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進化する魂

フリートーク
AKB48が中心。
気の赴くままに妄想をフル活用して語ります。

「話せば分かる」は通じない

2010-01-28 19:33:25 | 政治
政治家の進退(河野太郎)
http://www.taro.org/2010/01/post-704.php


1月に党本部が行った愛知県の世論調査で、浅野勝人参議院議員は民主党の現職他を抑えて、トップに立った。それを見て、今年72歳になる浅野さんは立候補しないことを表明した。

「世論調査でトップなのになぜ辞めるのですか」とたずねる新聞記者に「君も71歳になればわかるよ」と答えた。


話の事実関係はわからないけれど、ちょっとカッコいい話に思えた。

でも、↓こんなことをいつまでも言っているようでは物足りない。


こういう人がいるかと思えば、古い自民党の真ん中にずっと座っていながら、まだしがみつこうとする人もいる。


自民党の中堅・若手の改革派には少し想像力が足りない。
まず、老齢の政治家が政治家であることにこだわるのは必ずしも利権が美味しいからではない。
そういう人も中にはいると思うけど、それでも散々批判されてまでやる合理的理由にならない。
そんなに批判が立ってしまったら選挙に負けてしまう可能性が高くなってしまう。
歳をとってまで政治家にこだわる理由は他にあるのではないか。

なぜその人達は政治家という仕事にこだわるのか?
そういうことに想像力を働かせてみよう。
「なぜ、彼らはそう思うのか?」という問いに答えようとすることは、どんな世界においても我々に「より本質的な理解」という素敵な贈り物を与えてくれる。

個人的な回答をここで紹介しよう。

彼らがこだわっているのは「政治家」という仕事ではなく「人間関係」という情緒的なものだ。
「憎いあいつにいい想いをさせたくない」「俺がいなくなるとあいつが困る」「あいつのやり方は目に余る」「これを許せば悪になる」などなど・・
彼らは全く合理的ではなく、情緒的な判断をしている。
だから「合理的でない」と批判しても意味が無い。
彼らは理ではなく情に流されているのだから。

でもこれは、日本的組織において往々にして行われている判断で、決して他人事ではない。
これを読むあなたも常日頃、日本人であればこういう場面に直面しているはずだ。

例えば、太平洋戦争において全く非合理的な戦略が採用され続けたのは、合理的判断を促す意見をことごとく無視した情だ。
日本人は太平洋戦争当時の軍人は無能だったような印象を持っているかもしれないが、内実を覗いてみると意外に合理的な議論も行われていた。
海軍の軍令部にしても陸軍の参謀本部にしても参謀にはそれなりのエリートが揃っており、それなりに合理的な面子がそろっていた。
それが最終的に情緒的判断になってしまうのは、組織的判断を行うにあたって最も優先される事項が「人間関係」だからであって、その議論に参加している人間が非合理的だからということではない。
「あいつがそこまでいうなら・・」「絶対に間違っているけど上がああいうから・・」「あの人の信念だから仕方ない・・」「あいつに死に花を咲かせてやりたい・・」「名誉挽回の機会を与えてやりたい・・」「あいつはわかってくれる・・」「わかってくれると思う・・」などなど、こういう言葉をあなたは聞きはしないだろうか。


なぜ日本的組織においては理よりも情が判断基準となるのか、それは後日。

情に流されてる人間を理で解こうとするのはとても男性的発想だ。
人々が理屈だけで物事を理解してくれるなら誰も苦労しない。
時に人は情を優先することがある。
犬養毅でないが「話せば分かる」は通じないのだ。(失礼)
情を相手にどう対応すべきか。
このあたりについてもっと想像力を働かせてくれまいか。

とても国際性豊かな河野氏なので、このあたりの日本的やり方は好きではないのかもしれないが。

973兆円の重みがわからない

2010-01-28 16:30:03 | 経済
近年、日本の借金が膨張している問題が注目されているが、借金の額だけを出されても数字が大きすぎていまいちピンと来ない。
それに、例えば同じ100万円の借金をするにしても、年収100万円の人と年収1000万円の人では額が同じでも重みが違う。
アメリカのオバマ政権が積み上げている借金は半端な額ではないが、アメリカと日本では経済規模が違うので数値だけで単純比較はできない。
借金の額が大きくても、経済力がそれに応じて大きければ問題ないのである。
(収入でなくても資産を持っていれば問題ない。これは後述。)

