細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

秋学期の講義

2019-10-21 09:41:48 | 教育のこと

頑張って準備してきたトライアスロンですが、台風19号の影響で中止になりました。残念ではありましたが、台風の甚大な被害に言葉がありません。私の知り合いでも被災した方が少なくなく、国家レベルの甚大な被害となってしまいました。

どうしてこのような状況に至ったのか。ソフト対策ばかり重視しているように見える報道が多いですが、本当に必要なのはハードの対策の強化であること、も秋学期の講義等でも日本人学生、留学生に伝えています。

この秋学期は、毎年おなじみの「土木史と文明」が始まりましたし、今年度から新たに開講した「メインテナンス工学」もすでに2回が終わりました。メインテナンス工学では、鉄道、ダム等の治水や水利の施設、港湾、道路、下水道等のオペレーションや維持管理について学びます。私の信頼する外部講師にたくさん来ていただいて、最先端の実務の情報を浴びるように聴いて、これからのメインテナンスを考えていく、という講義に設計しました。第2回目には、JR東日本の松田芳範さんに来ていただき、ご講義いただきました。





大学院の修士課程用の講義も2回が終わり、真に耐久的なコンクリート構造物を構築するとはどういうことか、を秀逸な論文や教科書、私の手持ちの情報などをフル活用して、多くの留学生たちとディスカッションしながら考えたいと思います。

また、大学院の博士課程用の講義も本日からゼミ形式でスタートし、私の勉強の足りないプレストレストコンクリート、の教科書(トロント大学のCollins教授)をテキストに、留学生たちと読み進める講義にしました。博士課程の講義はゼミ形式ですし、極論すれば何をやってもよいので、私自身が勉強したい内容で学生たちにとっても意義のあるものを題材に、今後も毎年、勉強を重ねていくことにしました。早速私も予習をしていますが、大変興味深い内容で、通勤中などに楽しく勉強しています。日常を大切に活用する、ということです。

土木史の講義は、相変わらずですが、初回は溢れかえりました。大学の中でも最大級の階段教室を使わせてもらっていますが、初回は立って聴いている人も少なくなかったです。いつもの「ケンカ戦法」で数を絞らせてもらい、二回目は何とか皆が着席しての講義となりました。

私の教える技術や、使うコンテンツも毎年多少はレベルは上がっているのでしょうか、また、台風19号の甚大な被害を目の当たりにしたこともあり、第2回目(10月15日)での重要なキーワードとしたインフラの「ストック効果」は、さっと学生たちに染み渡るように理解されたようです。例年とは比較にならない高いレベルのレポートが数多く見られました。

やはり、本当の、大切な、この国の将来をことを真剣に考える、心ある情報が示されれば、学生たちも真剣に考えるのです。そのような情報が普通には手に入らない(知れば、ごくごく簡単に手に入るのですが)のが問題なのでしょうね。

本日、10月21日の午前には、加藤学園暁秀高等学校から160名程度の高校生が大学体験で来られ、講義としては、中村文彦先生45分、細田が45分、午後に前川宏一先生の生の授業(大学2年生用)を体験聴講するとのことです。私の45分では、土木史のイントロダクションなどで使った情報も活用しますが、どのように受け止めてもらえるか、楽しみです。(私の名前の「暁」と「秀」という学校名なので、何だか親近感、愛着を勝手に感じてしまいます。。。)


教育の重要性についての私の理解は、年齢を重ねるごとに深まっていきますが、極めて重要な職業に就かせていただいていることを肝に銘じて、今日も高校1年生160名強(ついでに引率の高校の先生方も)と、大学院の博士課程の4名の授業、をしっかりやらせていただきます。

(事後報告:その様子はこちら)





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