細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

研究室夏合宿2012の学生の感想

2012-09-08 14:50:14 | 教育のこと

せっかく学生たちが感想を提出してくれたので、土曜日に出勤した際に、研究室HPへの掲載の作業をしました。うまくサーバーへアップロードされるか分かりませんが、9/9(日)から見れるかと思います。こちらをご覧ください。

研究室HPの更新がここのところ、滞っていますが、大きな理由は私のデスクトップPCの変更(2012年5月)と、その後、HP編集ソフトウェアのインストールが遅れたことでした。 今日、かなり久しぶりに研究室HPの更新作業をしました。

研究室のHPは非常に重要で、その真の重要性を認識しているのは、研究室では私だけかと思っています。ですから、過去、かなりの時間を投資して、HPのコンテンツを整備してきました。ですが、近年、その作業の質・量が著しく落ちており、過去の遺産で食いつないでいる状況でした。

受験生はHPを見ています。我が研究室のHPの研究活動の情報がとても古い情報であるのは、申し訳なく思っています。ようやく、HPの整備環境が戻ってきたので、私も何とか時間を作って改善したいと思います。

「真の重要性を認識しているのは、研究室では私だけ」と書きました。研究室のHPとは、運営のために非常に大事なツールです。もし研究室HPが無かったら、私のブログがなかったら、研究室が今のような状態になっているとはとても思えません。何年も先を見越して、また「営業」の非常に重要なツールとしてHPを捉えているのは「私だけ」と言う意味で書きました。これは、研究室の運営費用などにも責任を持つものしか分からない感覚であろうと思います。円滑に回っているように見えても、人と金が集まらなければ、ダメなのです。

が、現在、研究室の学生スタッフにもHPの更新作業に加わってもらうように議論を開始しています。いくらスタッフと言っても、学生は研究室の運営に直接責任を負っているとまでの認識はもてません。自分も学生なので、研究室のHPの更新に本腰を入れるということはかなり難しいことです。世の中の大学の幾多のHPを見ていて、学生が運営しているHPで秀逸なものはほぼ皆無です。

プロに任せる、という選択肢もあるとは思いますが、見た目よりも中身が大事と思っています。中身はプロには作れません。自分たちの活動がすべてです。かなりの活動をしているのだから、それを適切に皆さんに見てもらう、という手段がHPです。 

見た目は格好悪くとも、これまでそれなりに築き上げてきたコンテンツが、我が研究室HPにはあるのだから、これを活用できるよう、研究室のメンバーとクリエイティブな議論を重ねたいと思います。 


条件設定と論理展開

2012-09-08 13:26:45 | 研究のこと

研究者としてのあり方そのものにつながる話かもしれませんが,従来から思っていることでもあり,ふと思考がその点に及んだので,メモ書きとして。

論理を展開する上で,境界条件,前提条件は非常に大切です。また,その条件の中で論理を展開するわけですが,その展開が正しくないと受け入れられないのも当たり前。ですが,人間ですから,条件の設定もしくは論理の展開の双方で間違いをおかすわけです。 

私は,間違いをおかさずに,論理を展開するというのが苦手です。間違いを犯してはならない,と思っているので,非常に複雑な論理を展開するという方向に進みません。設定された条件の中で,高度な理論を展開できる人をすごいと尊敬します。

一方で,土木工学だと,境界が非常に広い,複雑な問題を実際に相手に実践していきます。その場合,条件の中で高度な論理を展開する,というよりは,その条件の中での実態をどう改善するか,もしくは条件そのものを見直す,という行為が重要になります。高度な論理展開は,むしろ害悪になる場合すらある。私は,こちらでの行動が得意です。

世の中を見ていると,条件の設定の仕方で致命的な間違いをしている方もおられるし,設定した条件の中での論理展開が完全に間違っている方もおられる。難しいわけです。しかも,間違ったまま,学位論文が授与されているようなケースすらある。これはさすがにどうかと思います。

条件の設定にもフレキシブルに対応し,設定した条件の中でパーフェクトに論理展開できることが望ましいわけですが,これはとても難しい。特に条件設定が難しい。いろんな人間が関与する社会システムを相手にすると,なおさら難しい。

難しいことを自覚して,「無知の知」を常に意識して,条件設定・変更能力と,論理展開能力を磨くことが大事です。私も論理展開が苦手ですが,鍛えれば能力は向上します。また,一人でやる必要はない。いろんな人と連携しながら,チェックも受けながら,論理をブラッシュアップすればよいので,長く生きればどちらの能力も向上します。

まあ,ありとあらゆる現象があるといえども,貫く本質の共通性くらいは,生きている間に何となく分かってきそうですが,100%の真実や理論などないし,たどり着くことはそもそも人類には不可能でしょうし,気張りすぎずに,自己の研鑽を重ねようと思います。間違ってはいけない,というのも私の臆病なところなのですが,間違ってもいいじゃないか,学習すれば,というようないいかげんな方向に振れてきております。