固定残業代制度とは、どういうことかというと事業所が求人をする際に給与などの条件の提示を長時間労働を前提とした賃金をあたかも所定賃金であるかのように行い、労働者が入社した時にはじめて気がつく代物(しろもの)です。考えてみれば良いのですが固定残業代制度があると、労働者の側では所定給がいくらなのか、どこからどこまでが所定級であるのか、残業代なのか非常に分かりにくいわけです。ここをブラック企業が悪用して労働者に低賃金で長時間の労働を強いて、更に悪いことに定められた時間分の残業代を支払わないようなことをするわけです。
日本共産党の小池晃参議院議委員は、固定残業代制度をたんなる未払い残業代にとどまらず見かけ上の「高給」という虚偽の情報で労働者を誘引していく問題を指摘しています。固定残業代制度は、基本給を安く抑えて残業代の単価を引き下げて更に長時間労働を招いています。こうして過労死ラインを超える長時間労働が蔓延していくわけです。また、固定残業代制度においては、労働者がどれだけ残業させられているかなどが非常に分かりにくいのです。そのために固定残業代制度がサービス残業(不払い残業)が蔓延していくのです。私は、過労死を招く長時間労働や不払い残業などブラックな働かせ方を日本社会からなくしていくためには、固定残業代制度を規制することが必要だと考えています。