陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

死の床でみていた安野光雅の絵本

2013-01-15 23:33:01 | Weblog
近くの美術館で安野光雅の世界展が確か昨日まで開催されていた。

  『観に行った?』

と、聞かれることがあって、
我が家にある安野光雅の絵本を思い出した。

ふしぎなえ (日本傑作絵本シリーズ)
クリエーター情報なし
福音館書店


ハードカバーの絵本でなく、福音館書店の月刊予約絵本『こどものとも』
保育園勤めをしていた独身時代に私が購読していたもの。
我が子も好きでなんどもめくっている。
相当ぼろぼろと言っていい。

緩和ケア病棟に転院し、
だんだん本を読む元気もなくなってしまい、
絵本がみたいと言うので
我が家から持ってくる本のリクエストを訊ねたところ、
この絵本と『おばけのバーバーパパ』だったように記憶する。
毎晩、二人の子が寝る前に二人の布団の間に寝っころがって絵本を読んでやるのが幼い頃の日課だった。
主に私の仕事だったけれど、時々は夫が代わった。
私の嫁入り道具である絵本を初めて手にして、
絵本の絵はバカにできないとはじめて絵本の良さを知ってくれた頃。
夫は細かな描写の絵が好きだった。



開いてみれば、息子の字が全ページに書きこまれていた。
絵を見て息子がおはなしをしているような言葉だ。

  5月6日 日曜日
  これからへんなおはなしを、はじめます。
  あるひ、みんなの、かげがへんになりました。

  5月8日 火曜日
  どんどんあるくとへんなかいだんがありました。

  プールにいったけど、へんなプールでした。

  ある日おじいさんがたびにでました。へんな海でした。
  大きなびんから水がでていました。

やっと字がかけるようになった字がうれしかった?
絵のふしぎさに加えて、絵本に文字が入っていないのがふしぎだったのだろうか。
もう読んでもらえなくなった年頃に自分で書き込んだものらしい。
病棟に持ってくるまで落書きには気がつかなかった。

いろいろと育ちに難がある息子だった。
当時、大学生。まだまだこれから。
一番大きな心残りであったろう。
ベットから見えるところへ、ページを広げて最後の夜まで飾っておいた。

 

合気道で段位も取り、子供に教え始めた。
家ではモコに杖で遊んでやっている。
息子はしばらく仕事で家を離れる。
その子たちを不在の間、誰に頼んでゆくか、自分のことより今それを案じている。

お父さん、親はなくても子は育つよ。
ちゃんと空から見てくれているとは思うけど。





  本日の歩数  13,050 歩

             


にほんブログ村 シニア日記ブログ 女性シニアへにほんブログ村 人気ブログランキングへ
                                                           
     来られたお印にふたつクリックしていただくとうれしいです=^_^=