学生の研究指導をしていると、何度も何度も言っていることではあるのですが、「目的」と「手段」を区別できていないことが多いです。
よく、手段が目的化する、だとか、日本人にその傾向が多い、だとか言います。私は、実は日本人の多くは「目的」ということをきちんと把握するトレーニングをきちんと受けておらず、「目的」が何かを常に考えて行動していないように思い始めました。
目的と手段をきちんと分けることのできる人が、いつの間にか手段に目が偏っている、というのではなくて、そもそも何が目的で、何が手段か、を分かっていないのだろうと思います。
これは、日本人に"Project Thinking"をできる人が少ないこととも関係しているでしょう。"Management"という概念がおそらく日本語には無いと思います。マネジメントをする、ということはプロジェクトとして捉えて、結果を出す、ということです。明確に目標を設定する、ということです。
どうも、このプロジェクト、目標、目的、マネジメント、という辺りの概念、トレーニングが日本人には決定的に不足しているようです。特に、小、中、高、大学教養過程の教育で、このようなトレーニングをほとんどせず、教えられたことを、テストで解けるという能力ばかり鍛えようとするから、このような事態になっているのかと思います。
研究はプロジェクトです。研究で成果を出す、ということは、明確に目標を設定しないと達成できません。
研究に限らず、成果を出す場合には、明確に目標を設定する必要があります。
例えば打ち合わせをしていても、打ち合わせの目標を明確に設定して行う人は、終わるときには必ず成果が出ています。しかも時間が短い。
目標を設定せずに打ち合わせを行っている人たちを多く見かけますが、「井戸端会議」に等しい。
あれだけ研究指導やゼミで何度も何度も言っても、目的、目標についてしっかりと身に付かないのだから、日本の教育も改善が必要のようです。それとも、社会に出て、プロジェクトに携わってから徐々に身につければよいのでしょうか。私にはそうは思えません。
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