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身近な生き物:紙面に潜む生き物

2024-07-17 06:29:49 | 日記
お堅い記事の中に

 こんな生き物がいるなんて全く知らなかった。
それは<動物プランクトンのサルパを襲い、中身をくりぬいた透明な
ゼリー状の「樽」を住処にする。
その中に産み付けた卵が孵化すると、母親は外に出てかぎの付いた爪で
樽を引いて「回し」ながら子の世話をする>(信濃毎日新聞 より)
 それが由来になって付いた名前がオオタルマワシ。
初めて聞いた名前だけれど、その前に出て来たサルパも全く知らない相手。
 広い世界にはまだまだ聞いたことの無い生き物がいっぱいいるな、そう
感心して終わっても良い話ですが、ちょっと気になるのはその名を知った過程。
地元紙にあった記事からの抜粋ですが、載っていた場所はありがちな文化面
じゃなくてなんと2面。
 普段ならば世界情勢を語る「今日の視角」でオオタルマワシとサルパを
見つけたのです。
お堅い記事が並ぶ紙面に似つかわしくないふたつの生き物。
何とも気になるじゃないですか。

 先ずは形の確認から。
ネットで画像を探すと予想外の姿をしたオオタルマワシが現れました。
半透明の体は大きな頭と細長い胴体、そこに貧弱な手足が付いていて手の
先には鋭い爪。
まるで映画に出てくるエイリアンです。
 <小さな甲殻類で水深300~600m付近にいて、昼間は海面近くに
浮上する。
通常はオスが8~10mm、雌が16~40mmだが、大きなものでは
42mmの記録もある>(Wikipedia より)
 <幼体は樽の一部を餌として食べる。親が狩りをしてサルパなどを樽の
中に引き入れて食べさせることもある>(アンサー より)
 オオタルマワシに近い種類は世界に11種、日本の海では7種類が確認
されているそうで。

半透明の姿

 一方のサルパの画像、こちらも半透明で触手の無い筒型のクラゲみたいな姿。
<クラゲに似ているがホヤの仲間。
樽型で数cmのものから最大で30cmにもなるオオサルパなど64種が確認
されている。
中枢神経が発達しておらず脳も無い。
プランクトンを海水ごと吸い込んでろ過して食べる。
海水を排出して推進力を得る>(kurashi-no より)
 そのサルパの中でくつろぐオオタルマワシの姿は、共に半透明なので
まるで体の一部の様。
最初からその姿で生まれて来たかと思えるほどです。

 ところでこの生き物達が場違いな紙面に載っていた理由は「今日の視角」
の最終段にありました。
 <サルパが豊富でオオタルマワシが生息する生態系を目指せば、生物多様性
の保全と気候変動緩和の両方に貢献することになる>(信濃毎日新聞 より)
 お堅い記事ばかりの新聞2面に、地球環境の指標になる生き物がふたつも
潜んでいるなんて。
まさかの話でした。
コメント
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