では、日本の経済規模(GDP)に比べて日本の借金がどの程度なのか、1800年代後半からの推移をグラフにしたものが東大の岩本氏のブログに掲載されているので紹介しよう。
(以前も騒がれたが今回2010年度のデータ分がUpdateされた。)
日本の借金は、歴史的にみてどのくらいの規模なのか。
(これは必読!是非リンク先へアクセスしてください。)

国の借金973兆円 (岩本康志)
http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/32078272.html


2010年度の名目GDPは,1月22日に閣議決定された「経済見通しと経済財政運営の基本的態度」によると,475.2兆円。対GDP比は205%になる。第二次大戦期のピークは1944年度の199%なので,それを超える。


環境が違うとはいえ、今の日本の借金は太平洋戦争末期の1944年と同レベルである。
岩本氏の計算によれば、2010年度にはついにそれを超えてしまうようだ。
このグラフと話だけ見ると、絶望的な数字に見えてくる。
ちなみにこの数字は先進国最悪の数字だ。
状況としては、「今まさに戦時中」である。
当然ながら、様々な機関が日本の財政赤字に対して警鐘を鳴らしている。


「この赤字は消費税を数十%上げないと解決できない。」類の提言をいつも見る。

にも関わらず、なぜかこの財政危機説についてあまり騒がれていない。
本来ならもっと注目されていいはずである。

これには幾つかの理由が考えられているが、専門家の間でも意見が割れていることが大きな要因であろう。

世の中には「財政赤字フィクション派」という人達がいて、日本は借金も大きいが資産も大きいので差し引きすると、それほど絶望的な借金額ではないと主張しているのだ。
(実際に計算してみた高橋洋一氏が言うのだからある程度信憑性はあるのだろう。)
彼らによれば、財政危機説を裏で操っているのは財務省だという。
国の財布を預かる財務省には、財政の健全化を至上命題とする「増税バイアス」が働いており、増税する機会を常に狙っているというのだ。
政府の規模を際限なく大きくしていくのではなく(増税ではなく)、経済成長による税収アップで増税を回避すべきだという意見は、ある程度説得的でもある。
(これは小泉・竹中改革路線でもある。今なら「上げ潮派」と呼ばれる人達の考え方だ。)

しかし、これに対する批判も当然ながらある。
借金の額が低い経済成長率による税収アップでは取り返せない水域に達していることや、少子高齢化の日本では政府支出は増加する一方、経済が大きく成長する期待が持てないため、大幅な増税しか方法がないということがある。

借金(国債発行)がどこまで可能かという問題ももちろんある。
財政危機説をとなえる人達は、もうすぐ限界がくると主張している。
国債が暴落する可能性があり、暴落した場合、日銀が国債を買え支えると思われるわけだが、その副作用で貨幣の価値が暴落し、ハイパーインフレが起きるというのだ。
ハイパーインフレで借金が無効化される代わりに日本に眠る貯蓄は全て吹っ飛ぶ。
紙幣は紙切れになるし、せっかく溜め込んだ残高は気づいたら無意味になる。
わかりやすくいえばジンバブエになると思えばいいだろう。
実際、戦後の日本ではハイパーインフレで借金を棒引きしたわけである。
(グラフで戦後急降下しているのはそれが原因)
(今が戦時なら、もうすぐ戦後か。)

国債が暴落するかどうかについても意見が分かれている。

TVによく出てくる元ミスター円こと榊原氏なんかはまだ借金できるから国債発行して不景気を乗り切れと主張しているし、その一方で多くの経済学者はいつ国債が暴落するか戦々恐々としている。

ちょっと難しいのだが、下記のブログで長期金利の上昇がどのように起きるか説明されている。

信用とデュレーション - 長期金利はどのように上昇するか(投資の消費性)
http://d.hatena.ne.jp/equilibrista/20100127/p1


