愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

映画「命の山河」に寄せて

2009年12月17日 22時59分54秒 | 国民本位の社会保障制度をつくろう

 今月の15日、タワーホール船堀で映画「命の山河」の完全有料試写会があったので観にいきました。「命の山河」という映画は、大澤豊監督による作品です。以前には、日本国憲法の制定の過程を描き鈴木安蔵を主人公にした「日本の青空」が上映されました。「命の山河」は「日本の青空?」として製作され、今回は憲法第25条に焦点を当てたものでした。

 あまり書き込みすぎるとネタばれになってしまいますが、舞台となる時代は太平洋戦争が終わり、1950年代になって日本がこれから高度成長を迎えて行き始めているころです。豪雪、多病、貧困という三悪を抱えていた岩手県沢内村が舞台の地となっています。主人公は沢内村の村長であった深沢晟雄(ふかさわ まさお)氏です。実在の人物が主人公です。

 沢内村は、1960年には全国に先駆けて65歳以上の老人の医療費の無料化を実現しました。翌年の1961年には医療費の無料化を60歳以上と乳児(1歳未満)にまで拡大します。そして、1962年には、乳幼児死亡率ゼロを全国で初めて実現しました。

 深沢村長は、生命尊重を理念として掲げ、村民が病気にならないようにすることに力を入れ、保健婦を各家庭に訪問させて健康指導などをさせていたことが映画では描かれています。そういう場面を観ていて私は感じました。どこかの国とどこか似ているなと。深沢村長の医療政策は、実はキューバと相通じるものがあるのではないかと私は感じました。マイケル・ムーア監督の作品に「Sicko」というのがありますが、その作品に出てくるキューバではホームドクター制度というのがあります。町の医者が地域住民の健康指導を行い、とくに高齢者の家には医者が直接訪問して健康指導行います。人々が病気にならないようにする、万が一病気になってもいち早く治療が受けられます。まったく同じというのではありませんが、国が違っても人民・住民の命を守ろうとすると、やるべきことには共通性が必然的に見出されるのでしょう。

 言うまでもないことですが、現在の日本では貧困が拡大しています。経済苦から国保料が払えずに保険証を取り上げられて医療から排除される人が絶えません。今日の「しんぶん赤旗」に報じられていましたが、厚生労働省は15歳から18歳までの高校生世代の無保険者が10,647人にのぼることを明らかにしました(9月時点)。中学生以下の子どもの短期証の交付状況を、厚生労働省が調査したところ短期証が交付されている36,511人のうち1,161件が手元に保険証がない「未達」で無保険状態となっていることが明らかになりました。

 貧困から子どもたちを守ることは政府の責任であり、社会を形成するすべての大人の責任でもあります。日本共産党は保険証取り上げそのものをやめるように主張してきました。「子どもの無保険」の問題でも、日本共産党は保険証取り上げのもっとも深刻な矛盾として国会でいち早く追及してきました。

 貧困と戦うことは、私にとって共産主義運動を始める、つまり日本共産党への入党の出発点であり、結論でもあります。映画「命の山河」は、自分自身にとって日本共産党の党員であることの原点を思い起こさせる内容でした。同時に、貧困渦巻く現在の日本でだからこそ、日本国憲法第25条の精神が現実政治の中でいかされるべきだとも改めて感じました。

日本国憲法第25条
 第一項 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
 第二項 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


 映画「日本の青空」の公式HPは↓のとおりです。
http://www.cinema-indies.co.jp/aozora2/index.php

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