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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【10航海目】!

2022年10月21日 | モバイル

10月17日、朝7時・女川入港水揚げ!
水揚げの傍ら主機が冷めるのを待って点検。

特に異常は診られず、異音と白煙の原因は特定出来なかった…
主機メーカーの見解は燃料ポンププランジャの一時的なスティックか…?
一時的な症状の後は普段の運転状況だった事と
燃料ポンプの分解整備には時間を要する為、一応症状があった気筒の燃料弁を交換
出港する事とし、10時・女川出港、再度所用で気仙沼に迴港
13時・気仙沼出港、Co70° 凪良く公海向け!

体調管理も仕事のうちだが、体調を崩すと時々歯茎が腫れて痛む事があり、
歯科にも通っているのだが、痛みはじめたらすぐに腫れ、その腫れが大きくなる…
船の上ではどこが痛くても大変なので、処方薬は持ってきているが
今回は結構酷く、眠れない時間が長い…。

夜半から北風が強まり、船は大きなローリングを繰り返す…
歯茎の痛みと、大きく揺れる船…
航海当直が終わって寝台に入っても眠れない…………。

18日・15時30分、S/B。
北風は弱まるもまだうねりは残った。

中型船が多い…
外国籍船は10数隻と少ない。

相変わらず群れは薄く漁模様も低調だ…。
時折冷たい雨が降ったり止んだり…
季節感は秋を通り越したような公海漁場…
これから一雨毎に冬が近づく。

夜明け前から北西の風が強まって、うねりも高まり白波が船首を叩く…

夜が明けて漂泊、機関部は1時間程メンテナンス作業。
この機会をメンテナンスにあてれた事で、後しばらくはトラブルのない限り安堵だ…。

19日・15時30分、S/B。
西風となって、朝よりは海が良くなった…。

連日、S/B前に今夜こそはと思いながら各艙を保冷しているのだが
サンマは見えず…
漁模様は低調だ…

西風は強まったり弱まったりを繰り返し、時折降る冷たい雨が季節の頁を捲る…。
暦は早10月も下旬となる…!

広範囲に調査もサンマは見えず…

夜明け前の若干風が弱まった時、やや灯付きが良い薄群れを操業し
夜明けより漂泊。
時期的に夜明けがどんどん遅くなり、これからサンマ漁は長い夜となっていく!

20日・15時30分、S/B 。
その日の用意・準備を全員で行うS/B の他に、
自分の仕事のS/B があり、航海中以外の漂泊時や停泊時、
自分自身で自分の作業開始時間をあらかじめ設定している。
この日は二度寝で寝坊してしまった…
そういう時は保冷する艙の順番と保冷時間を変更して、全員でのS/B に合わせる。
あまり寝坊する事はないのだが、最近歯茎が腫れて眠れない時を過ごしていて
時計の見間違えでの二度寝だった…

北西の風が強い…

日暮れから調査もサンマは見えず…
調査航走が続く!

公海の西側、日本の領海ラインに近い海区が現在の操業ポイント
外国籍船の漁り火は見えない…!
操業しては調査航走と云うパターン、船は激しい揺れが続く。

沿岸域に回遊してきていた頃とはサンマの漁形態の多くが様変わり…
稀だった時化海での操業も多くなり、各漁撈機械や漁具への負荷が
大きくなっている事は、漁後の整備に反映させなければならない!
これは漁中であっても、来期の為に記憶し、忘れたり無視してはいけない…!
漁撈機械への負荷は一見目に見えない…
人間は疲れたと言うが、機械は疲れたとは言わない…!
我々、使用者達は気を配る必要があるのだ。
運転・起動時間にも内容が伴っている…!
来期の漁の為にも、その使用状況は記しておく必要がある!

時化模様の中、僅かな漁獲で夜が明けて 北上帰途航走。
21日・22時頃の花咲入港予定!