陽だまりのねごと

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いじめらっれ子からチャンピオン

2007-10-12 08:51:46 | Weblog
33歳内藤、最年長防衛=亀田大は最年少王者ならず-WBCフライ級 (時事通信) - goo ニュース

時計かわりのテレビからボクシングの事。
あの傲慢に育てられたこの先が心配な亀田なんたらくんがまた勝ったのかと
ボクシングを知らないけど彼はみたことある私は勘違い。
やさしげな奥さんと子供が映った。
あれれ?彼は10代だったと思ったけど早婚?
勝ったのは33歳の内藤で亀田ではなかった。

やさしげなお顔がキズだらけ。
昨夜の激戦がしのばれる。
殴り合いは苦手だけど結果が分かっている安心もあり
じっと、リプレイが流れるのを見入った。

一夜明けたスタジオでのインタビューもついつい手を止めて見入った。
ボクシングを始めた動機は息子が空手を始めようと思ったのとおんなじ。
気になる。

息子は大学に通うワンルームで
自分そっくりの少年がモデル写真の一冊の空手ハウツー本を
ぼろぼろのなるまで読んで試して、空手の型だけはいっぱしになっている。
人が怖いからサークルにも道場へも行けなかった。
一度も人と組んで練習しないで、本当の空手は分かる訳がないが
本人は真剣そのもの。

いじめた奴らに勝ちたい。ぼこぼこに殴られたみじめさはイヤだ。
怖がった自分を強くしたい。
チャンピオン内藤の話と寸分違わない。

そして今、息子の方はあのワンルームを出て私と暮らして3年目。
合気道に出会い同好サークルへと通うほどにはなった。


人として亀田よりうんとまっとうに見える最高齢チャンピオンの話ぶりには
じんわりくるものがあった。
いじめられたからいっぱい育つものも人間の幅も出来た方に見える。

亀田は負けた事で、
人としてのまっとさを取り返すチャンスにならないかな?
あのお父さんは息子の一生をどう考えているのだろう?
亀田は父親のあやつり人形にも見えて将来が気になる。
まだ18歳だもの。
横山やすしの息子が事件を起こす前の不遜な姿とちょっとオーバーラップする。


夜をゆく飛行機

2007-10-12 05:57:55 | 
夜をゆく飛行機
角田 光代
中央公論新社

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折しも↓辛いことになっているが、

イラン邦人誘拐、麻薬密売組織の犯行か(読売新聞) - goo ニュース

小泉政権下『テロに屈しない』のひとことで殺されてしまった証生さんの事が思い出される…)

角谷光代さんの小説は実体験にもとずく
バックパッカーの貧乏小説が多かった。
あれよあれよという間に押しも押されぬ直木賞作家。

これは酒屋家族の話。日本版庶民派若草物語という感じかな?
どの姉妹も父母もそこらにありがちな感じ。
三女寿子の小説家ってのはありがちではないけれど
どこか暗い育ち姉が突然、家族のだれも読まない分野の小説など書いており
いきなり作家先生になったくだりは新進小説家の生体験みたいでもあった。

祖母が認知症になって亡くなったり、ずっと独身のおばが突然死んだり
大きなショッピングモールが出来て古い商店は立ち行かなくなったり
姉妹の離婚があったりと劇的でないけれど、
どこにもありがちな話が展開してゆく。

おばハルミの大晦日の死を置いといて正月をちゃんとやって葬儀は正月明けとか、
祖母の死と店新装開店が重なったら、予定どおり開店セレモニーをやってしまうとか、
一見、非常識な行動の中にちゃんと
自分のしっかりした死のとらえ方や悲しみの受容の仕方が込められている。
世間体がそっちのけってことろは
バックパッカー小説にもいっぱいちりばめられていたっけ。

一家が集まって夕食を取ると言うこだわりが家族の絆の要になっている。
一家の主婦である母が
三高(高脂血症・高血圧・高血糖)の父に気を配って手料理を作って
全員そろっての食卓から、
母が姑の看病で家を空けがちで料理の担い手がなくて
勝ってきた総菜が並んだり、店屋物だったり、
大人の子供たちも諸事情で夕食タイムに家におらず揃わなくなったり
家庭の荒廃が食の荒廃でよりリアリティが出ていた。

つい我が家に照らし合わせたりした。
四人家族から今、ふたり。
かつての主婦は働く人になっておつかれモード。
手料理は手抜きオンリー。買ってきた総菜が並ぶ日も。
息子は食事時間が遅いし、
人が傍に居ると食べることに集中ができないと言うアスペ。
団らんという図は娘が帰省して三人になった時だけとなった。
娘は外食やコンビニ食の孤食がほとんどだから
久々の手料理が食べさせたく私もちゃんと母になる。
この時は昔みたいに息子も妹と卓を囲み、傍の人シッシなどと言わない。

もそもそポテトッチプでお腹を満たしている母にショックを受けるシーンが
そう言えば自分もこの前、息子の食べ残しチップで…
我が家はいつの間に家庭と言えなくってしまったのだろう?

角田さんの家族小説もいいわぁ~生き方に力みがない。