『運命の森』は、イアン・リビングストンの手による作品で、ファイティング・ファンタジーシリーズの第3弾です。1982年の『火吹き山の魔法使い』の好評を受ける形で、2作目『バルサスの要塞』(S・ジャクソン)に続いて、同じ83年に発表されました。日本では、社会思想社より85年に出版されています。
第1作目の『火吹き山』が、RPGの基本に忠実な、ダンジョンを舞台にしたものであるのに対して、第2作目『バルサス』は、要塞を舞台としたキャッスル・アドベンチャー、第3作目の今作は、舞台を野外の森に移してのフィールド・アドベンチャーになります。また、第4作目の『さまよえる宇宙船』ではSFを、5作目『盗賊都市』では、町を舞台としたシティ・アドベンチャーと、RPGの基本を一通り体験できるようになっています。このあたりのバランス感覚のよさが、ファイティング・ファンタジーシリーズが、常にゲームブックブームの中心にあった理由の1つであるような気もします。
今作でプレイヤーは、ダークウッドの森を探索して、ドワーフの村より盗まれた『戦いのハンマー』を探し出し、森を抜けた所にあるドワーフたちの領地・ストーン・ブリッジへと届ける事になります。森の入り口には、高レベルの魔法使い『ヤズトロモ』の塔が立っており、ここで彼よりマジックアイテムを購入する事になります。第2作目『バルサス』にも似た設定ですが、これは金貨2枚とか3枚などの値段の付いた完全なアイテム扱いとなっており、プレイヤーは魔法の使えない戦士(あるいはレンジャー?)という事になります。またここで、いたずら心を出してヤズトロモに襲い掛かると、お約束ともいえる仕打ちが待っており、高レベルの魔法使い(彼には勝てない)という設定に、より深みを持たせるようになっています。
ゲーム自体は、実はシリーズ中でもかなり簡単な部類に入ります。閉鎖的な迷宮と異なり、オープン・フィールドということもあって、どこか牧歌的でハイキングのような雰囲気ももっています。森の入り口には、お約束とも言える左右の分岐看板とカラスがとまっており、彼にどちらに行ったらよいかアドバイスを貰うところから冒険が始まります。設定では、昼なお暗く木々が鬱蒼と茂る迷いの森なのですが、迷路の構造がシンプルなので(2~3本くらいしか分岐がない)、迷うはずもなく実にあっさり風味です。登場する敵も、ホブゴブリン、オーガー、半魚人、猿人、盗賊などと、基本に忠実な感じです。またダークウッドの森を抜けた後、森を迂回してヤズトロモの塔に戻れる迂回路があるという設定のため、(生命力が残っていれば)何度でも挑戦できるシステムになってますので、それがより難易度を下げています。
私は、ゲームブックに関する思い出というと、寒い冬の夜に勉強するフリをして熱中した思い出だとか、土曜日の帰り道などにデパート内の書店によってどれを買おうかと迷ったりした事だとか、楽しげなイメージがくっ付いています。書籍という印象よりも、もっと楽しげなゲームソフト的なイメージです。そのため今でも、この手の本を見つけるとけっこう楽しげな気分になります。実際買っても、遊んだりはほとんどしないのですが、そのほんわかとした気分を感じるために、手に取っているのかもしれません。
ゲームブックの思い出といえば、『運命の森』は、出るまでしばらく待たされたような記憶があります。なかなか出ないので、『火吹山』『バルサス』を交互に読んでいました。
応募券を集めてバッジを貰ったこともありました。とっくになくしてしまいましたが…
私がゲームブックを知ったのは、85年の冬頃だった
と思います。習い事の帰りに書店に寄ったら『火吹き』
と『バルサス』、『運命の森』が置いてありました。
今だったらとりあえず全部買うのですが、当時はどれ
を買ったものかと散々悩んで、第1作目の『火吹き』を
買って帰り勉強するふりして遊んだ記憶があります。
RPGも初めて、ファンタジーも初めてといった状態でした
から妙に新鮮で興奮したことを覚えています。
寒い冬の夜に、ゲームブックでゆっくりと過ごす時間
というのが、非常に有意義に思えたものでした。
今から二十年以上前ですが、確かにゲームブックブームと言うのがありましたね。
当時街の大型店では、ワゴンに特設コーナーが設けられ、色々なメーカーのゲームブックが並べてあったのを、憶えています。
中2だった私に友人からの薦めでその本屋に行き、確か「吸血鬼の洞窟」と言う作品を購入したと思います。
その後は「運命の森」も購入しましたが、結構印象に残っているのは「盗賊都市」でしょうか。
内容は忘れてしまいましたが、確かザンバーボーンと言う、盗賊の頭が出て来たと思います。
その後はブームに乗っかって、沢山のメーカーから作品が出され、「グーニーズ」や「ドラコンファンタジーシリーズ」、「ウルティマ」など、結構な名作もありましたね。
私も当時は勉強の合間によくゲームブックをやっていましたが、とにかく楽しくてしょうがなかったですね。
書き込みたい事は色々ありますが長いのでこの辺で失礼します。
PS.「1999年のドラキュラ」と言う作品はご存知ですか!?。
作者は‘スーパー頭脳集団’。
内容はぼちぼちでした。(笑い)
