美人が薄化粧したようにソフトなライトアップをされた新しい東京駅のニュースをNHKが流している。
5年前から行われていた1世紀前のオリジナルスタイルへの復元工事が終わり、今夜は駅舎の中央部がライトアップされ、来月1日のフルオープンに向けて都民へのプレお披露目が始まったというわけだ。
これまでは平面図やふるい写真などでしか見られなかった辰野金吾デザインの大正時代の姿、特に昭和20年の空襲で焼け落ち . . . 本文を読む
駅に向かう道沿いのある住宅。いまどき珍しく玄関先の軒に風鈴が取り付けられてある。熱をふくんだ午後の微風にか細い声を上げているのが聴こえる。そのチリンチリンがなんとなく涼しさを感じさせるのは不思議なものである。風鈴などという風流を考え出したのが我々の先祖だとすると、古日本人の感性のするどさはなんとスゴイものかと、今更感心してしまう。
「くろがねの秋の風鈴鳴りにけり」
大岡信の「折々のうた」の秋の . . . 本文を読む
NHKの夜のTVニュースで「知床の痩せた熊」を取り上げていた。
北海道新聞が取り上げた斜里のヒグマの写真が話題を提供したものらしい。人間が入らない動物にとっては幸いな自然環境であるはずが、どうもそうはなっていないようだ。
豊かであるはずの山々に動物のたべものになる木の実が生らず、川を遡上するカラフトマスの数も極端に少ないのだという。人間が入らないことでエゾジカが大繁殖をし、限られた食料がさらに . . . 本文を読む
昨日の名古屋地方は午前中に驟雨が来たせいか最高気温は7月13日から続いた真夏日の30度以上を始めて切って28.4度、やっと涼しくなりそうかと思ったのだが、今日はまた元にもどって33.0度を記録した。体の調整がうまく出来ないせいか暑さが却って堪える。こんな状態が「残暑厳しい」というのだろう。
坪内稔典の「季語集」。秋の時候の項に「残暑」が載っているが、「ああ、これが残暑だ」と感じられるのは9月に入 . . . 本文を読む
昨日は二百二十日の厄日だった。
昔の農事暦は立春を大きな目安にしている。その立春から数えて210日が二百十日、220日が二百二十日。ちょうどこのあたりがイネの花盛りにあたっており、百姓は天候を気にし大風を恐れた。二百十日の前一週間も「前七日」と云って台風の目安になっている。
関森勝夫の「文人たちの句境」には、この農事暦について、貞享七年(1684)に作られた新暦から二百十日、二百二十日が掲載さ . . . 本文を読む
午後2時半をすこし過ぎた頃、自分の乗った電車は途中駅で動かなくなった。車掌のアナウンスによると先行した列車が人身事故を起こした為しばらく待ってくれという。
事故が発生した直後ということだから、しばらくは動かないだろうとは判断できたので、小説を読むことにした。月曜日の午後ということで乗客は少なく車内は静かだし、クーラーがよく効いて快適である。しばらくすると眠くなってちょっとウトウトした。携帯PET . . . 本文を読む
ひとの生理的な感覚は誠に微妙、言い換えれば、結構イイカゲンなものだ。昼間は夏の暑さが続くが、万歩をしていても汗をひどくかくことは減って、口は冷たい水よりも温かいお茶を欲する。日暮れれば身体は風のさわやかさを感じ、草むらで鳴き始めた虫の音をわが耳はしっかりとキャッチして、秋の訪れを感じている。
食欲も戻ってきて、今日の夕食は1品多かったがしっかりと戴いた。ご飯を美味しく感じるのもよい。北海道のブラ . . . 本文を読む
週末恒例のJRA場外観戦。今日は予想馬が1着になった。払戻金は少なくとも帰りの気持ちは軽い。
