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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【2021'2航海目】!

2021年09月03日 | モバイル
28日 10時・花咲出港、公海向け…!
今期 本船には24歳と21歳のフレッシュな若人が乗船し、船内の環境が新鮮になった。
一人はサンマ漁の経験者、もう一人は漁師経験のない新人である…。
どちらも機関部ではないのが残念ではあるが…

近年のサンマ漁大型船は、日本の沿岸にサンマの回遊が少なくなっている事から
沖よりの公海に漁場を求めるも、資源量の減少(サンマの個体数の激減)それに伴い航海が長くなり、調査海区に入ってサンマを探す調査航走時間も増えている…!
しかしそれは若人達にとっては、いろんな仕事や技術を身に付けるチャンスタイムになる。
良い見本の方々が乗船しているので、見よう見まねから理解を重ねて漁師経験を積んでいく事を期待したい…。

公海の漁模様はまだまだ低調で東経156°のラインから沖よりに調査開始。
160°のライン付近の海区には外国籍船団が集中しており
前航海はその海区で調査・操業も、群れはなかった。
主だった低海水温域の分布が緩かに推移していたが
30日頃から変化の兆しが見えた…
156°~157°にかけて低海水温域が南東側に張り出しを強めた…
目視できるサンマの個体数が少しずつ群れるように跳ねるのが確認できるようになった。
低調な漁模様の中でも、ほんのやや纏まった群れを数回操業…
年々サンマの漁獲は難しくなっている…

「沖のサンマはある程度条件が揃わないと獲れない」
以前お世話になった漁撈長が語ったのを今でも憶えている…

早くも暦は9月をむかえ、例によって私のルーティン
機関室内の時計を全て揃え合わせた。

9月1日・16時S/B。
日暮れから風が強まり波も高くなった…
サンマは見えず、西よりに調査…
更に風が強くなり日付けの変わる頃、漁灯を仕舞い帰途航走
花咲向けも、9月1からロシア海区内の操業が許可されたがそれに伴い、厳しく取り締まるとの通達もある…

はたしてロシア領海内にサンマは回遊しているのか…?

サンマの不漁は我々には厳しいリアルであり、年々リスクも大きい…!

僚船のエンジントラブルが聞こえてきた…

早く明るい投稿ができるような漁模様に期待したい…。

9月3日朝5時、ロシアチェックポイント通過
7時頃の入港予定。

画像は、長崎県の最新鋭サンマ大型船
第八太喜丸