陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

くうねるとろすむところ

2006-02-05 20:45:07 | 
    平安寿子著『くうねるところすむところ』

30歳のバースデイにひとりぽっち感にさいなまれて自暴自棄の酒。飲んだ勢いで猫と同じ。工事現場の足場にスイスイ登って降りれなくなった。そこに登場、鳶職の王子様。惚れた弱みで同じ業界へ。社長であった夫を勢いで追い出して後、自分が会社を切り盛りせざるを得なくなった女性の会社へ転職。このふたりの四苦八苦から、仕事がおもしろくなるあたりで物語は終っている。

実際の建築会社の女性社長や女性建築家を参考にしたとあとがきにあった。男社会への女性進出もめずらしくはなくなった。

自分から離婚を言い出し、いままでは替えてもらっていた、高い場所の蛍光灯が切れて自分ではどうしようもなくて泣くシーン。自然の摂理、死で独り身となった私にも覚えがある。いつまでも泣いていても解決にはならない。女は強しと思う。居ない人を恋うよりも出来ない現実を自力でどうするか?泣いた後の頭の転換は早い。

現場で働く男性のたくましさも見捨てていない。男性社会へ進出する女性を中性化していない目線がいい。

耐震強度偽装の建築業界、身障者を踏みつけにしたハートビル法どこ吹く風のビジネスホテルの改造と、私腹を肥やすばかりのニュースが巷に流れるこの時世に、

  良い仕事しようよ
  いい家建てようよ

と、燃える女達の話は心地よい。
数と金が一番と勘違いするのは、男社会っぽい気もするけれど…