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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【2021'4航海目】!

2021年09月18日 | モバイル
9月10日・10時30分 花咲出港!
チェックポイント経由、公海向け…!
チェックポイント通過時・公海までの領海内航走時も、
ロシア側との応答が昨年までとは異なり、いろんな制約ができた今期…
9月1日から操業許可のロシア領海内海区では、まだ操業船はいないようだ…

11日・15時30分S/B。
雨の公海 漁灯を拡げ東へ…。
日没から調査しながら更に沖へ…!
大型船解禁から約3週間、今年の公海洋上は雨が多く、風も伴い
なかなかサンマ漁日和には恵まれない…

…次第に南東からの風が強まり、豪雨も伴って時化海となった…。
低調な漁模様に海況悪が追い討ちをかける…!

調査しながら北東よりに…

気象図を見ると、どうやらこの航海は連日の時化が予想され、更に台風も懸念される…
今期の公海は漁を行う上での条件が昨年より悪いかもしれない…。

漁模様が悪く、長くなる調査航走時間…

ライト当直以外の時間の使い方は各自千差万別…
「良い時間の過ごし方をしているなぁ」と感心できる人もいるが…

二人の若人達の乗船によって新鮮さが加わった船内であるが、船上での団体生活は小さな社会であり、良い船内環境は大切だ…

ただ、新人が加わった事で態度に緩慢さが見うけられる人間もでてくる…

船上生活には船内ルールがあり、小さなルールも存在しているし、指揮系統がある事も忘れてはならない。
「鶴の一声」だけが指揮ではないのだ…

成人過ぎの大人達の集まりであるから、価値観の違い・思想の違いは当然ある!

それでも指示された事はやる!
過去の指示であっても…

同じ事を何度も云いたくはない…!

指示された事しか出来ないようではダメだし、やって当たり前の事を確実にやる事が、いかに大切であるかは各自、心の片隅に留めておかなければならない!

…初心忘れるべからず…!

基本的に各人の気持ちの持ちようで、教わって変わるものではないのだけど…

グローバルに視ると宗教の違い・環境の違いが根強い所に紛争がある…。
それと似ているのかもしれない!

船内では、指摘される方は勘違いしてはいけない、ここは職場だ!
自宅でも学校でも講習会場でもない…!
自らが職業に漁船を選んだ男達の仕事場だ…!
最低限の緊張感は持って然るべしだし、
ある程度の抑止力も必要不可欠なのだ…!

どうも統制が執れない…
イズムの違いなのか…
不愉快きわまりない…。

指示する方も考えている、無理な事・出来ない事を無理強いする事はないのだ。

…11日は時化で調査航走のみ…
夜明けより漂泊。

12日・前夜よりは波・風共に若干よくはなったが、凪が悪く僅かな漁獲で夜明けをむかえ漂泊。

13日・昼頃から南風が強まり、波も高くなった事から南下…
時化交わしであるが、夕刻から大時化となり 支え…

大時化は14日も続き 支え…
洋上での時化交わし・支えは久々だった…!

15日夜明けより北上、まだうねりが残って船は揺れに揺れる…!

多くの外国籍船団と共にサンマを追うも、僅かな漁獲で夜明けより漂泊。

16日16時・S/B。
日没前から漁撈長の操船が賑やかで荒い…!

日没と共に操業開始、サンマは跳ねるが、群れず…

薄群れを回数操業…
時折、やや纏まった漁獲もあったが、また海況悪となるようで夜明けより帰途航走、花咲向け。

外国籍船団の多くがパラシュートアンカーを投入している…。

思えば、比較的海況に恵まれた昨年の公海だが
今年は時期的に海況悪が早い…

航海日数もサンマ漁にしては想定外に長くなるかもしれない…

今後の漁がどのように展開されていくのかは、神のみぞ知る事だが
海況に左右されそうで、凪の日和見が漁に直結する。
凪間の漁模様好転に期待したい…。

船は18日19時30分・チェックポイント通過
22時頃、花咲入港予定。