blog-atom 2

…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【さんま漁・30 航海目】!

2014年12月01日 | モバイル
29日早朝3時、女川入港。

水揚げの入札を聞いて驚いた…

一気にさんまの浜値が下落…。

隣の石巻市場に、旋き網船による(イワシ・小サバ)大量水揚げがあったらしい…

…この時期には珍しい程、サンマの型は良かっただけに…

来期への大量在庫の懸念が生じる…。

水揚げ・氷の積み込みを終えて、11時30分女川出港、東へ…。

15時30分・S/B。

遅い時間から時化る気象予報…

17時過ぎから操業開始!

18時頃からは雨が降りだした…

うねりのある海上に雨が落ち、次第に風も来た…

数回の操業の後、さんまの灯付きが悪くなり、調査航走…

21時頃から一気に風が強くなった…!

22時、時化となり、甲板を整理して操業断念…!!

風に向かって船を支え、夜明けまで…

夜が明けてから、若干風が弱まり、漂泊。

14時、メインエンジン始動、うねりは高いも風は弱い…。

微速で漁撈長による水温調査、16時・S/B。

いよいよ11月も終わる…

漁は後半戦…。

二つの最終目標は、トラブルにより費やした一週間で遠のいてしまったが、

せめて昨年の総水揚げまでは伸ばしたいものである…

日没後、さんまは見えず、調査航走が続いた…

18時頃に1回操業するも、僅かな漁獲…

薄群れに灯付きも悪く、1回操業しては調査航走のパターン…。

沖よりに調査していき、さんまの魚体組成が変わり、小さんまが混じった…。

少しずつですがうねりは小さくなっている…

日付けが変わり、雨が降りだした…

夜明けが近ずくにつれ、さんまの灯付きが良くなって、群れもかたまり始めた…

残念ながら、艙三つが残った…

大時化の気象予報が出ており、夜明けより帰途航走女川向け!

……小さんまが混じった事で、

いよいよ本船でも「寒風干しさんま」船上造りが始まった!!



大樽に塩水を作って、小さんまを漬け込み、目刺しにして干す…。



なんといっても、本船には塩水漬けのプロフェッショナルがいる…!!

鮭鱒漁の「筋子」「イクラ」の塩水漬けの達人と云われる甲板長…

塩水の割合と漬け込む時間が決め手!!

尚、寒風干しは船上の潮風がよりいっそう風味を加えてくれる…!

…漁の後半戦、各船のサイドには干した小さんまが並ぶ…!

師走である…

季節風に漁を追われる時期でもある…!!

9時過ぎから南東からの風が強くなり、左舷後方から波風を受けながら…

船は12月1日・12時、女川入港。