キャリコンまっちゃんのホッとひと息

キャリアコンサルティングの合間にホッとひと息。
その日に感じたことや起きた出来事などを
日記形式でつぶやきます。

社員教育について(後編)

2005年06月04日 | コンサルティング
みなさん、おはようございます。

いやあ、最近徐々にですが、日中本当に暑くなってきました!
それにひきかえ、朝夜の冷え込みも続き、寝過ごしやすい反面、
風邪を引きやすい時期です。
私ごとでいえば、つい最近まで風邪を引いていました。
この時期は、体温調整が難しいので、皆さんも体調管理にはお気をつけください。


さて、さっそく本日のコメント内容に入りたいと思います。

前回は、社員教育におけるメリットを簡単に記述しました。
これは一般的内容ではなく、実際の一企業の現状にスポットを当てて述べた内容
となっていますので、今回もこの企業に引き続きスポットを当てて述べたいと思います。


実は、この企業の社員教育ですが、多くの資格取得を推奨し、かつ受験料から資格更新料金まで
一切面倒を見てもらえ、さらに合格者には祝い金までもらえて、昇給・昇進にも影響を与える割に、
実はそれほど社員の資格取得状況が進んでおりません。

いったい、なぜなんでしょうか?

それは、個々の社員に対する社内評価が曖昧であるため、評価に対する不満が蓄積され、こうした不満が
社員全体の長期的なモチベーション低下となって社内文化として形成されてしまい、結局は資格取得に対する
意欲低下にも影響しているということです。

もっと具体的に話をしましょう。

人事考課における評価の方法というものは、資格取得だけでは左右されないという現実を
社員は突きつけられるため、社員はそれほど資格取得を真剣に考えないということです。
まあ、多少の資格手当が給与に上乗せされる程度と考えている程度です。

それよりも、上司に気に入られる方が、よほど出世には近道だということを彼らは知っています。
また、不運なことに、自分が着いた部署の上司が、仕事の出来る上司か、出来ない上司かによっても、その部下に対する評価も
異なってくる仕組みに、この企業の人事考課制度は出来てしまっています。

ですから、ある程度業務に必要だと思われ、比較的取得が容易な資格に対しては早い段階で彼らは
合格していくのですが、それ以降の比較的難易度が高い資格に対しては取るものが極めて少なくなっています。

こうしたことは、新入社員の教育にも悪影響を及ぼしています。

たとえば、「新入社員の世話役」にスポットを当ててみましょう。

当然ながら、世話係によって教え方はほとんど異なっているのですが、多忙な業務内容であることも加味された結果、
新入社員に対する業務の説明の大部分は省略され伝えられています。

したがって、「はい、明日からこれはあなたがやる仕事ですよ」と、ポンと業務を与えられた新入社員は驚いてしまい、
「マジかよ!どうやってやっていくんや?」となってしまいます。

そこから先は、必然的にOJTというか、実践の中で自分が身につけていくしかない状況がまっているのです。

しかも、その実践の場で彼ら新入社員が目にするものは、先輩方の業務怠慢な姿勢や会社に対する
不平不満をもらす先輩の姿などです。

そして、新入社員もこうした先輩の姿をみながら、自分も先輩に「役立たず」と言われないように
必死に業務に打ち込むようになります。

その結果、結局は我流で仕事の仕方を覚えていくことになります。
しかし、自分に対する会社の評価は概して低いのです。

なぜ低いと思うのかと言うと、昇給があまりないからです。
実際、彼らから発せられる不満の多くは、給料に対するものです。

もちろん、自分に対する評価結果が本人にフィードバックされることは、この企業ではないのが現状です。

まして、世話役を任命された先輩自体、世話役に対する評価もそれほどありません。

こうした社内環境の中で、彼らは毎日過ごしているわけです。

私自身こうした現状を見続けていますと、「ああ、社員教育制度と人事考課制度というものは、
連動したシステムになっていないと機能しないものなんだな」と思い知らされます。

この企業では、表面的には社員教育制度を充実させているように見えるのですが、
蓋を開けていきますと、充実した社内教育制度の割に社員がついてきていないという
皮肉な結果が見て取れます。

まあ、社員教育制度の一人歩きというんですか。
なんだか、もったいない話ですが、本当にある話ですから仕方がありませんね。



さて、次回は傾聴技法のひとつである重要な技法「反射」について話をしたいと
思います。お楽しみに。

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