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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【秋刀魚漁・6 航海目】!

2012年09月10日 | モバイル

宮古港での豪雨の中での水揚げ・氷積みの後、12時15分宮古出港!

風はさほど強くはないが、うねりが高く、減速して北上!

6日11時、各船の操業ポイント着、漂泊。

15時S/B、空模様が悪く、うねりも高い…

日没の調査開始から雨が降りだした…!

操業中、止んだかと思えば一気に豪雨になったり…

21時頃、雨が止み、うねりも落ち着いてきたが、今度は濃霧…

南南東からの湿った風で湿度もかなり高く、

なんとも嫌な気象コンディション…!

連夜続く濃霧で各船の動きは目視出来ない…

左舷のライトは船長担当、右舷のライトを私が担当しており、

右舷側船橋の窓からはソナーのモニターが見えずに残念ですが

魚探・レーダー・プロッターは確認できる 。

濃霧の中、レーダーに映る船影の多くは4哩圏内、自船も他船も要注意である!

そんな中、各船と共に調査・薄群操業を夜明けまで…

朝より漂泊し、7日13時頃から漁労長による水温調査が始まった!

しかし、なかなか航走を止めない…

適水温が無くなり、秋刀魚の反応もなくなってしまった…

船も僚船2隻しか残っておらず、

P1090671

日暮れからは僚船と共に北西側に移動。

他船団の船が操業しているポイント向け…

22時、ポイント到着も、あまり漁模様は良くないよう…

西側へ20哩程移動後夜明けまで薄群れを操業して漂泊…

8日午後、漁労長による水温調査が始まった…

日暮れ前に航走ストップ

船橋に行き、ソナーのモニターを覗くと、小さい反応が点在していた。

日暮れ前には太陽が見えており、凪も良く、天気も良かったのですが

日没と同時に例によって濃霧に…

日没後のまだ薄明るい黄昏時、漁灯の下には、ゆったりと泳ぐ秋刀魚の群れ。

18時操業開始!

揚網、船体左舷中央付近から拡げた大笠の先のLED 漁灯(赤灯)に切り替えると

久々に、海面を持ち上げるように秋刀魚が銀鱗を耀かせながら飛び跳ねた!

大群操業…!

魚体組成も良い!

乗組員各々が各持ち場で慌ただしく、かつ正確に漁労機械を操作し、

声を掛け合いながら網を引く…

3回程の連続操業で反応も薄くなり、付近を微速で大きく旋回し、

ライトで集め再度網を入れたが、秋刀魚が群れなくなり、南西側に調査…

濃霧の中、海面を照らすライトの光の先に

微かに銀色に光りながら跳ねる秋刀魚…!

船を群れにのせ、勢いよく後進させると

船のスクリューによってできる

小さな泡の塊によって海面が白くなる…

そこに勢いよく秋刀魚が集まり、

瞬く間に船の周り、漁灯の下を忙しく泳ぐ秋刀魚…!

日暮れ時に船の周りをゆったりと泳いでいた秋刀魚とは動きがまるで異なる…

再度、大群操業!

纏まった漁獲で22時30分、操業終わり。

今期初の満船である!

南下帰途航走、大船渡向け。

例年、9月5日頃から秋刀魚漁は盛漁期入りするが、群れも濃くなり始め、

漁模様も良くなってきたようです!

ただ、今年は特大・大型魚の割合が少なく、中型魚の割合が多い。

型の良い秋刀魚の群れを漁獲するのは難しく、

これまで薄漁でも浜値に反映されなかったのは、魚体組成の関係のようです。

漁模様が上向き始め、今回は型の良い秋刀魚を漁獲する事ができましたが、

浜値はどうでしょう?

10日早朝入港予定。