カメレオンの独り言

当分は漫ろ言の漫ろ歩き、頭に浮かんだ事柄を挿絵と写真と下手な文で綴ります。色々と間違い多いですがご容赦を。

カメレオンの独り言-1814 『映画 エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE』 恐怖のファヴェーラ 

2017年05月29日 | 日記





  『エリート・スクワッド ~ブラジル特殊部隊BOPE~』 2017年5月29日






『エリート・スクワッド ~ブラジル特殊部隊BOPE~』  2010年ブラジル映画。ブラジル映画なんか見たことあったかなあ?

その程度の馴染みだろうね? どちみちB級映画の時間潰し作品だろうなあってプライム無料で観てみたよ。

南米系の麻薬売買等、闇の世界の縄張り争い、警察、政治家等も取り込んで光は闇に侵食されて希望が霞んで見通しが悪い。





南米系の国の治安の悪さってのは、ホンマに恐ろしいレベルに達してるよ。其の最もたる無法地帯ってのがリオデジャネイロのファヴェーラ。

ブラジルのほぼ全ての大都市および中規模都市の郊外には、不法居住者の建てた小屋の並ぶファヴェーラや、

既存の町がスラム化したファヴェーラが存在するらしい。山肌に貼り付くように無数のバラックが積まれるように建っているね。












『リオデジャネイロのファヴェーラ』 実写







中でもリオデジャネイロ市のファヴェーラがもっとも有名でファヴェーラの多くは、不法占拠する形で小屋や家屋が築かれたもので、

一般的にブラジルの諸都市は、ファヴェーラの存在を法的実体として認知していないんだね。

最近は、軍警察の強硬な取り締まりが功を奏して、ひと昔のような、日常、公然と人殺しが横行する無法状態からは脱しているようだね。





リオのオリンピックを前に大がかりな犯罪組織の殲滅作戦で対抗する組織が勢力を失ったことで抗争が沈静化したらしい。













『リオのファヴェーラ(スラム街)軍警察 特殊部隊の掃討作戦』 実写









『リオのファヴェーラ(スラム街)軍警察 特殊部隊の掃討作戦』 実写







映画では、ブラジル特殊部隊が、其の先頭に立ち目には目をの強硬な取り締まりで命を張って戦う姿を描いてる。

昔、イタリア映画の暗黒ものかね? わりと実録風に描かれてコワイって感じさせる物語があったよ、「黒い警察」だったかなあ?

