉。稼業、未熟の駆出し者。以後、万事万端、宜しくお頼申します。

●:「有難う御座います。どうか、お手をお上げなすって・・・」

○:「あんさんから、お上げなすって・・・」

●:「それでは困ります。」

○:「では、ご一緒にお手をお上げなすって・・・」

●:「有難う御座います。」

○:「有難う御座いました。」

と、まあ文字に書き写せばこんなところでしょうか。「御座います」は「ござんす」と発音しております。
仁義というのは渡世人同士のパスポート或いは身分証明証みたいなものと考えると理解しやすいと思います。

一方、啖呵というのは「啖呵売」や喧嘩のときに啖呵を切るというように威勢よく歯切れよく発する口上です。
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2 コメント

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切ると言っても (ふきのとう)
2017-06-26 15:33:28
一口に「切る」と言っても仁義と啖呵は違うのですね。
任侠映画に出演していた名優の方々が次々に
黄泉に発ち、甘いマスクばやり昨今、映画化するにしても
俳優不足の感ありです。
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土方の仁義。 (秋山白兎)
2017-06-26 20:44:42
土方の仁義というのがありまして、博徒・香具師の仁義と概ね同じなんですが、右手の親指を内側に収めて掌を見せるそうです。私も長いこと土建業界に居りましたが、仁義を切れらたのは一度だけでした。25~6歳のころでしたから対応はできませんでした。
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