細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

平常時と非常時と

2014-10-12 09:10:18 | 職場のこと

日本に帰国して約2週間が経過しました。

いわゆる日常に戻ったわけですが、まずは私自身に求められる機能をしっかりと発揮できるためにも、自身の生活リズムを確立することに集中してきました。

人間には当然に、資源の限りがあります。体力的にも、時間的にも。それらをどのように活用するかが鍵です。

平常のように見える日常を、いかに意識高く過ごすか、が重要であることは理解しており、できうる範囲でチャレンジしていきたいと思います。

私の研究・教育活動の中では、東北の復興道路は非常時に近い状況が続いており、私もなるべく通いますし、貢献したいと思っていますし、私たちのネットワークのパフォーマンスが最大となるように、非常時的に思考し、実践しているつもりです。来週も、私自身も17~19日で復興道路の現場で実践活動を行います。チームとしては、もっと多面的に活動しており、台風でどうなるか分かりませんが、14日も小本道路の現場でのコンクリート打込みの事前検討会が学も関与する形でなされ、15日には打込みの施工状況把握もなされます。

日常的な行為の代表格である講義でも、ベストを尽くしているつもりです。教育の現場は極めて重要な現場であり、今の私で伝えられる限りのことを、学生たちに伝え、感じてもらえるよう、それぞれの瞬間でベストを尽くしています。講義終了後にはかなり疲弊します。

10日(金)はハイウェイ懇談会、という有識者会議で外環自動車道の東名JCT付近の現場を視察してきました。このNEXCO中日本のハイウェイ懇談会では、高速道路の整備状況や高速道路会社の努力について多くを学ばせていただいており、ありがたく思っています。今回は、外環自動車道の大泉と東名JCTを結ぶシールドトンネルの発進箇所となる立坑を建設する現場の視察です。その後の懇談会でも有識者(私も有識者!?の一人として参加しています)たちから発言があり、議論していましたが、レベルの高い発言が少なかったです。高い方ももちろんおられますが。私は短時間で、自分にしか話せない情報発信をしたつもりですが、主催者であるNEXCO中日本側の顔色や態度が急変したのを肌で感じました。これも、瞬間瞬間を本気で生きているか、の証左であると思うし、そのように瞬間を生きるために、日常をしっかりと生きているかが問われるのだと思っています。

締切に遅れていますが、ある原稿をこの連休中に仕上げて提出します。原稿も極めて重要で、そこに日常、議論していること、実践していることの粋を盛り込めるよう、執筆も頑張りますし、内容が充実するように日常を全力で生きていく必要があります。

平常的ではあるのですが、実は、現時点で私は家族と離れて暮らしていますし、両親の家に住みながら次の日常的な生活に向けて準備を開始しています。フランスでの一年間の生活、という非日常が実は今でも続いているのであり、人間とは、平常と非常のバランス、調和を取りながら生きていくべき存在であると思っています。

何が起こるか予想もつかないような状況の中で、可能な想定をしっかりとしつつ、連携して見かけ上の平常を生きていくしかありません。

今週末も強力な台風が我が国家の国土を襲いますが、全くの無被害ということはあり得ないと思います。少しでも被害が軽くなるよう、空振りの避難も多くなるとは思いますが、皆で意識を高く持って対応したいですね。