細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

どうすればなれる?

2007-06-22 22:48:12 | 人生論
今日は学生実験の打ち上げという名目で学生と飲みに行きました。昨日飲みすぎたので,今日は緑茶にしておきましたが。

楽しく海の幸をいただきました。

「どうやったら先生みたいになれるのか?」と学生から聞かれました。
学生からすると,私も大分遠い存在に見えるようです。私と学生の距離は大分あるようではありますが,私から見てとんでもなく遠くにおられる方はたくさんいます。
私が土木技術者として最もすごいと思うのはやはり石橋さんで,石橋さんは私からするとかなり遠いところにおられます。

あこがれのような存在の人のようになりたい,といろんな人が思うでしょうが,
あこがれているだけではどうにもなりません。具体的な方策を考えないとどうにもなりません。なるべく具体的なヒントを学生には与えているつもりです。ただ,一夜漬けでは絶対になれませんので,地道に努力を重ねるしかありません。

また,ある人にあこがれているとしても,その人と同じようにはなれません。人間はみな資質も違えば,育つ環境も違う。その人のもって生まれた資質と,環境でそれが養われていって,その人が出来上がっていきます。もし私のようになりたいとすれば,東大のコンクリート研での経験,JR東日本での経験は不可欠。あと私の資質(長所という意味ではなく,能力)も当然関与します。たくさん読書もしてるし,日記をずっと書き続けていることの効果も大きい。

私は石橋さんになりたいとは思いませんし,思ったって無理です。実構造物の設計には携われないし,ピリピリするような実務で毎日感覚を鍛えられる環境にもない。私は,これまで形成してきた自分を,磨いていくことで,ステップアップしていけばいい,と今は思っています。その際に,いろんな一流の人の考え方は大いに参考にします。もちろん石橋さんの考え方は私に多大な影響を与えています。

さあ,学生はどうすればよいでしょうか。学生は石橋さんを目指すとあまりの遠さに気絶すると思いますので,とりあえず私レベルを目指すとして,

・私はどこか別の特別の場所で修行しているわけでもなく,研究室での生活がほぼすべてです。そこに成長するヒントがすべて散らばっています。そこから自分でヒントを拾い集めてください。
・心底すごいと思う人がいれば,その人のアドバイスをきちんと聞いて「実行する」。実行しないとただのあこがれで終わる。
・自分の置かれた環境で,とりあえず全力を尽くす。社会人になったら頑張る,学生の間は遊ぶ,というような今を大事にしない考え方をやめる。そういう人はいつまで経ってもそのままです。その積み重ねでいつか経験が連鎖反応をし始めます。そこまでは我慢。
・適切な読書をする。何を読んでいいか分からなければ,尊敬する人にアドバイスをもらう。読書は必須です。
・いろんな人の意見を総合すると,日記をつけるのがよい。何も書くことがない,とすれば,それだけ日々の生活で「何も感じていない」ということです。それが分かるだけでも収穫です。

さあ,なるべく早くスタートを切ってください。私は大学3年生の後期にスタートを切ったと思っています。