杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

リリーのすべて

2016年10月23日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年3月18日公開 イギリス 120分

1926年、デンマーク・コペンハーゲン。風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)と、妻の肖像画家のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)は、仲良く互いに助け合い触発しあいながら創作の日々を送っていた。ある時モデルのウナ(アンバー・ハード)の代わりに足のモデルを頼まれたアイナ―は渋々ストッキングとサテンの靴を履き、白いチュチュを腰に当ててポーズを取るが、チュチュの感触に身を委ねているうちに今まで感じたことのない恍惚感がこみあげ、自分の内側に潜んでいた女性の存在を意識する。夫がシャツの下に女性用の下着を着ているのを見つけたゲルダは、芸術家の遊びだと考え、舞踏会に女性として出席することを提案する。「アイナーの従妹のリリー」という触れ込みで舞踏会に出席したアイナ―はヘンリク(ベン・ウィショー)に口説かれ、キスを迫られて動揺。その現場を目撃したゲルダも夫にリリーになるのを止めるよう言い聞かせる。アイナ―は自分の中の女性を抑え込もうとして心身の乖離が深まり体調を崩し、放射線治療も問題の解決にならない。そんな時、ゲルダの描いたリリーの肖像画が認められ、パリで展覧会を開くことになり、二人はこれを転機とパリに移住する。そこでアイナ―は幼馴染のハンス(マティアス・スーナールツ)と出会い子供の頃から性の不一致が芽生えていたことに気付く。ゲルダは夫としてのアイナ―の愛を求めながらも、もはや受け入れられないことに苦しみ、アイナ―も自分に起きていることに苦悩する。そうした日々の中で二人の関係は徐々に変化が生じ、ゲルダはアイナ―の一番の理解者になっていく。ゲルダはドイツで婦人科医のヴァルネクロス(セバスチャン・コッホ)を探し当て、アイナ―は外科手術により女性の肉体に生まれ変わろうとする。感染症の危機を乗り越え一度目の手術は成功。リリー・エルベとして生まれ変わった彼女はゲルダとデンマークへ帰国して百貨店の香水売り場で働き始めたが、さらなる夢を叶えるため、より危険を伴う二度目の手術を決意し・・・。

 

世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベの実話を描いた伝記ドラマです。

映画を観終わって、リリー本人の苦悩より、彼(彼女?)を理解し支えた妻のゲルダの方に心惹かれるものがありました。第88回アカデミー賞でゲルダを演じたアリシア・ビカンダーが助演女優賞を受賞したのも当然の結果ですね

夫を愛しているからこそ、彼の望むことを叶えてあげたいというのはまさに無償の愛。ヴァルネクロスに「自分の内面は女性だと信じている」と話すアイナーに、「私も信じてる」というゲルダ。外科手術でリリーという女性の肉体になれば、アイナ―は消えてしまう。永遠にアイナーを失う寂しさを押し隠し、笑顔で励ますゲルダの心中を思うと本当に切ない気持ちになります。

医療技術も感染対策も十分ではなかっただろう時代に、まさに命がけの決断をしたその勇気は凄いと思うけれど、突っ走り過ぎだよ~~とも感じてしまったのは、アイナ―が自分のことしか思い及んでいないというか、ゲルダへの愛がゲルダのそれより薄い気がしちゃったからかな~

演じているエディは他の作品では男性にしか見えないのに、今作ではどんどん女性らしい仕草になっていって、表情や容姿までも女性に見えるシーンもう~~ん、演じるって凄い


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