競馬場の西出口に人だかり、何だろうと思いながら近づくと、中年女性連が、通過する競馬客たちに「お願いします」といいながら、パンフレットを手渡している。警察官の姿やTV局のクルーも混じっているようだ。こちらにもパンフを差し出された。断る理由もなかろうと受け取り、眼を通してみた。
「犯人よ!許さないぞ!豊明 . . . 本文を読む
アメリカの大統領選挙、民主党の党大会がノース・カロライナのシャーロットで開催され、最終日の今日は、オバマ現大統領の大統領候補指名受諾の演説があった。
NBCのニュース画像で見たコンベンション会場の様子。ちょっとデコレーション不足かなと思ったが、計画では屋外で開催するつもりだったものが、雨降りのために急遽、ホール内に党員達を集めたことによるものらしい。それでも、日本の党大会に比べれば、コスプレやプ . . . 本文を読む
住宅前の植え込みに派手な桃色や紫やピンクの花びらが見えるのは鳳仙花なのだろうか。自分が子供のころには鳳仙花はとてもポピュラーな花だった気がするが、最近は洋花が前に出てきたせいか、ホウセンカというやや古風な花の名前を聞くことがないような気がする。
WIKIには、鳳仙花は丈夫な植物で、病虫害もほとんどなく育てやすい。熟すと果皮が弾けて種を遠くに飛ばすとある。たしかに、熟れた果実を指で触って弾けさせて . . . 本文を読む
今日も名古屋地方の最高気温は35度を越えた「猛暑日」になった。万歩途中で立ち寄る図書館、学校が始まって子供たちの賑わいは消え、暑さを避けてやってきているのは年寄りたちばかり。こちらもその1人というわけだ。
時計が午後5時になったのを潮時に街中ウオーキングを開始。熱田区から中川区を抜けて中村区までの道程を脳内GPSに記憶させて歩く。日暮れ時が早まり気温が下がるのが早いので、8月盛夏の時期に比べて体 . . . 本文を読む
NHKの石川ローカルに「加賀温泉のホテル百万石5日から休業へ」というニュースが載った。ホスピタリティ業界で働いたものとしては、突然の「クビ」を言い渡された多くの従業員たちの困惑具合がまず気になった。
ニュースによると、突然の休業は、旅館の経営不振が原因と見られるとのこと。帝国DBの情報では、平成3年には87億円の年間売上だったものが、長びく不況で業績低迷が続き、10年後の現在は年間売上16億円と . . . 本文を読む
台湾の女流作家で評論家の龍應台が書いた歴史ノンフィクション「台湾一九四九」(原題:大江大海1949、白水社2012年刊)を読んだ。
訳者の天野健太郎によれば、台湾では2009年8月の刊行。「大江大海」とは、蒋介石国民党政府が台湾へ撤退した1949年に、広大な中国の大地とそれに連なる大海上で荒れ狂った歴史と中国人の運命を表し、これまで台湾では正面から取り上げられることのなかった「1949年の敗戦」 . . . 本文を読む
「秋風の吹けども青し栗のいが」
9月になっても気温はさほどに下がらず、松尾芭蕉のこの句の如くの感覚にはなりそうもないが、それでも空行く雲の形が変り、日が落ちたあとには、夕風が昼間の熱を和らげてくれるようだ。
金田一春彦の「ことばの歳時記」、9月1日の項は「秋風」。先生は、秋風は金風ともよばれ、西から吹いてくるのだといわれるが、東京にいれば西も東もあったものではなく、涼しい風がふけば、オヤ秋風だ . . . 本文を読む
万歩途中、周辺を眺める余裕さえあれば、いろいろなものを見つけることができる。
昨日は名古屋市の呼続町を横切った。五十三次の旧東海道が通る町だ。「よびつぎ」とは変った名前、いったい何を呼び継ぐのかとおもったら、ここから一里ぼど西にある熱田宮の渡し(七里の渡)から出航時刻になると「渡し舟が出るぞ」と旅人から旅人へ呼び継いだことから着けられた地名らしい。
マンションも増えてきてはいるが、この辺一円は . . . 本文を読む