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2019年 アメリカ 120分 日本劇場未公開
平凡な学校生活を送る少年アレックス(ルイ・アシュボーン・サーキス)は、ひょんなことから伝説の聖剣エクスカリバーを引き抜いてしまい、世界を救う使命を担うことに。古代からやって来た魔法使いマーリン(パトリック・スチュワート、若いマーリンはアンガス・イムリ―)とともに仲間を招集し、聖剣を狙う邪悪な魔女モーガナ(レベッカ・ファーガソン)を倒す旅に出るが……。(映画.comより)
アーサー王伝説を現代風にアレンジし、伝説の聖剣を手にした少年が仲間たちと繰り広げる冒険を描いたファンタジーアドベンチャーです。主人公のアレックスを演じている、色白でちょっとぽっちゃり体型の少年は、俳優アンディ・サーキスの息子だって
最初はB級の子供向け作品だなぁと思って観ていました。が、これがなかなか深いメッセージを含んでいて侮れなかったです
親友のベダーズ(ディーン・チャウムー)を庇ったことでいじめっ子のランス(トム・テイラー)とケイ(リアーナ・ドリス)から報復を受けそうになり逃げ出した廃墟で、偶然エクスカリバーを引き抜いたアレックス。(あんな場所に無造作に突き刺さってる剣なんてありえない設定だけど)それを知ったモーガナが剣を我が物にしようとアレックスの命を狙います。
マーリンはアレックスを支えるため転入生のマーティンに姿を変えて接触してくるのですが、当然アレックスに信じてもらえません。 (12歳のアレックスと自称16歳のマーティンが同じ授業を受けてるってかなり変)ところが、夜になると地面の下から現れた怪物に襲われ、現実だと認識するんですね
ここからベダーズやランス、ケイを巻き込んでの冒険が始まるというわけです。
現代に蘇ったマーリンは少々、いや、かなりKYな少年 くしゃみをすると鳥に変身してしまうし、本当は老人の姿だし
魔法を使う時の仕草もちょっとユーモラスです。(杖とか使わんの??
)体力消耗時の特効薬がファーストフード(しかもフライドチキンってブラックジョークか!)というのが現代的で笑えますが、子供受けしそうなネタではあります。
いじめっ子として敵対していたランスとケイが仲間に加わったり、途中で裏切りがあったりして、なかなか波乱に富んだ冒険行となります。この辺も伝説をオマージュしているらしい そもそも3人の名前も円卓の騎士に由来してるしね。ランスは強欲、ケイは未熟、ベダーズは臆病で、モーガナはそこを突いて仲間割れを企むのですが、それぞれが自分の欠点を克服して真に対等な関係を築いていくんです。折れて沈んだ聖剣を湖の精が修復して差し出すなど、基本的なストーリーも伝説に忠実。ちなみにこの精霊は水さえあればどこでも現れるというとっても便利な存在になってました。
アレックスは母子家庭ですが、実は父親はアル中で家族を捨てているという、超辛口設定。母は息子が傷つくと思い嘘をついていていたわけで、父親からもらったと思っていたアーサー王伝説の本も母があげたものでした。真実を知って、母に憤り、戦いを諦めかけたアレックスを仲間たちが励ますシーンもベタだけどです。
イギリス各地に残るストーンヘンジが瞬間移動装置になっているという発想が面白かったです。 マーリンの魔術をベダーズが動画にて撮って練習して出来るようになるのですが、武具を買うのにゲーセンのコインを複製するとか・・それ犯罪ですから~~
って突っ込んじゃいけないのよね、ファンタジーだから。
倒したと思っていたモーガナが生きていたのは、アレックスが騎士の掟を破ったから。てっきりモーガナに嘘をついたからだと思ったら、母親への敬意を忘れていたからというのもちょっと意外でした。 >そっちかい
モーガナとの最終決戦のため、学校の生徒を仲間にするやり方も、アレックスたちの真剣な訴えより、マーリンの魔術で操られた校長の一言が効くとか、かなりシュール とはいえ、皆で一致団結して戦うシーンはなかなか見応えがありました。
モーガナを倒しても現実世界はちっとも変わらないのは事実だけれど、子供たちの心の中に正義と友情と正しいことをするという勇気は確実に植え付けられたわけです。未来への希望の種は蒔かれた!ってことですね