粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

国連科学委員会の報告

2014-04-03 14:23:59 | 反原発反日メディア

やっぱりというのが正直な感想だ。東京電力福島第一原子力発電所の事故による被曝の影響について、「福島でのがんの増加は予想されない」と国連科学委員会が結論づけたのだ。

これは大ニュースといってよいはずなのに、不思議というか日本のメディアがあまり大きく取りあげない。申し訳程度の「ベタ記事」になっている。昨年の夏にも すでに国連科学委員会がほぼ同様の報告をしていたが、当時はまだ中途中報告の段階であった。しかし、今回は「結論」であり、意味合いは大分違う。

NHKの報道を引用する。

放射線の影響に関する国連の科学委員会は2日、世界の80人を超える専門家が福島第一原発の事故による被ばくの状況やその影響を分析した結果をまとめた報告書を発表しました。
それによりますと、これまでのところ事故による被ばくの影響で死亡したり、深刻な病気になったりした事案は報告されていないとしています。
そのうえで、今後のがんの発生率に明確な変化があらわれ、被ばくによるがんが増加することは予想されないと結論づけています。
ただ放射性物質の影響を受けやすいとされる子どもたちについては、甲状腺がんのリスクが増加する可能性が理論的にはあり得るとして、その危険性は高くないものの今後の状況を見守る必要があるとしています。
また、福島第一原発の作業員についても、被ばくに関する調査の開始が大幅に遅れたために事故の初期段階での被ばく量が不明確だともしており、日本側に適切な対応を求めています。

事故の影響をほぼ否定している。ただ控え目に「子どもの甲状腺がんのリスクが増加すする可能性が理論的にはあり得る」と記しているが、さほど危険だと警告しているわけではない。あるいは決して科学委員会の言い逃れとはいえない。専門家の調査にたいする謙虚さと評価すべきだ。気を抜かずに注意した方がいいという忠告とも解釈できる。

子どもの甲状腺がんはチェルノブイリ事故の場合4、5年後になってその影響が現れたことを考慮すると、福島の事故でもあと1、2年注意する必要はある。自分自身日本ではチェルノブイリのような状況にはならないと信じているが、その後様子を見守る謙虚さはもちたいと思う。

どこかのテレビ局の「報道」番組のようにやたらと事故と結びつけて不安を煽るようなことはあってはならない。この番組は今回の報告に対してまるでなかったように無視を決め込んでいる。しかし良識ある日本人は、国連の科学委員会の報告を前向きにプラス要因としてとらえているにちがいない