法の盲点をかいくぐって釈放された犯罪者たちが謎の組織「黒い警察」によって処刑されてゆくなんて筋書きだった。





オレ、こんなの弱い癖して好きなんだね。阪急京都線の淡路商店街に、地元の人が通い慣れてる3本立て映画館が在った。

オレも、一駅歩いてよく観にいったよ。その頃、イタリアン社会派ノワールなんて謳われた映画をよく観たよ。

情けは人の為ならず、なんて情状酌量も糞もない。犯罪者が容赦なく殺されて街は綺麗になっていくんだろうね? 「嘘つけ」





何事も度を超すとお釣りが返ってくるんだよ。正義ってのは、秤の均整を歪めては成り立たないものらしくてジレンマとストレスで

法の番人は 「やってられないよ」って、矛盾の沼でもがいて身がもたないのが現実みたいだね。

そんな鬱積を発散してくれるんだけど数遣るうちには間違いも起きてくる。此れが始まりの終わりに繋がっていくんだね。





そんなふうな映画を、いろいろ観たよ。なかなかリアリティな描写で、アメリカ風の「サッパリ忘れちゃった」とはいかない重さがあったね。














『リオのファヴェーラ(スラム街)軍警察 特殊部隊の掃討作戦』 実写








此の 『エリート・スクワッド ~ブラジル特殊部隊BOPE~』を観てると、当時のイタリア映画の非情さの雰囲気を思い出させる。

でも、ブラジルの映画は、「そんなこと云ってられないよ」って、声が聞こえてきそうな逼迫感が正義を後押ししてる風でもある。

腐敗した警察が街を牛耳ってるが如く、其の幹部たちがファヴェーラを支配し所場代の取り立ても容赦なしなんだね。





取り立てに抗議して 「儲けの1割では家族を養えないっ」街の往来でボコボコに蹴られた挙句、引き立てられて路地の裏、

自動小銃でハチの巣にされ身体が跳ね転ぶ、とどめの一発にもなんの情など欠片もない。

「暴力反対」なんて口から洩らそうものならバラバラにされるよ。映画でも、人を人とは思わない連中の傍若無人が当たり前。














『エリート・スクワッド ~ブラジル特殊部隊BOPE~』 理不尽な所場代に反抗すると虫けらのように殺される。








ファヴェーラの町には、機銃や銃を片手にふらつく者がウロウロしてるんだね。何処の国でもコワイ処ってのはあるみたいだけど

此の南米の国々のスラム街は尋常じゃない。そういえば、アフリカの国の貧民街でも似たような状況らしい。

此のブラジルのファヴェーラは遡って1895年頃かね、カヌードス戦争が起こった。政府は反乱軍の鎮圧のために元奴隷の黒人らを徴兵した。





徴兵兵士らは反乱軍を制圧したあと任務を解かれて大都市へ流れ、多くが当時の首都リオデジャネイロに移住したが政府は彼らに住居を

提供することができなかったんだね。結局、1897年、元兵士らはリオデジャネイロのモーホ・ダ・プロヴィデンシアという丘にあった公共の土地に、

自分たちで家を建てた。彼らは新しい街をカヌードスの反乱軍との勝利の地に生い茂っていた植物にちなみ、モーホ・ダ・ファヴェーラと名付けた。














『リオデジャネイロのファヴェーラ』 実写







アフリカ黒人の奴隷制度は、何もアメリカだけじゃないんだね。遥か彼方の国から売られて来て利用されるだけされて、ようよう解放されても

貧困は着いて離れずだね。身につまされるよ。ついてないってのは、こういうことなんだろうねえ。

「神は、我に何を求めてる?」 「何も求めてはおらぬ」 「へ?」 「探し求めよ」 「へ?」  神さんってそんなもんだよ。














『リオデジャネイロ コルコバードのキリスト像』 像が見下ろすリオ周辺は貧富を境目にしてファヴェーラが点在する。わりと多いね。







やがてカヌードスの元兵士に代わり、奴隷から解放された自由黒人らがファヴェーラに流入し、ファヴェーラは黒人を主としたインディオや

メスティーソらも住む貧民街へと変わっていった。ファヴェーラの町が建設されるより前から貧しい黒人たちは都心から郊外へと

押しやられていたが、都心で歓迎されない黒人たちにとって、ファヴェーラは働き口の多い都心に近い位置にあり、ちょうどいい移住先となった。





ファヴェーラの町が建設以前にも、逃亡黒人奴隷が築いた村落・キロンボがリオデジャネイロ周辺の山の斜面に点在している。

1888年に奴隷制度が廃止されると同時に行き場のない黒人たちが其々のスラム街に流入して街は大きくなっていった。

1940年から1970年頃までに政府が産業化を進め多くの国民がリオデジャネイロ、サンパウロに流入した。





その期に低層住宅の立ち並ぶスラム化した地区から溢れた人々は、丘の上に不法居住の家屋を築き増やし、

時代を経てファヴェーラ等スラム街は丘の裾野全域に拡大して最終的には貧困層居住者地域という共通点を持つに至っているんだね。

最初のファヴェーラの住民はアフリカ系住民で現在も黒人が主体であったが、19世紀のヨーロッパからの貧しい移民流入に伴い、





白人系の住民もファヴェーラに入ってきて人種的には多様になってる。ファヴェーラに住む人々をファヴェラドスと呼ぶらしい。














『リオのファヴェーラ(スラム街)軍警察 特殊部隊の掃討作戦』 実写











『リオのファヴェーラ(スラム街)軍警察 特殊部隊の掃討作戦』 実写








たしかに映画でも他種多様な人種が入り混じってるみたい。「どんな人等や?」 アフリカ黒人に土人、「土人?」 土地の人かな?

