細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

村上さんと日常

2015-08-19 19:35:41 | 趣味のこと

もりもり読書している状況ではありませんが、気張らずに夏休みらしい自分のペースでの読書を続けています。

村上さんのところ」を書店で見つけて購入しました。

私は村上春樹の大ファンですが、ファンになったのは大震災の後、と比較的新しいファンです。ファンになった後は、いくつもの長編小説、短編集、エッセー集など読み漁っています。

村上さんの「常識」が好きです。

今回の「村上さんのところ」は、メールで村上春樹に寄せられた3万を超える質問に対して、村上春樹が回答した問答を厳選したものです。「量が質に換わる」とは、私の師匠の言葉の一つですが、村上さんもこれに相当することをこの本の冒頭で述べられており、読み進めるうちに私もそれを感じました。

一般人の、あまりにも多種多岐に渡る質問、相談に、村上春樹が答えていくわけで、そこには様々な人間模様や、村上春樹の根幹も多くの場面で垣間見えます。

どんな困難な状況も、日常の淡々とした着実なリズムが凌駕する、というニュアンスの回答がありました。

健康に気を付けて、肉体の活動を主軸に据えたステディーな、リズミカルな日常を実践していると、大抵の不安や不調は去って行ってしまう、というアドバイスです。

私も心からそう思います。

また、人生に悩む相談者は多く、人生の意義を問う質問者に対し、人生など「容れもの」であって、その中の中身が重要であり、「容れもの」の意義など考える暇があったら、そこに何を入れるかを考えよう、という村上さんの回答に全く賛同です。

私が村上春樹のファンである理由は、村上さんの常識が私の考え方に非常にフィットするからなのだ、とこの本を通して改めて感じました。

8月18日からの一泊の、鴨川シーワールドと千葉の山奥での一泊の子供たちとの旅行は、大変に面白い時間で、私も人生で初めて、山ヒル(小さなやつでしたが)に血を吸われたりもしましたが、自分の日常をダイナミックに取り戻す、よい機会になりました。

今日は、私の2015年の夏休みの最終日でしたが、自宅で十分に仕事もし、昼食、夕食ともに非常に健康に気を付けた食事を作って子どもたちと食し、洗濯・掃除等にも精を出しました。 

明日からハードな仕事に復帰しますが、様々な段取りも整えたので、ひたすら日常を歩むのみです。

毎年恒例の10月からの激務の5ヵ月も近づいてきましたが、突入してしまえば日常です。 


夏休みとインフラ

2015-08-19 12:18:27 | 人生論

今年は、8日間の夏休みをとることができました。家族旅行にも行きましたが、車での移動がほとんどで、道路インフラを十分に活用させていただきました。

首都高速道路を経て、中央高速道路。とても涼しい蓼科で家族でリラックスして過ごしました。

15日には、初めて諏訪湖の花火大会にも行き、諏訪湖周辺のインフラの整備状況を考えて、花火の前後の行動も慎重に計画しました。

花火大会の最寄駅はJR東日本の上諏訪駅です。会場周辺の駐車場は午前中で一杯になるとWeb情報にあったので、車は富士見という駅の近くに置いて、電車で上諏訪へ20分ほど。往復の切符を買っておかないと帰りは大変、とのことでした。

19時からの花火でしたが、上諏訪に着いたのは13時過ぎ。会場周辺の状況を確認して、結果的にはセブンイレブンの駐車場を花火鑑賞に開放しているところで観ることにしました。一人2000円。家族で8000円。他にも選択肢はあったかもしれませんが、日差しが強烈であったこともあり、決断しました。とても、その会場で待ち続けるわけにはいかない暑さだったので、近くの日陰で、屋台の食べ物等も購入して、まったりとくつろぎました。

19時開始後の花火は圧巻。最後は全長2kmのナイアガラだそうですが、帰りの混雑はすさまじいものになるのは目に見えているので19時50分くらいで退散。幸い、駅には無混雑で到着し、すぐに来た電車で富士見駅まで座って戻れました。Web情報によると、花火が終了してから戻ると、上諏訪駅まで2時間の行列。松本駅に到着できるのは24時ごろ、だとか。

普段は5万人の人口の諏訪に、50万人もの花火の客が集まるときのインフラの貧弱さ、を身をもって経験しました。この状況で火災や自然災害等が発生したらどうなるだろう、とも想像しました。

18日からは子供二人と私とで、千葉へ一泊。鴨川シーワールドでシャチのとんでもないショーでずぶ濡れを楽しんで、山奥で一泊しました。おそらく4年半ぶりに東京湾アクアラインを通りました。非常に交通量が多く、圏央道の整備もかなり進んでおり、力強く首都圏の交通・物流を支えるアクアラインに感激しました。劣化も少し心配になりましたが。

一泊後の19日は、長女の塾が9時からあったため、千葉の山奥の宿を7時前に出発。圏央道まで30km弱、一般道を走りましたが、圏央道に到達してからは非常にスムーズで、アクアライン経由で都心にほぼ無渋滞で戻りました。羽田空港の近辺で数kmの渋滞がありましたが、交通は緩やかに流れていました。

インフラの重要性、交通・物流の重要性を、自分で高速道路等を走りながらもずっと感じていました。東京湾アクアラインは、私が大学生のころにちょうど建設中でしたが、これほど重要なインフラになるとは思ってもいませんでした。

インフラの重要性が分かる、ということは社会というものの大きさ、大切さが分かる、ということなのだろうと思います。若いころの私は、インフラに支えられる社会の大きさ、大切さが分かっていませんでした。

そして、社会を支えるという覚悟のもと、インフラの整備、維持管理に当たっている方々のご苦労、ご努力に敬意の念をいだいた夏休みでした。

かなり以前にも思いましたが、長野県の一般道の舗装はかなり質が低いように思います。いまだに、一時の県の公共投資削減の影響を引きずっているのでしょうか。