愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

労使間の"パイ"は限られる?

2009年03月06日 21時27分38秒 | 人間らしく働くルールの確立を
 資本家階級(とくにこの記事においては独占資本を念頭に私はおいています)が労働者の戦いを押さえ込んでいくためのごまかしとしてあげられるものに「パイ」論があります。とくに不況が深刻なもとでは労使間のパイは限られているから賃上げはできないなどと言う形で資本家階級からごまかしが振りまかれます。

 そもそも、パイとはどういうことでしょうか。社会全体で生み出された価値のことでしょうか。だとすれば、一般的に社会全体で生み出される価値の総量はその時代における生産力によって決まる、ということ以上には何も出てきません。つまり、労使間で社会的に生産された価値(パイ)の取り分が固定されているということにはなりません。労働者の賃上げすなわちパイの取り分が増えれば使用者側の利潤が減るだけです。労使間のパイが限られているから賃上げはできないことの説明は、資本家階級の側は何一つ説明していません。と言うより、説明できません。ごまかしですので。冷静に考えれば見えすいているごまかしを資本家階級がするのは、利潤を極大化するために可能な限り労働者の労働力商品を安く買い叩き、そして剰余価値を労働者の労働力から吸い上げようとし、そのためには労働者階級の戦いを押さえ込む必要があるからです。力ずくで労働者階級の戦いを抑え続けることは無理です。だからこそ、いろいろなごまかしを振りまき、労働者階級を思想的に眠り込ませようとします。

 みなさん、職場において経営陣がなにかもっともらしいけどなんだか怪しい、胡散臭いことを言っているときには、何かあると警戒するのが労働者階級として賢い考え方ですよ。このことは、資本家階級の利害代表者たる自公政権に対しても同様です。もう春闘が事実上始まっています。資本のごまかしに騙されないように資本の論理というのと戦い方を学んでいかないと……。


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