「紛らわしい表現すんな」 メキシコ系に南洋系に白人に中東系やらかんやらのファヴェラドスだよ。 「覚えたてやな」 そう。

貧困、低所得者、無学、肉体労働、DV、麻薬、売春、低能、 「おまえもファヴェラドスか?」 似たようなもんさ。












『リオデジャネイロのファヴェーラドス』 実写  こんなのがウジャウジャ居るんだわ、もう、手つけられへんね。 「イテもたろか?」だって。







其のファヴェーラに麻薬がはびこりだした頃からスラム街は、麻薬カルテルの支配下、其々の対抗勢力との身の毛もよだつ

血みどろの抗争が日常茶飯事となるんだね。金と欲望と権力が渦巻いて、のし上がるためには相手を叩き潰すのに容赦微塵もない殺戮の嵐。

「ちょっとオーバーじゃないか?」 甘いんだねえ、これはね、メキシコ麻薬カルテルと双璧をなす残忍非道ぶりだよ。





オレも、実際を見た訳じゃないけどね、いや、見たくはなかったけどね、このお話を書きながら関連する記事や写真を調べてて、

「ギョッエエ~ッ」て、吐きそうになったよ。もうね、以前に偶然見たメキシコの麻薬カルテルの凄惨極まりない写真群とおんなじだよ。 

もう、場だね。理性が飛んで行ったあとの本能の所業だよ。





其処には、僅かな憐憫も無ければ愛も心も慈悲も何もない無感情の地獄があるだけだよ。

惨殺死体の山々、男も女もない惨たらしい死体の写真が累々と載せられてんだね。造り物かと疑ったけどそうじゃなかった。

若い女性が素っ裸で血泥で汚れたタイルの床に五体バラバラにされて上下無造作に並べられてる。もう、仰天してしまう。信じられない。













『リオのファヴェーラ(スラム街)軍警察 特殊部隊の掃討作戦』 実写







外国は、こんな酷い写真を平気でそのまま載せるんだね。男も女も何一つ隠すことなく殺戮の現場は白日の下に曝されてる。

弛緩しきった死体は、総じて、ただの肉の塊のようになってるね。対抗組織の殺し合いが主みたいだけど、軍警察の強硬殲滅作戦では、

容赦ない銃撃戦の結果と見られる死体が道路や草むらなどに転がってる。軍警察隊員も同じく転がってるよ。百聞は一見に如かずだね。





後ろ手に縛られ壁にもたれかかった裸の男二人が座らされてる。目の先でチェンンソーのエンジンを操作してる兵隊? 

脅して尋問してるのか? 写真ではそう見える。しかし、写真が突然動いたかと思うや否や、無抵抗の二人の男を無造作に切り裂いていくっ。

唖然、呆然。 最近、映画の画像紹介などに写真が、突然、動画になる手法が増えてるけど、そのままに利用して悪趣味通り越してるよ。





『エリート・スクワッド ~ブラジル特殊部隊BOPE~』は、そんな実写から伺えるような人を人とも思わぬ残虐非道の背景が漂っているね。

ファヴェーラの市街地に入り込み特ダネを撮ろうと車で待機して様子を伺う女性記者と男性カメラマン。

目の前の安宿の中へ荷物を運びこむ機銃を肩に掛けた数人の男たち。「もう、危険だからよそう」って、カメラマンが制止してる。





荷物を運び込み終えた男たちが安宿の主人に賃金払って車で引き上げる。「よせ」って止めるのも聞かず女性記者が、

その通りの向こうに在る安宿へ入っていく。かなりヤバイ雰囲気なんだね。安宿の主人に金を掴ませて部屋を調べるうち運び入れた荷物の

中を見て政府筋の高官との癒着の証拠を見つける、小躍りして、其れを携帯で報告してる、「もういいっ、危険だから、すぐに出ろっ」













『リオデジャネイロのファヴェーラドス』 実写  此の山刀で何人殺してるかねえ?







