杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

おいしい生活

2016年04月16日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2001年10月20日公開 アメリカ 95分
2016年3月1日 日テレ「映画天国」放送

NY。冴えない元ギャングのレイ(ウディ・アレン)と仲間たちは、完全無欠の銀行強盗を計画する。愛妻フレンチー(トレーシー・ウルマン)はカムフラージュで銀行近くにクッキー屋を開くが、それが予想外の大繁盛。ついには彼女の従姉妹メイ(エレイン・メイ)を店員に雇い、すっかり話題の店に。やがてレイも失敗ばかりの強盗をあきらめ、店をフランチャイズ化する計画に手を貸す。かくして一躍、社長になったレイとフレンチーは大金持ちに。するとフレンチーは、急に本格的な社交界入りを志すようになり、画商のデイヴィッド(ヒュー・グラント)に色々教示を受ける。レイはそれが面白くない。しかし横領事件が起こり、突然、会社は倒産。デイヴィッドも去っていった。レイとフレンチーは元の貧乏生活に戻ることになったが、それはそれで幸せな二人なのだった。(Movie Walkerより)


ウディ・アレン監督作との相性はすこぶる悪い私。
彼の作品とは知らず、スイーツ関連のコメディだと思って録画したのですが・・・たしかに「クッキー」は美味しそうだけど、この夫婦のドタバタぶりも笑えるけど、金持ちや知識人への痛烈な皮肉がてんこ盛りで素直に笑えなかった。主人公が間抜けなおバカさん扱いなのも気に入らないのよね。喉に小骨が引っかかるようなこの作風、やっぱり苦手だ。

レイはダメ人間の落ちこぼれです。刑務所時代の「切れ者」というあだ名を皮肉と気付かず本気にするような男。そんな彼の仲間たちも頭の悪さでは引けをとらない者ばかり。銀行まで続くトンネルは逆方向に掘る始末。妻のフレンチ―はそんな夫に呆れながらも結局は協力してしまいます。でもカムフラージュで売ったクッキーがバカ売れして本末転倒しちゃうの。

大金持ちになった途端、上流志向の妻に振り回されるレイ。高級食材より妻の作った肉団子入りスパゲティが食べたいレイの気持ちはわかるぞ~
一方、何とか上流階級の仲間入りをしたいフレンチ―は、悪趣味なインテリアで室内を飾り、インテリ層を招いてもてなすのですが、彼らの目には下品な成金としか映らず蔑まれてしまいます。意地になった彼女は画商のデイヴィッドから芸術のイロハを学ぼうとするのですが、彼の方は彼女を単なる金ヅルとしか見ていません。これもよくあるパターンね

経営も財産管理も他人任せにしていたため、横領されて一文無しになってしまった夫婦ですが、全部失くして初めて互いが一番大切であることに気付くの。(いや、レイの方は最初からずっと妻を愛していたんですけどね

態度を豹変させて去っていったデイヴィッドから、以前彼にプレゼントした高価なシガレットケースを、これも以前レイに教わった鍵開けの腕前で取り戻したフレンチ―。このラストが一番好きかも

どんなにお金があっても幸せにはなれない、やっぱり愛がなくては!なオチでした。

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