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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【20航海目】!

2020年12月01日 | モバイル
11月27日 朝08時15分・女川出港、凪良く漁場向け!

11月も下旬だと云うのに漁場は三陸の沖より…

例年であれば、この時期は沖よりには行けない…
時化に阻まれるのだ。

今期は凪に恵まれているのかもしれない…
時期的な季節風はやむを得ないとしても…。

19時・S/B。
凛とした空気の海上、本格的な寒さが訪れた…。

いよいよライト当直の方々は衣替え、冬の装い防寒仕様…!

寒さが身に凍みる甲板上…
上部機関室にいても寒さを感じる程…。

20時過ぎから薄群れを数回操業した後、調査航走が続いた…

日付けが変わる頃から雨がパラつき、北東からの風が吹き始めた!

次第に雨・風 共に強まり時化海に…

僅かな漁獲で夜明けより微速で公海向け…!

28日はS/Bなし、向かい風強く、時に支えながら北東へ…

29日朝、航走ストップ漂泊…。

昼に起きて機関室に向かう途中外を観る…
「天使の梯子」と云うのを聞いた事があるが、
実際どういうのかわからないので、らしきのを撮ってみた…
「天使の梯子・ver海」







ノートPCに移して見たら びっくり なんと天使がこっちを見て微笑んでくれていた…!

天使と云えば、漁後の楽しみである初孫との対面は、
世の中コロナの第3波で大変になってきており、会いに行けるのか心配でもある…!

14時30分・S/B。
まだうねりが残る公海、外気温度が低く震える寒さ…!

外国籍の赤い船団も少なくはなったが未だ奮闘中のようである。

船の周りにサンマが集まった数回目の操業中に、
フィッシュポンプが吸わなくなってしまい
船上のスピーカー越しに荒ぶる声が響き渡る…
甲板上は一気に慌ただしさを増した!

開けてみると逆止弁以外にもサンマがびっしり詰まってしまっていた…
滅多にないのだが……

急を要する作業に寒さも忘れ、気が付けばうねりも低くなっていた…。

サンマが見えた時にかぎってトラぶる…

きっと海の神様のいたずらだな…。
いや、海の天使のいたずらか…?

風もうねりも弱まったが一時的だった…
ポツリポツリと降り始めた冷たい雨が、次第に激しさを増し、遂には豪雨に…
豪雨の後には季節風が…

夜明けを待たず、漁灯を仕舞い西よりに航走、強まった季節風を向かい風で…

微速を余儀なく、時に支えながら…
凪間 数時間の操業・時化海の航海…
今期のサンマ漁は序盤から終盤まで例年とは大きく異なる…
不漁を象徴するように…!

30日、15時・S/B。
季節風は若干弱まったものの空色は冴えず…

南西よりの針路、風に乗る波飛沫が降り注ぎ、額が痛い…!

日没後数回操業し、20時頃から再度南西よりに調査航走…。

満月の月明かりに見る季節風による風波が、海面に白く条を描く…

日付けが変わり暦を捲る…
暦は残り1枚、ついに12月 師走…

月末締め燃料消費の計算中にS/Bベルが鳴った…

漁灯を仕舞い、帰途航走女川向け…。
季節風による風と波に追われた格好だ…。

帰途航中季節風強く、微速を余儀なく…
12月1日・22時頃の入港予定!