携帯の相手側から、其の状況の深刻さを必死で訴えてる。 「誰も居ないわ」 「行こう、マズイよっ」カメラマンも急かしてる。

「他に誰も居ないのかっ?」 「う~ん、もうっ、誰も居ないわよ」 「解ったっ、兎に角、すぐに其処から出ろっ」

車のライトが窓越し見える。男たちが入って来る、「何の真似だ?」 女性記者が硬直してる、「出ろっ急げっ」携帯の声が叫んでる。





「震えてんのか?」 カメラマンが脅されてる。携帯の相手は、ファヴェーラの生活圏の秩序、治安の安定に命を賭して奔走する議員で

遅かりしの覚悟を胸に女性記者とカメラマンの救出に車を飛ばして向かう。ソファに突き倒されて声にならない声で震えあがる女性記者。

其の部屋の向こうの床にカメラマンが血の海に浸かって倒れてる。カルテルの幹部級の男が「どうするかなあ~」と脅して笑ってる。





「俺に愉しませてくれぇ」 向こうに立つ痩せた顔つきの男が奥まった眼で睨んでる。エチオピア系のスケベだね、こいつは? 

アワアワ震える女性記者に 「姉ちゃん観念しろよ」と頬を叩いて、エチオピア系に 「綺麗に片付けておけ」と指示して出ていく。

ファヴェーラの街中を探し当てて安宿に到着した時には夜が明けて女性記者もカメラマンも問題の荷物も一切が跡形なく消えていた。





あの後、女性記者を酷い目に遭わせて殺して焼いて埋めたんだね。もげた黒焦げの彼女の顔を手に弄び、其の歯を撫でて薄笑い。














『リオデジャネイロ コルコバードのキリスト像』 コパナバーナ、イパネマの海岸 豪華なホテル群の観光地とファヴェーラは背中合わせにある。








似たような黒焦げの死体を掘り出してる実写があったね。身体上体部にハリネズミのようにナイフが挿し込まれてる死体があった。

これ等の惨殺死体から察するところ、利害及べば憎しみ生じて始まり、憎悪と憎悪がぶつかり合って、いずれか全て無にして独占する。

殺人は、単なる手段であり、手段は慣れれば遊びであり、感情が伴わなければ単なる数の消耗となる。ホンマにおっそろしい処だよ。





映画は実録風に描写されて、殊更、大仰に一点集中せずに拡散されて事実の積み重ねって感じがするからリアルに映る。

ブラジル特殊部隊BOPEの面々も取り立てて隊員たちの人となりも集団の中の一人として描かれてる。

実写やフィルムを見れば、此の麻薬カルテルの君臨は、暗黒の脈絡を断ち切らねば解決はほとんど望めないだろうね。





積み重なった歴史の貧困層のファヴェーラは悪の根城であるけれど、其処に生きるための日々の生活も当然現存してる。

軍警察、ブラジル特殊部隊BOPE等の掃討作戦も、其のスラム街に侵攻し行動するものでターゲットに接触すれば市街戦さながらとなる。

日本はいいところだね、TV「日本の警察24時」こんな題名だったかね? なんと秩序正しく治安の行き届いた平和な国だろうか。





リオのファヴェーラは、五輪以降、軍警察の巡回、駐屯(交番所の設置)が目立ち、ひと頃の昼でも銃声響く危ない場所から脱して

観光バスもスラム街を走行、観光客も立ち入りの姿が見られるようにはなってきたみたいだね、

ブラジルは広い、ファヴェーラ地域も多い、麻薬カルテルが在る限り、それに介在する者らの暗躍は巧妙になってキツネになって犬コロに化ける。













『リオのファヴェーラ(スラム街)軍警察 特殊部隊の掃討作戦』 実写








『エリート・スクワッド ~ブラジル特殊部隊BOPE~』は、実際を背景に描いていて生々しく感じる恐怖があるね。

知らぬものなら知らぬままに生きれたほうがいい。ただ、正義のために命張って戦う人たちには頭が下がる。

惨たらしい惨殺体がゴミくずみたいに転がされてるのに、そんなの毎度見慣れてしまって無表情なんてホンマに悲しいことだよ。





グーグル・マップ取材陣がファヴェーラに入って住所紹介してマップを作製する協力を得たらしい。実際、今まで迂闊なことは

出来なかったけど安心してネットでファヴェーラに入ることが出来るようになった。

公共地に無断で住まいを設け水も電気もお構いなしに使って知らん顔、請求に行くにはコワイから国は黙って諦めてる。





だけど、所場代を当然のように請求にくるコワイ奴等が他に居る。何処に居てても請求書からは逃げられないみたいだね。


































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