球体

金曜21時から始まった作業は
数々の困難を克服しつつ、続行中。

意図に反して集められた悲劇な８人のエンジニアは
いつ終わるかわからないジョブに動揺しながらも

家に帰ることも
大胆に仮眠をとることも
外で時間をつぶすことも
満足に食事することもできず

まるで映画「CUBE」の立方体に閉じ込められた脱出劇。

変な一体感と無駄な焦燥感。

そろそろ26時間ほど起きてることになるあたしは
左脳から脳味噌を半分垂れ流しつつ

ただ待機してるしかない時間に
ともすればスリープ状態に入ろうとする寸前の思考力を省エネ稼動しながら
今夜３冊目の本を読み終わりつつある。

土曜の午前中に作業が終われば
人生初のバドミントン個人戦、自力で１部出場する夢が叶うところだったけれど

もう土曜日も終わりかけた今、
そんな儚い夢はもはや見ていたのかどうかさえ曖昧で朦朧。

それでも何とか作業は終焉を迎える直前まで来ている。

すでに４人のエンジニアはこの苦境を脱出して
24時間以上ぶりの睡眠に布団の前で舌嘗めずりしてるのだろう。

あたしは下がることしか知らない上瞼を
最後の気力を振り絞って現状維持したまま

気付くと閉じたノートPCの上を涎で潤してる。

あたしたちははたして、
今夜中に４人揃ってCUBEの外に出られるのだろうか。

CUBE４まで続く・・・