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国語のおさらい:軽い訛

2024-05-23 06:29:19 | 日記
順番が逆

 毎週木曜日は国語をおさらいしています。
大相撲5月場所も終盤戦、盛り上がる土俵で今週のテーマを見つけました。
上位力士から順番に前頭、2枚目、3枚目と呼びますが、この「〇枚目」
人間を数えるのだから「〇人目」とすれば良いところを敢えて「枚」で
数えるのが不思議。
今週はこの件をおさらいします。
 自分より秀でた相手を「一枚上手」と言い表すことがあります。
相撲界で言うならば、激しい稽古の末に本場所で上位力士を破り勝ち越した。
その結果番付が上がり前の場所よりも立ち位置が上になる。
今までは自分より上位だった一枚上手の相手を追い越した。
その状況が由来になって「〇枚目」の言い方が生まれた。

 そう仮説を立ててネットで検索してみました。
するとこれは見事に的外れ。
<一枚上手の言い回しは、幕内や十両などの力士の順位を表す〇枚目に由来
している>(SPAIA より)
 先に相撲界の〇枚目が存在し、後に一般的な用語として世に広まったのが
正しい順番でした。
となると本当の語源は何処にあるのでしょう?

歌舞伎との関連

 ネットでもズバリの解答は見つかりません。
でもあれこれの情報の欠片を繋ぎ合わせると、どうやら歌舞伎の世界と関連
がありそう。
 <幕内、初日、千秋楽、向こう、など大相撲で使われる用語は歌舞伎でも
使われ、意味もほとんど同じ。
どちらも昔からある日本の娯楽と言う共通点がある。
人気の高いふたつの業界は互いに交流し影響を及ぼしたと考えられる>
(どすこいスポーツ より)
 一方が「〇枚目」を使い始めて、もう一方がその言い回しを真似る様に
なったらしいのですが、となれば先に使い始めたのはどちらなのか知りたいところ。
 答えはズバリ歌舞伎でした。

 <〇枚目の表現は歌舞伎が語源で8枚目まである。
江戸時代に人気の庶民の娯楽は芝居見物。
毎年11月に新たな座組が興行されたが、そのお披露目として一座を代表
する8人が記載された「顔見世番付」が配られ、芝居小屋には右から順番に
8人の絵が並べられた>
 これが〇枚目の語源、それぞれの順番には決まりがありました。
<1枚目は注目の主人公、2枚目は色男、3枚目は道化役、4枚目は中堅役者、
5枚目は敵役、6枚目は敵役ではあるけれど善良で憎めない人物、7枚目は
最大のライバルのラスボス、8枚目は役者ではなく座長>(テンミネッツTV より)
 評判となったこの定型が相撲界に伝わって、番付の順位が〇枚目になったのでした。

 ふと思いついた言い回しが「いっちょまい」
いっちょまいのことを言いやがって、等と使いますがこの「まい」も歌舞伎
の影響なのかと考えました。
 調べた結果はまたも的外れ。
「いっちょうまえ(一丁前)」と発音すべきところを軽く訛っていたのでした。


昭和のプロレス
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