愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

安いことは良いことか?

2009年12月27日 21時55分50秒 | 人間らしく働くルールの確立を
 「安いことは良いことか?」と問われて「ノー!」という人は普通いません。このフレーズだけで考えれば、安いことは良いことだと受け止めるのが普通です。私だって普段買い物するのにできるだけ安く買い物しようとするわけですから。しかし、どんなことにも必ず背景というものがあります。とある小売店である品物が他の小売店よりかなり、あるいは圧倒的な安さで日常的に売られているとすれば何か背景があるとまずは、私たちは考えるべきです。

 大手スーパー・西友は低価格競争の先鞭をきっています。298円弁当などは、西友の低価格競争の一つの象徴といえる品目です。また、冷凍食品にいたっては、かつてのひと月に一度くらいの通常より4割引とされてきた価格が現在では通常の販売価格になっています。日用品を安く買えること自体を否定することは一概にはできませんが、背景にあることを考えると手放しに喜ぶわけにはいかないことは、一つの真実です。とりわけ、価格の安さが労働者の犠牲により成り立っているとすれば。実際に、低価格は労働者の犠牲により成り立っているという背景があります。レイバーネット日本のサイトに大手スーパー・西友の低価格路線「KY(価格安く)」「安いは愛だ」ということの裏に労働者に押し付けられている犠牲、問題点が続発していることを暴露する記事があります。

 何が起きているのか、、レイバーネット日本に掲載されている当該記事をここに転載しましょう(転載記事本文は罫線より下から)。



 12月23日、西友・三軒茶屋店前にて、DHLユニオン(全日建連帯労組)はビデオ上映による抗議行動を行った。DHLユニオンは、大手スーパー西友の専属輸送会社で働くトラック運転手で組織された労働組合。業界内で最初に「24時間・年中無休」の店舗営業を始め、「298円弁当」「850円ジーンズ」などで低価格競争の先鞭をつけた西友。その安売り競争のツケを回されているのが現場の労働者だ。過酷なコストカットで「骨折」「じん帯損傷」「頭部負傷」などの労災が多発しているが、DHLや西友はまともな対応をしていない。DHLユニオンは、クリスマス商戦や新年初売り時にも店舗前で抗議行動を行う。(土屋トカチ)

【転載元】レイバーネット日本



 レイバーネット日本で報じられていること自体は、ある意味想像に難くない範囲内の出来事と言えます。販売価格を安くするためのコストカットの手法でもっとも手っ取り早く行われるのが労働者に対する搾取を強化することです。単純に労働時間を長くすること意外に時間当たりの労働の強度を際限なく強めていくこと、いままで正規職員が行ってきたことを非正規のパートなどに置き換えることなどです。

 私の居住地の近所の西友でも、低価格路線のひずみともいえる出来事がありました。それは、一種の派遣切りです。西友には、高齢者事業団から派遣されている高齢労働者がいましたが、今年の春に契約期間中にもかかわらず一方的に「解雇」を突きつけてきたのです。私の高齢者事業団の派遣により西友で働いていたにもかかわらず、高齢者事業団から西友から派遣を打ち切られたといわれてしまい、結局仕事を失ってしまったのです。このような目にあった人は一人だけではありませんでした。私の身近なケースの出来事に関しては、本人が年齢や健康上のことなどから解雇撤回に固執する態度をとらなかったのと、ほかには次の働き場所が運良くすぐに見つかったことで解雇撤回闘争というにはいたりませんでした。


 さて、安さの裏にどんなことがあるのかということがある程度分かっても、そういうものを購入してできるだけ安く買い物をするようにして生活費をやりくりせざるを得ないというのが多くのみなさんの率直な実感、実態ではないでしょうか。私とて、どんな背景があるのか分かっていながら、「安い」ものを買ってやりくりしなければ生活できないのです。では、どうすればよいのでしょうか。

 日本共産党は、一貫して人間らしく労働する、生活することを守る経済社会のルールを確立することが現在の日本に求められていることを提起しています。第25回大会決議案でもそういう立場で経済社会のあり方について政策などを提起しています。賃金では、最低賃金を自給換算で1,000円にする、安易なクビ切りを許さないように労働法制を抜本的に改革することなどが求められています。

 いくら、低価格競争をするにしても何でもあり、労働者の生活にどんな犠牲が払われようとも何でもありというのでは働く人の生活が壊れてしまいます。また、日本経済の足腰そのものが弱くなってしまいます。否、すでに弱くなってきているのです。

 来年の夏には参議院選挙があります。この選挙の行く末は、ルールある経済社会を築き上げるために、きわめて重要な意味があります。今年の総選挙で自公政権が退場しました。では、民主党中心の現行政権はどうなのかを考えるとフラフラしてあてにしづらい面がかなりあります。日本社会のあり方を国民本位に作り変えていくために日本共産党の大きな前進が欠かせません。


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