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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【4航海目】!

2019年09月11日 | モバイル
9月5日朝5時30分・花咲入港!

時化海の操業で曲損、
うまく直らなかった船首側竹巻きボンブを陸揚げ修理

水揚げ、氷の積み込み、航海消費分の燃料油
約45klの補給を経て8時・花咲出港。

花咲からの漁場向けは、
ロシア領海内操業と
公海に向かう為の通過航走ではロシアへの連絡内容が異なり
公海へは200海里領海内を通らなければ、かなり遠回りのコースとなるので
公海向けの領海内通過連絡をする。

その為領海ラインを越えるまでは調査・操業は出来ない…

花咲を出港し、公海を目指す晩は、航海当直が主な仕事である。

風・うねりが共に強く、沖の漁模様が芳しくないとの情報…

6日・15時30分S/B、漁灯を拡げ日没から調査も、目指す海区には届かない…

南側の若干高めの海水温を調査、しかしサンマは見えない…

夜半過ぎから北東よりに調査、夜明けからは経済速力でポイントを目指した。

7日・16時S/B。
例によって外国籍船団多数の公海海区!







良い凪となり、日没から調査開始。

付近に日本のサンマ漁船は少なく、多くは外国籍船、
かなりニアミスする程 薄群れのサンマを各船が追う…

レーダーのモニターには10哩圏内だけで数十隻がひしめく公海銀座…

今期は、漁模様も漁体系もかなりシビアである…!

前航海とはサンマの魚体組成がが変わった…

サンマの回遊は進んできているようだが資源数はかなり低いレベルに感じる。

凪が良い事から漁模様を期待したが薄群れ操業と調査航走で
3時前、東の空が白んだ‥
さすがに沖の海区は夜明けが早い…。

夜明けより漂泊。
機関部はメンテナンス作業、
今期は特に時間を有効に使う必要があると考えている!

今のところ、かつてない低調な漁模様である為、
連日のように昼過ぎには氷艙と冷水の保冷が欠かせない。

8日・13時過ぎから漁撈長による水温調査、16時S/B。

日没後、サンマの反応が皆無となった…

外国籍船団が一斉に北東に航走を始めた!
外国籍船団は、何らかの情報に駆けたようで行動が早かった‥

僚船と共に外国籍船団と並走…
意外に速力もある‥
1000tクラスの外国籍船団が赤灯を灯したまま一斉に航走する様は圧巻だ!

操業・調査航走の合間に機関室内を見回るのだが、
減速機クラッチ油圧力の下降を確認…

直ぐに対策をとりたく、船橋の漁撈長に報告も我慢を強いられた…

夜明けまで様子見も、圧力は更に下降…

夜明けより帰途航となったが
準備は整えているので、船の航走停止を待つも
停まる気配がない為、再度船橋へ向かう…

警報が鳴り響いた…

減速機Lo温度上昇

航走ストップ、即 主機を停めて対策作業‥

対策交換作業に要した時間は約30分程…

急ぐ漁撈長の気持ちはわかるが、機関を預かる者の葛藤がそこにはある…

その後、圧力も温度も正常に復旧

操業した海区から花咲まで約700哩…
確かに遠い…

しかし、主機関は心臓部である。

解禁前から今期は一筋縄ではいかないような予感がなんとなくあったが
機関への一抹の不安は拭えない…。

その後の帰途航、10日に日付けが変わる頃から海水温が20℃を超え、
台風の影響で海上の外気温度も上がり
船内の湿度も上昇‥
空調のダクトの無い箇所は不快指数高めの空間…



機関室内は冷凍機停止中でも40℃超が続いた…!

10日夕刻頃から海水温が下がり、外気温度も下降
湿度も下がり過ごし易くなった。

船は11日朝6時頃、花咲入港予定!