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陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

歌に私は泣くだらう: 妻・河野裕子 闘病の十年   永田和宏著

2012-11-23 23:07:49 | 
歌に私は泣くだらう: 妻・河野裕子 闘病の十年
クリエーター情報なし
新潮社


闘病物は避けたい。
しんど過ぎる。
思い出してしまう事が多すぎる。
そう思いながらも、またも図書館の新刊コーナーで見つけたとたん手にしてしまった。
この夫婦の歌に触れるのは何冊目になるだろう。

2002年9月20日、私の夫の死、2日前から闘病記は始まっている。

    左脇の大きなしこりは何ならむ二つ三つあり卵大なり

そして22日。著者の勤め先である京大病院で乳癌の告知を受ける。
同日10時頃、夫は息を引き取った。
膀胱癌から大腿骨への骨転移、胆管癌と河野裕子さんとおなじく癌に蝕まれて逝てしまった。

凡なる我ら夫婦には何も残っていないが、
ちゃんと歌が残されており、
その時、その時の夫婦の気持ちのずれなど、
知ってしまえば尚辛いことまで赤裸々に表出されている。
まるで相聞歌のように配してある。
夜眠れないことによるハルシオンの薬害からか
裕子さんが著しく精神均衡を壊した時期の事も克明。
この辺り、
狂気の世界へ渡ってしまった人を早くこちらの世界へ戻したいと焦る家族の気持ちが
実体験として、手に取るように分かる。
障害ゆえに、時にパニックや怒りに支配される日常を持つ息子と共に暮らしているから。

すべてを世間に晒し出して、著者に救いはあったのか?
今、残されて闘病記をまとめた事で少しはふっきれた思いになられたのだろうか?
この一点が気になる。

NHKのBSでこの辺りはドラマ仕立てにされて放映されのを先に見ている。
読み進みながら、あのシーンだと絵が浮かんだ。
イメージがはっきり固定されてしまうので、
先にドラマを見た事がちょっと邪魔な感じ。


返さなければいけない図書館本なので、
これはと思う歌をノートに書き写しながら読み進んだ。
悲し過ぎる。
辛すぎる。
生き残るも逝くも辛い。

残されて10年を経ても、ひとりぼっち感は突然襲ってくる。
今日の事、子供たちが通った小学校の校庭に並んだ銀杏が鮮やかな黄色で、
しかも地面まで散り敷く落ち葉で、だんだん夕暮れが近づく時刻で、
美しいとおもったとたん、
いったいなんでウォーキング最中にいきなり悲しくてやり切れなくなるのか?
ひとりで生まれてひとりで死んでゆく、いっしょに同時には夫婦だって無理というもの。
なんの不思議もない現象の中に居るだけのこと。

ノートに残した歌を幾つか置いておこう。


    明日になれば切られてしまふこの胸を覚えておかむ湯にうつ伏せり

    ああ寒いわたしの左側に居てほしい暖かな体 もたれるために

    歩くこと歩けることが大切な一日なりし病院より帰る

    文献に癌細胞を読み続け癌には触れざりし君は

    この人を殺してわれも死ぬべしと幾たび思い幾たび泣きし

    薬害に正気を無くししわれの傍に白湯つぎくれる家族が居りき

    あの時の壊れたわたしを抱きしめてあなたは泣いた泣くより無くて

    一日が過ぎれば一日減ってゆく君との時間もうすぐ夏至だ

    この家に君との時間はどのくらゐ残ってゐるか梁よ答えよ

    歌は遺り歌に私は泣くだろういつかは来る日のいつかは恐る

    相槌を打つ声のなきこの家に気難しくも老いてゆくのか


  死の前日口述の歌

    手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が

    さみしくてあたたかりきこの世にて会い得しことを幸せと思う







    本日の歩数12,277歩






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映画 『メメント』 

2012-11-23 00:40:02 | 映画(DVD)
メメント [DVD]
クリエーター情報なし
東芝デジタルフロンティア


記憶や思い出(=メメント)
記憶が10分しか持たない男が妻をレイプした犯人を探す話。

「メメント」予告編



実際にそういう障害を脳に受けた人も担当する。
高次能機能障害の話を息子にしたら、即座にこの映画が出てきた。
さっそくDVDを借りてきた。

映画では記憶を補うためにポラロイド写真やメモを使う。
そのメモが分からなくならないよう体中に刺青でメモを刻む。

退院に向けて自宅生活を円滑にするために
映画と同じようにメモ帳の活用の習慣付けリハビリが行われているのを見学した。

私は残酷シーンがダメ。
横になって目を閉じてスルーしていたら本気で寝て映画同様記憶が飛んだ^^;

実は職場の飲み会があって後、DVDをオン。
車で行って素面で一次会でとっとと帰ったんだけど、気疲れはあったらしい。
半分寝ながら、主人公同様に記憶が途切れながら
意地で頑張っていたが、気がついたら終わっていた(-"-)

ストーリーはいったりきたり、いや、過去にさかのぼる構成か?
少々複雑。
じっくりと腰を据えないと分かりにくい。もう一回、明日観ようっと。

当事者の恐怖、不安が
この映画を通して少しでも追体験できればと思っている。


  年末までに職場の忘年会もあるなぁ~憂鬱zzz



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