陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

女という病  中村 うさぎ著

2008-06-20 07:49:38 | 
女という病
中村 うさぎ
新潮社

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思わず、うん?と惹きこまれる↓
ショッピングの女王
中村 うさぎ
文藝春秋

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壊れたおねえさんは、好きですか? (文春文庫 な 41-8)
中村 うさぎ
文藝春秋

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題名の著書↑がが多い中で
比較的地味目なタイトル。

13のワイドショーにぎわせた事件の犯人の女臭さが描かれている。
ちょっと短すぎて喰い足らない感じを受けた。
ひとつひとつ小説にした方がおもしろかったかもしれない。

ショッピング依存症とまではいかなくても
買うという行為だけでスカッとする気分は私にもあるので
ここまで壊れた自分をさらけだす中村うさぎから目が離せない。

わかり易いうさぎ解釈に砕いた女のイヤな部分がぷんぷん。
私の中にもある女、ただ隠れているだけと思うものも、
こんな女が近くに居る居るとうなずける話も13篇の中にあった。

一番気になったのが
13章の『バービー・ナルシシズムが生んだ狂気』
名古屋の切り裂き通り魔の話。

彼女の生活感なさ、この世の生の理解の無さと言うか
そのあたりが息子とクロスして気になったのだ。

人の言うことは額面通りにとって
回りと自分がズレていることへの理解もない。
コミニケーションの不得意。
自分の思いを上手く相手に伝えられない。
他者と心が通わせることができない。

生活のためお金が働かなくても何とかなっているので
ますます実体験が乏しくなって歳を取ってゆく。

猫をかわいがるが猫の世話の仕方はわからない。

猫に避妊手術を施した傷跡から、
ぬいぐるみではなくて中には汚い内蔵があることを知って
バービー人形ではない生身の人間のリアリティが欲しくて
自転車で通りすがりに人を包丁で刺したという解釈だった。


息子の憂鬱は自分が描いてきた未来像から
どんどん自分が離れて歳を取っていること。

誰でも野球選手になる夢から醒めて現実を生きてゆけるのに
息子を見ていると子供の時のままのような
生きると言うリアリティのなさを感じてしまう。

『かわいいね』と言われて育ち
バービー人形と生身の女である自分との区別もつかず
ずっとパービー人形ファッション。
好きなひらひらで凶行に及んでいる。
動きやすい服を着ると言う発想もないのだ。

作者の意図とズレたところが琴線に触れてしまった。
息子のことから意識が離れない愚かな母。