いやね、自国の国債が安全だと言われてるのは合ってますよ。でもね買い支えろとは、少なくともBISには言われていない。年金や保険も、自国の国債が無難だよねとは言われているが、買い支えるべしとは誰も*4言っていない。彼らが守るべきは第一に、預金者の、保険加入者の、年金加入者の、財産だからだ。国債を売ったお金はどうするの?と思われるかもしれない。だって株買ったり、外国に投資したりすると、怒られたり、面倒な説明が必要だったり、ペナルティを喰らったりするもの。ええ、もちろんまた国債を買うんですよ。でもね、違うんだな。より償還が近い国債を買うんです。返済までの長さが短いものを。こういう動きを「デュレーションの短期化」と呼ぶ。

なぜすぐに償還される債券を買うのかといえば、より長いものと比べて、発行体の「信用」が毀損されることの影響を、あまり受けないから。だってそうでしょ。明日返してもらえる借金の値段は、5年後の財政が危ういからといって、それほど劇的には下がらない。そして皆がこうした行動を起こすと、より長期の金利から水準が上昇してくる。イールドカーブが立ってくるのだ。これは本当に怖い。

[中略]

原口大臣は年金運用を改革すると意気込んでいるし、第一生命は株式会社になるらしい。大口の投資家が、今よりも資産の評価に敏感になる*5とき、より信用の毀損を気にするとき、横並びの大好きな連中が一斉に短期化に走ったとしても、まったく不思議とは言えない。財務省が主催している国債投資家懇談会を、覗き見してみよう。その大口の投資家の方々が、我々の代理人が、あまりにもイノセントなことに僕だって驚く。一方で、あまり大きく報道されていないが、国債全体のデュレーションは、しれっと長期化されてきている。そう、財務省はわかっているのだ。いまのうちだ。

借金して無駄遣いするのはやめよう。景気は決してよくない。悪い金利上昇は、勘弁して下さい。


長期金利がジワジワと上がりはじめて、ある臨界点を超えるとリーマンショックの時に見られたように、突如として全員が売りに走ってジ・エンドである。
それが何時来るかは誰にもわからない。
来るかわかった時がその時。
「信用」っていうのはそういうものなのである。
バブルも同じ。
ファンダメンタルズはあまり関係ない。

だから専門家の間で意見が分かれて、一般に危機感が薄いのは、本当のところは誰にもわからないからなのではなかろうか。
事後的に「予言した専門家」などと騒がれるかもしれないが、実際のところどうなるかわかっていないのだ。
むしろどうなるかわかりたくないのかもしれないけど・・。
まずはブラック・スワンを読み返そう。

[ネタ] 日本刀の切れ味はいかほど

2010-01-28 12:01:47 | TV・書籍
全部読むのには疲れたが普通に面白かった。
「刀鍛冶」という馴染みのない世界の話なのにひきつけられた。
「日本刀」を直接触ったことも見たことない人が多いはずだが、「日本刀」は日本人の生活の中に溶け込んでいる文化的象徴のような気がする。
(ほんとかよ・・)

ほんと大衆にはなれないマイノリティーなインサイダー情報が手に入るのもネットのいいところだよね。
ロングテールか。

特に個人的に興味深かったのは、日本刀の切れ味。
私も俗説「日本刀を用いて切れるのは精々5人まで」に洗脳されていた輩なのだが、実際にはそんなことはないらしい。
しかも戦場では、敵は甲冑を着ているため、狙う箇所は喉下を突くそうだ。
20人は倒せるとか。


調査研究によると、戦国時代なんかの情報を調べると「映画や時代劇のように戦場で刀で切りあうことはほとんどなかった。」とか。
戦場における死傷者の原因は、飛び道具の弓矢、つづいて槍、最後が刀だそうだ。
刀は相手の首を切るためのものだとか。
考えてみれば当たり前で、敵と近接して刀で戦うというのは最もリスクが高くなるので、その必要性に迫られない限り合理的理由はない。
(弾薬や弓が尽き果てたとかね。)
やっぱり、肉弾戦は恐いよ。。

そして現代の刀鍛冶の技術は江戸時代のそれに遠く及ばないということも面白い。
(実践を前提としないのだから当たり前なのだが・・)

元刀匠(刀鍛冶)だけど質問ある?(社会生活VIP)
http://minisoku.blog97.fc2.com/blog-entry-888.html