陽だまりのねごと

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介護現場での暴力被害

2006-02-14 01:47:50 | Weblog

介護現場、56%が暴力被害 セクハラも (共同通信) - goo ニュース

これまで介護者からの暴力はニュースになってきたが、今回は反対の立場。夜勤でひとりの夜、認知症の人の暴力に怒りを覚えて、熱風で死に至らしめた事件も過去にあった。

施設から自宅へ帰られた人で、入所中、押さえつけられてオムツ交換をされていたらしく激しいオムツ交換拒否。訪問開始時には、ヘルパーを殴る、蹴るが続いたケースや、着替え、清拭中にヘルパーのおっぱいやわき腹を強く掴む認知症の人等々。うちの事務所でもないことはない話だ。

悪ふざけが好きで、関わるヘルパー全員に『くそババァー』と言う人は実際に担当している。

暴力行為に及ぶまでの背景や、状態、介護者との関係など微妙な部分はなかなか現場をしっかり検討しないと、実際のところはわからない。セクハラ、言葉の暴力などの場合、本人にどれだけ『悪い』と言う判断能力があるか否かも問題になると思う。

人として尊重出来るゆとりが持てる人員配置であるかどうか?
尊厳を傷つける言葉かけやケアはなかったか?

気持を察してもらえない、辛さを受け止めてもらえない。
そんな思いが形を変えて暴力になってはないだろうか?

そして受けけた暴力の処し方を検討、あるいは関係の修復を共に職場で考える職場の体制があるかどうか? 利用者にも介護者にも優しい介護現場になるにはどこをどう変えていったらいいのか? 

ポンと出た数値はもっともらしく語りかけるが、裏にある真実の見極めが大事な様に思う。


普通の病院が緩和ケア病棟のようならいいのに

2006-02-14 01:02:36 | 終末医療
色鉛筆さんへTBします。

余命はいくらかと主治医に聞いても、状況による事だからと、はっきりは答えてもらえなかった。手立てのない状態である事は確か。夫の眉間には痛みで、いつも縦ジワが刻み込まれていた。

痛み止めはモルヒネの錠剤。MSコンチン。座薬のボルタタレン。癌は骨に転移し、胆管に転移しても、主治医は最初の膀胱癌を治療した泌尿器科。入院も泌尿器科。骨への転移部位については、わざわざ整形外科の外来へ回された。痛い箇所をグッと押し付けて、何度もレントゲンを撮らされた。もう歩行も座ることも困難な状態だった。

車椅子に痛みを和らげる自前のクッションを敷いて、病院内を移動させられるのは情けなかった。レントゲン室には私は入れない。技師に夫の預けて、どういう扱いを受けるのか気が気ではなかった。

『痛いと言ったら、技師がニヤッと笑った。』

くやしそうな夫の言葉が耳に付いて離れない。夫の体をちゃんと全体でとらえてくれているのは誰なのか?パーツ、パーツで専門医が替わる。ここは総合病院ではないのか?まるごと夫を診てくれているのは誰だろう?

県内の緩和ケア病棟の事を知ったのは、まったく歩けなくなるほんの数日前だった。転院相談に行くから紹介状をくれと、言っても渋って主治医が書いてくれない。業を煮やして、出勤間際の婦長をナースステーションに張り込んで、今日の午前中に絶対欲しいと迫った。やっと手にしたのは12時前。

車を飛ばしても一時間はかかる場所にある緩和ケアの外来は午前中で閉まる。電話で事情を話したら、

『待っているから、事故を起こさないように気を付けていらっしゃい。』

夫が病に倒れてから、初めて医師からやさしみのある言葉を聞いた。

『こんなひどい状態の人が6人部屋ですか?』

動けない夫の搬送の手配から、緩和ケアは空いていないが、空くまで一般病棟で緩和ケア医が診てくれると言う。用意された病室はふたり部屋。ひとつのベットは私が使って良いと言われた。

即座にベットにはエアーや獣毛が敷かれ、24時間皮下モルヒネの装置が装着された。すーつと夫の眉間のシワが消えた。

 『どこも痛くない』

治療をあきらめたくないと言う夫は最期の最後まで、体力のある限り放射線を受けさせてもらった。前の病院では私が放射線室まで私が連れて行き、順番をそこでも待たされた。ここでは数人の看護師さんが時間にサッ来て、疲れさせないように待つ事なく放射線治療を受けさせてもらった。

緩和ケア病棟に移れて二週間。大好きなお風呂に何度も入れてもらい、ほんの一口ビールを飲んで、おだやかにゆっくり最後の日を迎えた。緩和ケア医が一切を診てくれた。ナースコールにはすぐ対応してもらえ、状態が落ち着くまでゆっくり傍に居てもらえた。前の病院では感じなかった安心感があった。

総合病院の主治医が転院の際に言った。

『ここは救急病院だから』

地元にデーンと構えて、ほとんどの人が信頼して入院する。最後を迎える人も多い。誰も救急病院だとは思っていない。なぜこの人は末期の患者に緩和ケア科へ紹介状を書き渋ったのだろう?主治医のプライドが邪魔したのか?医療従事者が『主』で、患者が『従』のような風潮の病院では安心して看取りは任せられない。

もうひとつ。痛みの緩和は専門の医師でないと、きちんと痛みを取ってもらえない事をしっかりと覚えた。