ゲームブックとの出会いの状況は、私もとても近いものがあると思います。PCゲームで“ドラゴンスレイヤー”や“ブラックオニキス”などRPGが話題になり始めており、FCでの人気がそれに拍車をかけていましたね。RPG、ファンタジーが楽しくて楽しくて仕方がない頃でした。
“1999年のドラキュラ”は検索してみましたが、知りませんでした。ちょっと珍品っぽい作品ですね。私はマイナー作品としては、全編迷路の絵だけで構成された“魔城の迷宮”が非常に印象に残っています。
http://blog.livedoor.jp/nyadach/archives/50116824.html
さて魔城の迷宮ですが、マイナーと言うよりはかなりの本格的な作品の様ですね。
迷宮物と言う事で難しそうですが自分なりのマップを作成する事でダンジョンや作品の全貌が後々確認出来るので、クリア後の満足度はパソコンのダンジョン物と同じ気がします。
当時パソコンのRPGは、広告のイラストなどのインパクトもあり憧れでしたが、パソコンがなくかろうじてFCのディープダンジョンをクリアしたぐらいでした。ただそれでもクリア後はそれなりの達成感がありました。
当時は好奇心の固まりでしたから、目新しく独特の雰囲気があったゲームブックは、学校でもかなり流行っていました。
ちなみに1999年のドラキュラは、おっしゃる通り珍品中の珍品でしたね。
しかしながら当時のゲームブック、捨てなければよかったと思う今日この頃ですが、かろうじて何故かオホーツクに消ゆだけが残っています。(それほど面白くは無いです。)
鋭いですね。ちょうど同じ頃PCのブラックオニキスをマッピングしながら解いて、同じように感じていました。
ゲームブックは、ブックオフなどの100コーナーなどで意外と手に入ります。とりあえず毎回チェックしています。
自分も近くのブックオフで探してみたいと思います。
また珍しい作品などがあれば書き込みたいと思います。
ありがとうございました。m(__)m
ゲームブックのお話で盛り上がってるみたいですね!
「1999年のドラキュラ」ですが、数日のうちに某オークションサイトをチェックしてみたら見つかりそうな気が・・・。
(↑迷惑でしたらすみません。本文ごと削除して下さい)
>数日のうちに某オークションサイトをチェックしてみたら見つかりそうな
出品される予定でもあるんでしょうか。ちなみに私はブックオフ100円オンリーだったりします。でもFFの後期や、希少本などは、オークションも利用しなければ、古本屋で偶然見つかる確立は低いでしょうね。
すみません。
遠まわしでわかりづらかったですね。
たまたまググってみたらちょうどヤフオクで出品中でしたよ。
・・・でも、あと残り24時間ですね。
http://page9.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k116849567
(↑直リンク迷惑でしたら削除してくださいね。)
いやはや「1999年のドラキュラ」は笑いネタとして書いたつもりでした・・・申し訳ありません。(^^ゞ
正直お勧め出来る作品ではありませんね。
ただ吸血鬼物好きの自分としては当時「吸血鬼の洞窟」と言う作品と本気で迷ってしまったのは事実です。
当然ながらお勧めは、後者の「吸血鬼の洞窟」になりますね。
その他珍品としてはウルティマ、ザナドゥ辺りがお勧めだとは思いますが、社会思想社の作品にはやはり敵わないと思います。
ごめんなさいね。m(__)m
ゲーム関連で有名なドラキュラというと悪魔城ドラキュラですが、ゲームブックとしては富士見書房より“AD&D暗黒城の領主”というのも出ていました。あまり特殊能力など持っていないように思われますが、なぜかラスボスなどの強力なモンスターとして扱われることが多かったですね。WIZ6のラスボスも、結局ドラキュラでしたし。
『吸血鬼好き』と言う事ですが、やはりFCの悪魔城ドラキュラの影響は大きいですね。
それに加えるとしたら、昔遊んだドラキュラのボードゲームでしょうか。
十字架、ニンニク、木の杭、それに銀の弾のピストルなどのカードを駆使してドラキュラを追い詰めるゲーム。
それらの印象に加えてゲームブックの吸血鬼の洞窟(創元社)が、創造力を高めてしまい、その後のドラキュラ好きに拍車を掛けたと言うところでしょうか。
吸血鬼の洞窟って、屋敷入り口の門にトリックがあったり屋敷内の絵の中の敵が攻撃して来たり(挿絵付き)と、要所にニヤリとする工夫があります。(作者は結構がんばっています)
ちなみにAD&Dのラスボスのドラキュラ、それにウィザードリィ6のラスボスのドラキュラは、知りませんでした。
80-Cafeさんかなり詳しいですね。 D&Dは小説のドラゴンランス戦記が面白かったと思います。
『休息して食事することができるのはそのように指示されたときにかぎります。』
と書かれています。
しかし、他の方の持っている筐体では、
『戦闘中以外ならいつでも休息して食事することができます。』
となっているそうです。
本文中では、『ここで食糧を食べていい』という指示は一切無いんですよね。
(正確に言えば一度だけありますが、それはトラップ)
大半の方が体力点回復に難儀したと思われます。おおらかな時代でした。
お持ちの《運命の森》の17ページには、どう書かれているでしょうか?
これは全く知りませんでした。30年前のトリビア、すごい面白いですね。