杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

モンスター・ホテル2

2016年04月19日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2016年2月20日公開 アメリカ 89分

モンスターたちの社交の場・モンスターホテルで出会ったドラキュラの娘・メイヴィス(声:川島海荷)と人間のジョナサン(藤森慎吾)がついに結婚!二人の息子・デニスも誕生しドラキュラ(山寺宏一)は大喜び。なんとしてもデニスを一人前のモンスターに育てたいドラキュラは、いつもの仲間と一緒に孫育てに奮闘中。そして迎えたデニス5歳の誕生日。メイヴィスが招待したドラキュラの父・ヴラッドは人間が大嫌いな古いタイプのモンスターだったので、さぁ大変。デニスの誕生日はモンスターの家族と人間の家族を巻き込んでの大騒動に!(公式HP)


舞台は前作から7年後の「モンスター・ホテル」。ドラキュラだろうと人間だろうと「じぃじ」は孫に夢中なのねまして可愛い可愛い愛娘の産んだ子なら尚更のこと立派なドラキュラに育てようと何かにつけて口出し手出しするんだけど、メイヴィスの方は息子の将来を思い、人間界で適応できるように実家のホテルを出てジョナサンの生まれた町で暮らそうと考えています。
夫であるジョナサンはホテルでの暮らしが気に入っていて出来ればこのままでいたいようですが、妻にも義父にも頭が上がらず振り回される役どころ
ジョナサンの故郷を下見に行くという口実で二人を送り出してデニスを預かったドラキュラは、何とか孫のモンスターとしての才能を開花させようとキャンプに連れ出しますが、そこで騒動を起こしてしまい、怒ったメイヴィスはデニスの5歳の誕生パーティが済んだらホテルを出ると決めてしまいます。

ところが、メイヴィスが人間嫌いの祖父のヴラッド(ドラキュラの父)を招待したことで、誕生パーティが大混乱に陥るの。この大ピンチにデニスが蝙蝠に変身。ひ孫がモンスターの血を受け継いでいることがわかり、ヴラッドも好々爺に早変わりでめでたしの結末です。

ジョナサンの実家で微妙に居心地の悪さを感じたメイヴィスや、大好きなモンスターたちとのお別れが悲しかったデニスの心情なども描かれていて、楽しいだけじゃない現実の苦みもちょっぴり味わえます。こうしてみると、何も考えていないようなジョナサンが意外と頼れる夫でありパパなのかも

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菩提樹荘の殺人

2016年04月19日 | 
有栖川有栖(著) 文春文庫

アポロンのように美しい少年、と噂される連続通り魔事件の容疑者。お笑い芸人志望の若者達の悲劇。大学生時代の火村英生の秀逸な推理、そしてアンチエイジングのカリスマ殺人事件。「若さ」を持て余す者、「若さ」を羨望する者達の恩讐に振り回されつつ謎に立ち向かう火村とアリスを描く、美しい本格推理四篇! (「BOOK」データベースより)


ドラマ化にあたって原作を読んでいるため、どうしても比較感想になってしまいますが
事件そのものより火村とアリスの関係性に注目してしまいました。

「アポロンのナイフ」
ドラマでは初回から引っ張ってこれだけ?な展開でしたが、こちらはまとめて一気に読めるのがいいです
本ではアポロンらしき少年と会話を交わしたのはアリスですが、ドラマは火村の教え子に変えてましたね
アポロンの仕業かと思われた二件の殺人の真相はそのまま。下手にいじらなかったのは正解かと

「雛人形を笑え」
お笑い界での成功を目指した被害者。その野心の強さ故に引き起こされた悲劇ともいえるかな。
火村が犯人を確信したのが被害者の死体のポーズというのが単純だけどインパクトありました。
でも一番面白かったのは、被害者の元相方を前にしての火村とアリスの喫煙に関する会話だったりします。
ほんま、あんたら漫才うまいやないですか

「探偵、青の時代」
ドラマ本編が終了した後、huluで放送された三本のうちの一本がこれを下敷きにしているようで。
(そもそも、TVで始めたならそこで完結せんかい!!と憤るクチなので未見ですが、すげ~~観たかった
まだ学生の頃の火村の名推理なのですが、事件そのものは殺人ではなく、軽微なものです。
本ではアリスが大学の同窓生と偶然あって火村が昔披露した推理について聞かされるという展開ですが、ドラマでは当時のメンバーの中にアリスがいたようですね。

「菩提樹荘の殺人」
アンチエイジングのカリスマが別宅の敷地内の池に首を突込み下着姿で死んでいた・・アリスじゃないけど、逆さで足が突き出てたら横溝正史の「犬神家の一族」だ。こういうふうに軽い笑いを入れて凄惨な殺人を扱う中の息抜きにしているのがけっこう好きだったりします。容疑者は交際していた二人の女性とマネージャーをしていた姉と秘書(付き人)の男性の4人です。被害者の裏の顔が暴かれた時点では犯人から一番遠かった人が実は、という結末。積もった恨みが爆発してしまったのねぇ
火村とアリスの出会いや、アリスが推理作家を目指すきっかけとなった高校時代のラブレター話も登場します。(これはドラマでも使われてたな~~

「若さ」をモチーフにしたということで、34歳から年をとらなくなった二人の学生時代の話が出てきたのがけっこうツボだったりします。特に「菩提樹荘の殺人」で火村の「俺は万年青年なんかより老いに寄り添えている人間を見る方が心安らぐ」というセリフがアリスが40年後の火村を「高校生より尖った頑固な爺さんになってそうだ」と想像し、火村はアリスを「微笑ましい万年青年になるかもな」と評するくだりが、二人の関係がこれからも変わらないだろうと思わせてくれます。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする