細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

依存の大切さ

2012-09-03 12:26:37 | 人生論

対等であると、依存しない。

「依存」は悪いことのように日本人は思っている人が多いと思うが、依存することは大切である。

Win-Winとは、「独立」した人間の相互依存によってもたらされる。相手の長所を認め合って、信頼し合って、それぞれの長所に依存することができる場合に、Win-Winが生まれる。

また、子供が親を完全に信頼している場合にも、依存し、甘える。この依存心は人間にとってとても大事な心の拠り所となるものである。

対等であるとケンカになる。自民党と民主党も、対等かどうかは知らないが、ケンカばかりしている。

現代の夫婦も、共働きでそれぞれが収入において自立している場合、まさに対等の関係になり、ぶつかり合うことが多くなる。せっかく「独立」できる資格があるのだから、適切に依存し合って、その傘の下で、子供たちには健全に育ってもらいたい。

親が子に注ぐ愛情は絶対である。見返りがない。親を失った後、子は何を拠り所に生きていくのか。それに対する答えが、絶対的な愛を注ぐ神との関係である、宗教であろう。

日本人は一般に言われているような無宗教とは決して思わないが、八百万の神の国であるため、やはり自然に対する敬虔な気持ちを取り戻すことが、多くの日本人が心の拠り所を取り戻すきっかけになるかと思う。自然とは、人工物の対極にある狭義の「自然」ではなく、この世の摂理を含む広義の「自然」である。

私たち夫婦の関係の現状を踏まえ、また,長崎の原爆資料館で永井隆博士のことを知り、その著作「この子を残して」を読んで、考えたことを記録に残しておきました。 


束の間の日常

2012-09-03 09:46:17 | 職場のこと

今日は久しぶりにオフィスで一日仕事です。

先週は、研究室の夏合宿@長崎でした。台風が長崎の西を通過していったため、2泊3日の合宿の中日に軍艦島に上陸する、という予定が完全に乱されて、合宿の幹事は非常に苦労をしたと思いますが、教員も適宜サポートをして、結局は最終日に軍艦島の周囲を周遊することもでき、とても充実した合宿になったと思います。

私もこの合宿で、諫早湾の干拓問題、原爆、グラバー園、眼鏡橋、軍艦島などについて多く学ぶことができ、また最終日の午後には、長崎大学の道守での「特定道守」のための、BMCの阿部充さんの講義を3時間も聴くことができ、本当に充実した3日間でした。学生たちは、初日の雲仙普賢岳でも多くを学んだかと思います。

大学、研究室とは、学生や教員が伸びる場、そのものです。夏合宿にはさまざまな目的を持たせていますが、この「場」の典型的なものであると私は思っています。知識を学ぶことだけではありません。組織が一体感を持つ、ということを肌で感じてもらうのも目的の一つです。合宿中日の研究室全体の懇親会はそのような雰囲気に満ち溢れていたと思います。

さて、今週は束の間の日常で、9日の日曜日からは今度は10名の学生を引率してイギリスへ出張です。ロンドン、サウサンプトン、ブリストル、バーミンガム、アイアンブリッジ、ウェリントン、ケンブリッジなどを勉強して回ります。学部1年生から修士1年生までの男女混成チームですが、事前の調べや段取りを私が感心するくらいしっかりとやってくれていますので、私はこの見学会でいろいろと勉強させてもらおうと思っています。このような段取りをマネジメントできる学生たちは、とても多くを学んでいるでしょう。これも、「場」です。

今日は各種の事務作業を集中的にこなした後、娘たちのお迎え。子供たちとのコミュニケーションはますます面白くなってきています。

明日4日は学会の委員会業務2件の後、名古屋へ移動して泊。翌5日は学会で座長をして、午後は表面吸水試験のデモを林さんと一緒にNEXCOの方々にして、帰宅。6日は大学で缶詰会議。

フランツ・カフカの「変身」を読み始めました。一気に非日常の世界に引き込まれてしまいました。

いい仕事をしていくために、知識も大事なのですが、「感性」の方がより大事ではないか、とここのところ強く感じておりまして、今年度の読書にはその傾向が色濃く出ています。