粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

この人、自民党議員?

2014-04-11 21:02:25 | 国内政治

村上誠一郎衆議院議員61歳、当選9回のベテラン自民党議員である。この議員が集団的自衛権行使容認を進める安倍首相に対して、その政治姿勢を厳しく批判した。ナチス政権が全権委任法によりワイマール憲法を形骸化させた歴史を引き合いに「同じ愚を繰り返す危険性がある」と指摘した。あるいは「政治家が守らなければいけない三権分立や立憲主義の基本を無視し、壊す危険性がある。もはやファシズムの危機だ」と非難した。(産経記事)

どうも最近は安部政権に対してファッズムやナチスといった究極の用語を駆使して攻撃するのが流行のようだ。しかし、野党や在野の左翼勢力が使うのならまだしも、身内の自民党議員が敢えてこんな過激な発言をするのは異常である。しかも典型的な左翼雑誌「世界」のインタビューでの発言とあっては反党行為と批判されても仕方がない。

まるで社民党や共産党の議員のように思えてくる。こうした発言が自民党で許されるなら、公明党が集団的自衛権の行使容認に否定的なのは当然とさえいえる。おそらく、この議員は自民党でも閑職に留まっていて「窓際」の人物なのであろう。その存在感のなさのなせる業といえるかもしれない。

以前衛藤 晟一総理大臣補佐官が「首相の靖国参拝に失望を表明したアメリカ政府に失望した」と動画で発信して大問題になり、菅官房長官が火消しに苦労したことがあった。しかし今回はたいした「問題発言」にもならず波紋もなく消え去った。安部政権としてもこんな身内の些細な反目に拘っている暇がないのだろう。

ただ安部政権を支えるべき自民党内にも首相が掲げる戦後レジームからの脱却に抵抗する勢力が根強く存在することが露呈した。村上議員のナチス発言は論外としても安倍首相が進める政策に明らかに反対している勢力は想像以上にありそうだ。

確かに政党といっても、党員の思想信条が同じということはありえない。自民党内には保守派もいれば、多少のリベラ派もいるだろう。公明党や共産党のように金太郎飴のようにどの議員も同じ政治観なのは気持ち悪いし恐ろしくもある。

ただ、やはり同じ党員である以上、その「ぶれ」にもある程度範囲内であるべきだ。一人の議員の発言が反対勢力の党、メディアを利するばかりか格好の攻撃材料になってしまうことには強い不信感を覚える。

ところで最近は政党の垣根を越えて、今や戦後レジームに対して脱却を目指す勢力とこれを死守しようとする勢力との確執が表面化しているような印象がある。今後それがより鮮明になっていく感じがする。この深刻な対立が武器を使わない現代的内戦に発展する危険性をはらんでいる。これを近隣の反日国が手ぐすねひいて待ち構えている。日本政治の確かなソフトランディングが望まれる。